ザ・ビースト
―2020年公開 米 97分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ニコラス・ケイジ主演のサバイバル・アクション。ブラジルのジャングルで稀少な“ホワイト・ジャガー”を捕獲した猛獣ハンターのフランクは、貨物船でプエルトリコに向けて出港する。だが、その船内の独房には、凶悪なテロリストのラフラーが収監されていた。共演は「ポイズンローズ」のファムケ・ヤンセン、「PMC:ザ・バンカー」のケヴィン・デュランド。特集企画『未体験ゾーンの映画たち2020』にて上映。(KINENOTE)
あらすじ:凄腕の猛獣ハンター、フランク(ニコラス・ケイジ)は、ブラジルのジャングルで稀少な“ホワイト・ジャガー”の捕獲に成功し、貨物船ミマー号でプエルトリコに向けて出港する。その船倉の独房には、アメリカ情報部が逮捕したテロリストのラフラー(ケヴィン・デュランド)も収監されていた。ラフラーは元米軍特殊部隊の暗殺者で、究極の戦闘スキルを持つ異常殺人鬼だった。ところが、カリブ海を航行中、ラフラーが監視員を殺害して逃亡。ホワイト・ジャガーやアナコンダの檻も破壊され、恐怖の猟場と化すミマー号の船内。神出鬼没の殺し屋と、獰猛な野獣に支配されたミマー号の中で、フランクは2匹の“獣”を倒すため、女医のエレン(ファムケ・ヤンセン)と共に危険な戦いを挑むが……。(KIENOTE)
監督:ニコラス・パウエル
出演:ニコラス・ケイジ/ファムケ・ヤンセン
ネタバレ感想
ニコラスケイジ目当てで鑑賞。今回のケイジ氏が演じるのは元軍人で、猛獣を捕らえては密輸するハンターであるフランク。軍人時代から組織で働くのが水に合わず、一匹狼のハンターとして生計を立てるようになった男だ。
であるからそれなりに戦闘力があって、動物の生態にも精通している。で、捕らえた猛獣たちを知り合いの船長の貨物船で密輸させてもらおうとしたら、その船にアメリカのNSAが捕らえた元特殊部隊の囚人ラフラー(ケビンデュラント)も乗船することになった。ラフラーを無事運ぶために、軍人と女医のエレン(ファムケヤンセン)も同行。
ラフラーは暗殺術に長けた異常者で、兵隊をぶっ殺して檻から脱出してまう。さらにフランクが捕らえた猛獣も檻から解き放ち、貨物船内をパニックに陥れる。果たしてフランクは猛獣を檻に戻しつつ、ラフラーを捕まえることができるのかーーといのが適当すぎるあらすじ。
最近のニコラスケイジ作品の中では、かなり面白い。船の中でのパニック映画といえば、B級映画のモンスターパニック『ザ・グリード』が思い出されるが、それに合わせたのか、ファムケヤンセンも主演している。彼女は昔は美人だったが、さすがに年老いたせいかちょっと顔が崩れてしまった感があるのは残念。
ケイジ氏の扮するフランクはいい奴なのか悪いやつなのか行動に一貫性がないものの、一応、根は善人という設定らしい。ただ、猛獣をきちんと密輸して大金を得ようとしてるので、けっこう非情な決断をするときもある。まぁでも、そのブレさ加減がいい。
ラフラーを監視する兵士たちが弱すぎるのはいかがなもんかと思うが、まぁでも、お笑い担当と考えればそんなものか。ともかく、リーダーを含む全員が各自ラフラーに瞬殺されてまう。そう考えるとケイジ氏はそこそこラフラーと戦えているのは大したものだ。
で、このラフラーのキャラがいい。ケビンデュランドと言えば、いろいろな作品で脇役を務めてる。その中で、彼が主演を務めたモンスターパニックの『オブジェクト』てのがあるけども、あの作品とは違う意味で存在感がある今作での悪役ぶりが、けっこうハマっていてよかった。ちなみに、好みは別れるだろうけど、『オブジェクト』もそれなりに楽しめる作品だ。
もちろん、最近のケイジ氏の作品であるから駄作認定したくなるツッコミどころもなくはないが、かなり面白い作品であった。ケイジ氏のファンでなくても、それなりに楽しめる…と思うよ。
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