サイコ
ヒッチコックの有名な作品。アマゾンプライムで鑑賞。モノクロだし映像に古臭さはある。それは当然だ。でも名作と言われるだけあって、面白く観られる。ストーリーの作り方とかが最近の作品と比べると凝っているように感じたのは、気のせいだろうか。ネタバレあり。
―1960年 米 109分―
解説:アルフレッド・ヒッチコック監督作品。原作はロバート・ブロックの推理小説。脚色を「黒い蘭」のジョセフ・ステファノがうけもつ。撮影と音楽はジョン・L・ラッセルとバーナード・ハーマンがそれぞれ担当。出演は「のっぽ物語」のアンソニー・パーキンスのほかジョン・ギャビン、ジャネット・リー、ベラ・マイルズら。製作もヒッチコック。最初の邦題は「サイコ-異常心理-」。(KINENOTE)
あらすじ:アリゾナ州の小さな町ファーベル。そこの不動産会社に勤めているマリオン・クレーン(ジャネット・リー)は隣町で雑貨屋をひらいているサム・ルーミス(ジョン・ギャビン)と婚約していたが、サムが別れた妻に多額の慰謝料を支払っているために結婚できないでいた。土曜の午後、銀行に会社の金4万ドルを収めに行ったマリオンは、この金があればサムと結婚できるという考えに負けて隣町へ車で逃げた。夜になって雨が降って来たので郊外の旧街道にあるモーテルに宿を求めたマリオンは、モーテルを経営するノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス)に食事を誘われた。ノーマンは母親と2人でモーテルに接続している古めかしい邸宅に住んでいて、頭が良く神経質で母親の影響を強くうけていた。ノーマンが1号室にマリオンを訪れた時、彼女は浴槽の中で血まみれになって死んでいた。ノーマンは殺人狂の母親の仕業と見て4万ドルともどもに裏の沼に沈めた。会社では、月曜になって銀行に4万ドルが入ってないのを知り私立探偵アポガスト(マーティン・バスサム)にマリオンの足取りを洗わせていた。マリオンの妹ライラ(ヴェラ・マイルズ)は姉がサムの家に行ったと思いサムを尋ねてきた。そこへ探偵のミルトンもやってきた。2人ともサムの家にマリオンがやってきていないことを知った。アポガストはファーベル町とサムの家の間にモーテルがあることを知り、それを調べに出た。そこでマリオンが確かにモーテルに寄ったということを知った。これから母親と会うという電話がアポガストからサムにかけられてきた。そしてアポガストは消息を絶った。アポガストの連絡を待つサムとライラの2人は町のシェリフ・チェンバース(ジョン・マッキンタイア)を訪れ意外なことを聞かされた。ノーマンの母親は10年前に死んでこの世にはいないこと。だが、マリオンが見た母親、アポガストが電話で伝えた母親は――2人はモーテルに馳けつけた。サムがノーマンをフロントに引き寄せておく作戦に、ライラはモーテルから屋敷へと忍び込んだ。そうして地下室で見たものは女の服を着たミイラであり、後ろから襲いかかった老婆は――。(KINENOTE)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:アンソニー・パーキンス/ヴェラ・マイルズ/ジョン・ギャビン/マーティン・バルサム/ジャネット・リー
結婚したいんです
不動産会社で事務職をしているマリオンさんは、恋人のサムと結婚がしたいらしい。でもサムには別れた奥さんがいて、慰謝料を払い続けているので金がない。しかも結婚生活にそんなに期待もしていないから、マリオンさんとは恋人同士でいれば充分なんである。
でもマリオンさんは、結婚生活というやつを味わってみたいので、ヤキモキしている。そんな時に、彼女が勤める不動産に富豪っぽい、感じの悪い親父が現金で家を買いにくる。その額、4万ドル。今の金に換算すると、5~6千万円くらい・・・かな? (あってる?)
金奪ってトンズラこいたれ
いずれにしても、大金のようだ。で、事務所に保管するには不安な社長はマリオンさんに銀行で小切手に換えてくるように依頼。仮病を使って早退することにした彼女は、現金を持ったまま家に帰宅、そのままトンズラこいちゃうのである。
オイオイオイオイ
駄目でしょ。そんな大金預ける社長も社長だが、よっぽど彼女のことを信用してたってことだろうか。俺だったら自分で銀行いくなぁ。まぁいいか。マリオンさんの気持ちはわからんでもない。持ち逃げしたくはなるよ、誰だって。
もう少し考えようよー(笑)
そこまではまだいいんだけど、このあとの彼女の行動、どう考えたって行き当たりばったりすぎるだろ。とりあえず車に乗って町を離れるのだ。たぶん、サムのところに行くんだろうね。でも、途中で警察に呼び止められちゃう。怪しさ満点の受け答えしかできなかったけど、なんとか警官から逃れられた。
不安になっちゃった彼女、そこで車を買い換えることにするのである。
オイオイオイオイ
大丈夫? なんでそんな足つくようなマネするの? そもそも車で逃げたら駄目だよ。他の交通手段使ったほうがいいと思うんだけどなぁ。しかもだよ、さっきの警官に尾行されているし。でも、彼女、焦りすぎちゃったのか、その場で店員を急かして700ドルで車を購入しちゃうのだ。
オイオイオイオイ
ですよ全く。店員疑い深い人みたいでむちゃ怪しんでるじゃん。しかも、警官も一部始終見てるじゃんか。ちょっとは考えて動きなよ。この時点ですでにこの人、破滅まっしぐら。どう考えたって、お縄を頂戴ですよ。
前フリは終わり、話はここから
ここまで前知識ゼロで観ているので、俺にはどうやってタイトルのようなサイコ野郎が出現する展開になるのかといろいろ想像を巡らしてはみたものの、この時点での情報だけでは、どうにも先の展開が思いつかない。
しかし、ここまでは単なるフリみたいなもんで、物語はこっから始まるのだ。たぶん、ここまでで20分以上かかっている。今の観客だったらこの時点で飽きちゃうんじゃないだろうかと思わんでもない。
ということで、こっから物語が大きく展開していくわけだ。いろいろあって、あの有名なシーンに突入。マリオンさんはシャワー中にナイフを手にした何者かに背後から襲われるのである。そして・・・。
彼女は主人公ではなかったのだ
死んじゃった!? 死ぬの? あれ? この人は主役だと思っていたので、そこでまずビックらこいた。あんま血が流れてないから気絶しただけかと思ってたけど、そうではないらしい。彼女は絶命してしまったのである。
てことは、この物語の主役って誰だったんだろうか。サム? マリオンの妹? よくわからん。まぁ、どっちでもいいのか。
その後、いろいろあって、ラストにいたる。お母さんがすでに死んでいたり、彼がお母さんの人格を持っていることなどは、俺がこれまで観てきた作品の中にいくつも類似パターンがあったので、何となく想像はついた。
想像はついたとは言っても、緊張感を持って観れた。予想がつく展開になってからも、この映画は充分に面白いのである。実にすごいですね。何がしたいのかわからずに平板な展開が延々と続く作品も多い中で、今でも面白く観られるってのはやっぱ、それだけ優れた作品てことなんだろうねぇ。公開当時に鑑賞していたら、もっと心に残る驚きの作品だったのかもしれない。
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