リグレッション
アメリカの薄暗い田舎町で自分の娘を虐待した容疑でブタ箱に入った男がいて、彼の供述が曖昧なので、訝しんだ刑事がいろいろ調べてみると背後に悪魔崇拝者の影がチラつき始め、ジタバタする話。ネタバレあり。
―2015年製作 西=加 106分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「海を飛ぶ夢」のアレハンドロ・アメナーバルが監督、1980~90年代初頭にかけ社会問題になった悪魔崇拝に着想を得たサスペンス。虐待を受けたとの告発を受け、少女の父親を尋問するケナー刑事。少女の記憶をたどるうちに、町に秘された闇に行き当たる。真相解明にあたるケナー刑事を「ブルーに生まれついて」のイーサン・ホークが、彼に協力する心理学者を「ハリー・ポッター」シリーズのデヴィッド・シューリスが、虐待を訴えた少女アンジェラを「ブリングリング」のエマ・ワトソンが演じる。(KINENOTE)
あらすじ:1990年、アメリカのミネソタ。ブルース・ケナー刑事(イーサン・ホーク)は、父親から虐待を受けたと告発したアンジェラ・グレイという少女(エマ・ワトソン)の事件にあたることに。しかしアンジェラも父親もどこか記憶が曖昧であり、父親は記憶がないにも関わらず罪を認める。そこでケナー刑事は名高い心理学者(デヴィッド・シューリス)に協力を依頼。少女の記憶をたどりながら事件を追ううちに単なる家庭内の問題ではないことに気付いたケナー刑事は、町に隠された恐るべき闇に迫っていく。(KINENOTE)
監督・脚本・製作:アレハンドロ・アメナーバル
出演イーサン・ホーク/エマ・ワトソン
ネタバレ感想
バッグボーンがよくわからないケナー刑事を演じるのがイーサン・ホーク、父親に虐待されて教会に匿われている少女アンジェラを演じるのがエマ・ワトソンとなかなかのキャスト。特に俺はイーサンホークが好きで、駄作にも結構な割合で顔を出す多作ぶりが好印象なんである。
であるから本作もその駄作よりな内容であることを覚悟して鑑賞したら、何とも言えぬ普通作品であった。まず、いろいろと謎めかせている間に、鑑賞者は主人公のケナーすら信じられなくなっていって、登場人物の誰が現実を見ていて、誰が妄想の中にいるのかなどがわからなくなってくる。こういう幻惑的な展開はいいんだけど、ケナー刑事に対して無言電話をかけてるのは誰かって、けっこう想像がついちゃって、案の定それがけっこう早めにばらされちゃうので、なんじゃぁこりゃと思ってまった。
結局この作品、心理学の催眠療法? かなんかの退行催眠だったかなんか、過去のトラウマ体験を思い出させる療法が、実は前提として自分が犯していない罪を犯していると思い込んでいる人間に対して行うと、記憶の刷り込みが行われるそうで、なんだかようわからんけども、ともかくアンジェラの父と兄貴が見てた悪魔崇拝の儀式はアンジェラが刷り込んだものだったらしい…多分。
ではどうやってアンジェラがそんな刷り込みができるのかは、俺には謎。いずれにせよ、純粋な邪悪的な存在だったアンジェラが罪に問われることなくマスコミから同情を買う立場となり、その親父は自分の犯していない罪も被って、娘を守るのである。それが何とも腑に落ちないケナーだが、自分自身もアンジェラにひと時は篭絡されていたわけで、忸怩たる思いの中で劇終を迎える。
うーぬ。なんなんこれぇ…。
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