レフト・ビハインド
キリスト教にハマった妻を持つニコケイとその娘。二人は妻(母)のその様についていけないものを感じていたが、ある日、彼女が言ってたことが現実に。なんと、一部の人々が忽然と姿を消してしまったのだ。それにより世界はパニックに陥り、機能不全になってまう。果たしてニコケイと娘は生き残ることができるのか。ネタバレあり。
―2015年公開 米 110分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:突如数百万もの人々が忽然と消え、世界中に混乱が広がる様子を壮大なスケールで描いたパニック・アクション。迫りくる終末を描き全世界でシリーズ累計6500万部を超えるベストセラーとなった『レフトビハインド』を映画化した。監督は数々の作品のスタントを手がけ「バニシング・レッド」など監督業にも進出するヴィク・アームストロング。「ゴーストライダー」シリーズや「ナショナル・トレジャー」シリーズなどハリウッドを代表するスター、ニコラス・ケイジが、危機に瀕しながらも乗客の命を救おうとするパイロットを演じる。ほか、「フルートベール駅で」のチャド・マイケル・マーレイらが出演。(KINENOTE)
あらすじ:突如数百万もの人々が忽然と消え、都市機能が停止、暴動が起こるなど世界中がパニック状態に陥ってしまう。航行中の飛行機内からも衣服や荷物を残したまま乗客が消えてしまい、機内は混乱する。さらに管制塔とも連絡が取れなくなり、パイロットのレイ(ニコラス・ケイジ)は地上に残った娘を心配しつつ、懸命に乗客を守ろうとする。(KINENOTE)
監督:ヴィク・アームストロング
出演:ニコラス・ケイジ/チャド・マイケル・マーレイ/キャシー・トムソン/ニッキー・ウィーラン/リー・トンプソン
ネタバレ感想
ニコケイ好きだから鑑賞
もちろんニコケイ目当てで鑑賞。世間の評価はかなり低めでも、ニコケイ好きとしては観ておくべきと思い、ネットフリックスで観てみた。
感想としては、最近のニコケイ主演バカ映画の中ではそれなりにマシなほうかと。ニコケイ扮するレイは飛行機のパイロット。宗教狂いの妻に付き合いきれないので、仕事に逃げていて、自分の誕生日で大学生の娘も家に帰ってきてくれるのに、それも打ち捨ててロンドンへのフライトに向かう。
なんでかというと、若いキャビンアテンダントとロンドンについたらデート(不倫)しようとしているのだ。さすがだぜ、ニコケイ。
なぜ人々は消えたのか
娘とは離陸前に空港で待ち合わせてて、いろいろ言い逃れしてさっさとフライトへ向かうニコケイ。娘は空港で有名なジャーナリストと出会い、お互い惹かれあってキュンキュンしちゃうという冒頭であった。
でまぁ、いろいろあって、ニコケイは飛行機の中で、娘は町中で人類消失事件に立ち会うことになって、パニック状態に陥った世界の中で、生き残りを図ることになる。
この作品の変わっているところは、パニックのきっかけが、ある特定の人が消えてしまうというところ。どうやら子どもやキリスト教にまつわる何かの道具を持ってる人らが姿を消してしまったことがわかってくる。
要するにこれ、神への信仰が深い人を、神の御心によって天国へ連れていくという救済の物語なのである。救済されるのはニコケイの妻のように敬虔な信者と子どもってことみたい。ニコケイの妻を洗脳した牧師は、実は神の教えを説いてはいたものの、信じる心がなかったようで、神に置き去りにされている(笑)。
人が消えたからってあんなパニック起こるか?
どうもこの世界の神は、人間の糞みたいな所業にへきえきして、信者のみを天国に連れていったっぽいけど、ようわからんのが、天国に連れて行ったからといって、なんなのかということだ。
なぜか人が消えてしまったことで、残されたほうの人類たちの世界はパニックに陥るんだけども、なんであんな状況になるのか、俺には理解できん。
だって、人が消えただけだからね。そりゃ、身内が消えちまったらパニックになるのはわかるけども、なぜ、天変地異が起きたかのように盗みが横行したり、どっかに逃げまどったりする状況になるのか。もう少しみんな、人が消えてしまった事態について、冷静に事の次第を考えると思うだけどなぁ。そういうもんではないんかね。
敬虔な信者も、頑なな無神論者も似たようなもの
面白いのは、母親の宗教観に同意できない娘が、頑なに母の話を聞こうとしないところ。聞くだけで不快になっちゃうみたい。この娘、物語中盤くらいで、母親に教えを説いた牧師に会うんだけども、その牧師が「話を聞いてくれ」と言ってるのに、最後まで聞くことを拒否してその場を立ち去っちゃう。
この頑なさって、母親とは別の意味で自分の心情に頑なすぎなわけで、どっちもどっち、同じ穴の貉ってことにしか見えないのだ。要するに、主義信条が異なろうとも、ある程度がお互いに歩みよって、相手の言に耳を傾けることが大事なんではないかってことを教えてくれる。
脇役の掘り下げが中途半端
この映画のダメなところは、飛行機の中で行われる薄っぺらいジタバタ劇が物語に何の深みももたらしてないところ。金持ちで仕事のことばっか考えてるオッサンとか、性格の悪い小人症のオッサンとか、オカルト大好き青年とか、いろいろな奴らが繰り広げる中途半端な関わり合いが、単にエピソードとして挿入されただけで、さほど生きていないように見える。
しかしまぁ、ビジネスクラスっぽい客席は広々としてて、長時間のフライトにおける快適さは、エコノミーの比ではないんだなぁと感じられた。いいなぁ(笑)。
よう考えてみると、飛行機ってさして大きな乗り物ではないのに、その選べる客席にものすごい格差があって、この世が金がモノをいう世界であることをかなりわかりやすく伝えてくれるもんであるなぁと、本編とは関係ないことを考えてしまう。
酷い作品だが、ニコケイ好きなら
最終的に、ニコケイはジャーナリストと地上にいる娘の力を借りて、なんとか飛行機を不時着させることに成功。神のもとに召された人類はこの世から消え、それ以外の人類は世界に残されたのであった。
さっき、なんで人が消えたことであんなパニック状態が起こるのかってのを突っ込んだけども、それ以外にもおかしなところ満載。例えば、ニコケイ扮する機長は機内をチョロチョロ歩きすぎ。平常時の機内ではあったけど、そんなことしないと思うんだが。
あと、離陸前とはいえ、ジャーナリストが娘に託された品をニコケイに渡してたシーンもおかしくないか? あんな簡単に客がコクピットに入れるわけねーだろ。
他にも、パニック化で街を彷徨っている娘に対して、謎の男がショットガンを向けるシーン。あれもなんなのか意味がわからない。
とかとか変なところもいっぱいありすぎるし酷いんだけど、ニコケイが出てるから別にいいか。という感じの作品でありました。ただし、ニコケイ好きでない人にはおすすめはしない。
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