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映画『リアリズムの宿』つげ義春テイストは薄いが、おもしろいです

リアリズムの宿 イメージ
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リアリズムの宿

漫画家、つげ義春原作。この話ってコメディだったんか。漫画で読んだときはどうにも笑えなかったんだけど、本作では笑えた。腹抱える類の内容ではないけど「ふふっ」て感じのちょい笑いをいたるところでしてしまう。アマゾンプライムで鑑賞できます。ネタバレなし。

ー2004年公開 日本 83分ー

解説:顔見知り程度でしかなかったふたりの青年が織り成す、おかしくせつない旅を描いたオフビート・コメディ。監督は「最も危険な刑事まつり/汁刑事」の山下敦弘。つげ義春による2篇の漫画『会津の釣り宿』と『リアリズムの宿』を、「ばかのはこ船」の向井康介と山下監督が共同で脚色。撮影を「ばかのはこ船」の近藤龍人が担当している。主演は、「1980」の長塚圭史と「飼育の部屋 終のすみか」の山本浩司。(KINENOTE)

あらすじ:駆け出しの脚本家・坪井と、同じく駆け出しの映画監督・木下は、顔見知りではあるが友だちではない微妙な間柄。旅行を計画した共通の友人・船木が遅刻した為、仕方なくふたりで温泉街を旅することになった彼らだったが、あてをつけていた旅館は潰れているは、新たに見つけた宿では風変わりな外国人主人に金や酒をふんだくられるはと散々。途中、服も鞄も全部海に流されてしまったと言う東京から来た敦子と名乗る21歳の女の子と一時の道連れになるも、その後は船木と連絡がつかないまま持ち金も底を尽き、漸く辿り着いた商人宿は部屋も風呂も料理も最悪だった。情けなくて、惨めで、笑うしかないふたり。しかし、いつしか彼らの間には絆が芽生え、東京へ戻ったら一緒にホンを書こうと約束するのであった。翌朝、宿を後にしたふたりは、登校する女子高生の中に敦子の姿を見つける。小さく手を振ってくれた彼女に、ふたりも小さく微笑みを返した……。(KINENOTE)

監督:山下敦弘
出演:長塚圭史/山本浩司/尾野真千子

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つげ義春の漫画は、中毒性がある

原作者、つげ義春の漫画って訳がわからんの多いけど、絵といい話の内容といい、インパクトあるんだよね。好きってほどではないものの、たまに読みたくなっちゃう中毒性がある、不思議な作家。ファンも多いから、こうやって映画にもなるんだろう。監督は『苦役列車』を撮っている人だ。ただ、原作の雰囲気がでているかというと、あまりそんな感じはない。もう少し作風に古さが必要だったのだろうか。

映画『苦役列車』 原作とは異なる青春映画
役者はなかなか。森山未來は卑屈な底辺男感をうまく表現していて、すごいなぁと思いました。それは表情にもすごく出ていて、他の作品の彼とはぜんぜん違う人に見えた。あと、前田敦子ってなんか勝手なイメージであんま上手じゃなくて可愛くもないんだろうとフィルターかかりまくりだったけど・・・

出てくる人たち、みんな変

冒頭で紹介したように、ところどころで笑える作品だ。最初の宿の外人とか、なんなの?(笑)。原作だと普通の日本人のオッサンだったと思ったけど。ともかく出てくる田舎の人たちが変な人ばっか。よく考えたらああいう寂れた街を旅行したことないからわからんのだけど、あれがリアルなのだろうか。

食堂でピラフとビールを奢ってくれるオッサンと一緒にいた満という名の青年の胡散臭ささったらない。そして、2人を車に乗せるためにオッサンと満に置き去りにされたあの少女は何者だったのか。まじで意味不明(笑)。説明がないのでわからないが、いずれにしても怪しすぎる、いかがわしすぎる人がこれでもかってくらいに登場してきて、そこも笑えるのだ。

考えてみれば、主人公の2人もかなり、いかがわしくて怪しい。友人にしてはぎこちなさそうにしている2人の男が、黙って砂浜にいたり、黙ってバスに乗ってたり、黙って釣りをしていたり、黙って歩いてたりしたら、やばい人だと思われてもおかしくない。

彼らはもう1人の男が来るのを待っているわけだが、何で待つ必要があるんだ? 帰っちまっても何ら問題はないと思う。そうしたら別の作品になっちゃうけど。待たずに帰るか否かについて話し合いが持たれるシーンもあったけど、やっぱり帰らずにフラフラしている。そういう時を共にすごす中で、2人は友人になっていくわけだ。

最後の宿は軽くホラー(笑)

最後の宿は、いさかかホラーめいていて怖い。あいつら、よくあんなところに泊まったと思う。俺だったら寒くてもいいから外で過ごしたいと思う。マジで。

あの宿を経営する家族、悲惨すぎでしょ。2人ともその辺にはけっこう無頓着で、ちっとも同情していない。むしろ家族の境遇を笑いにしちゃっている。そういう感じって、確かにわかる。笑えてきちゃうのもわかる。だからこそ、あの2人の冷たさがリアルだよね。でも、優しくしたり同情したりしたって何の救いにもならんのだから、あれでいいんだろうな。

ということで、面白かった。83分という短さもいい。

そういえば、いい宿に泊まったことがあった

宿がいくつか出てくるこの作品で、ひとつ思い出した。山口県の萩市を旅行した時に、芳和荘という旅館に泊まったことがある。周辺は昔、遊郭だったそうで、ひとつだけ取り壊されずに残った遊郭建築物が旅館になっているのだ。宿の中心が吹き抜けの中庭になっており、中庭を囲む回廊があって、部屋が並んでいる二階建ての宿。もちろん、風呂やトイレは個室にはない。

だいぶ古い建造物なので、中庭を囲む回廊の手すりやハリがゆがんでたりする。大丈夫かよ、と思うものの特に問題はないようだった。なんとも風情のある建物で、主人もいい人だったし、楽しめる宿だったなぁ。手元に写真がないので紹介できないけど、検索するといろいろな人がブログにあげているので、興味があれば。

 

映画『最後まで行く』ネタバレ感想 ラストまで怒涛の展開。笑えます!
かなりバイオレンスな映画なのかと期待して借りてみたら、ほぼコメディ(笑)。ラストまでいろいろなトラブルが起こり続けるので飽きさせない。主役を務めるイ・ソンギュンの顔芸も笑えます。ネタバレ少し。 ―2015年 韓 111分―
映画『クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的』ネタバレ感想 予告編だけで充分
茶番劇を延々と見せられるだけの映画。ラストまで観られたのは、主人公とおぼしき女優さんがなかなかキレイだったので。役としての魅力はほとんどないものの、下着姿でオイル塗りたくって狭い穴に体を通り抜けさせようとするシーンなんかは、ウヒョヒョな感じであった(笑)。ネタバレあり

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