SPL 狼たちの処刑台
公開初日に鑑賞。前作の『ドラゴン・マッハ』もよかったけど、さすがウィルソン・イップ監督とサモ・ハン・キンポー。同じくらいに楽しめた。ただ、アクション要素は『ドラゴン・マッハ』には及ばない感じも。ストーリーはなかなかしっかりしている。ネタバレあり。
―2018年公開 香=中 100分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「イップ・マン 序章」のウィルソン・イップ(監督)とサモ・ハン・キンポー(アクション監督)が10年ぶりにコンビを組んだアクション。タイのパタヤを訪れていた娘を何者かに誘拐された警察官のリーは、現地警察のチェイに依頼し、捜査に同行するが……。出演は「コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝」のルイス・クー、「戦神/ゴッド・オブ・ウォー」のウー・ユエ、「ドラゴン×マッハ!」のトニー・ジャー。(KINENOTE)
あらすじ:15歳の少女ウィンチーが、友人に会うために訪れたタイのパタヤで、何者かに誘拐される事件が発生。香港で連絡を受けた警察官の父リー(ルイス・クー)は、自らの手で娘を奪回することを決意し、パタヤ警察のチュイ(ウー・ユエ)に、“自分も捜査に同行させてほしい”と頼み込む。やがて、犯人は、国家が裏で糸を引く臓器密売組織であることが判明。警察内部にも内通者がいることを突き止めたリーとチュイは、チュイの同僚タク(トニー・ジャー)と共に、わずか3人で組織に乗り込むが……。(KINENOTE)
監督:ウィルソン・イップ
アクション監督:サモ・ハン・キンポー
出演:ルイス・クー/トニー・ジャー/ラム・カートン/ウー・ユエ/ロー・ホイクゥン
ネタバレ感想
アクションに期待している人は、前作の『ドラゴン。マッハ』のほうが面白いと思うかも。その辺は後述するとして、今作は香港映画にしては、ストーリーがまともな格闘アクションという印象。
ウィルソン・イップは『イップマン』シリーズなんかを観てもわかるように、それなりに説得力のある物語づくりがうまいのかもしれない。もちろん、細部を気にしだしたら、ツッコミたくなるところはあるんだけど(笑)。
話の展開としては、一作目のドニー・イェン主演作みたく、暗い感じになってる。一応、ラストに救いはあるものの、主要人物がけっこう悲惨な死に方するからね。
で、肝心の格闘アクションだけども、すごいし迫力はあるから、できれば映画館で見たほうが良いと思う。ただ、『ドラゴン・マッハ』と比べると見せ場は少ない。というのも、主要人物の一人がルイス・クーだからな。彼にアクションは期待できないから、鑑賞前から嫌な予感してたんだけど、一応スタントを使っているのか、それなりに映像と編集で彼のアクションパートはうまく乗り切っている。
けども、ウー・ユエとトニー・ジャーと比べちゃうとね…。では何でルイス・クーを起用したかというと、娘を溺愛している父親としての表現力に期待したのかなと思った。そう思うことにした。
確かにラストの血みどろ展開の中での彼の怒りの演技と、娘の死を知ったあとの表情なんかは、迫真の演技だとは思った。でもなぁ、やっぱもっとアクションシーンたくさん観たかったので、ニコラス・ツェーとかアンディ・オンとかでもいいから、アクションできる俳優を使ってもらいたかったなぁと思ってしまった。なんか、最近俺が見る香港映画にルイス・クーがほぼ必ずと言っていいほど出てくるので、彼の顔はごめんだけどしばらく見たくない(笑)。
てなことで、今作で強いなぁと思わせるのは、トニー・ジャーである。膝蹴りはあんまり
使わないんだけども、キレッキレの足技が超カッコいい。ウー・ユエも頑張ってたけど、やっぱ一番強かったのはトニー・ジャーだ。
今作がもったいないのはそのトニー・ジャーが中盤くらいで、敵の汚い手口にはめられて死んじゃうところ。そして、敵側の最強の相手が、そのトニー・ジャーをはめたチンピラってとこだろう。1作目の敵役のウー・ジンや2作目のマックス・チャンと比較すると、悪辣ではあるものの強さの印象が数段落ちるし、華がない。演じている役者さんはすごい人なんだろうが、もう少し演出とストーリーがなんとかなっていればと思わなくもない。
しかも、もったいないのは黒幕がラム・カートンという(笑)。
ラム・カートンも嫌いじゃないけど、アクション俳優じゃないから眉間を撃ち抜かれて終わり。ラストバトルも前述のチンピラが相手だから、やっぱり物足りなく感じてしまう。ただ、映画館で観るとやっぱり音がすごいから迫力あるし、楽しめた。ということで、何だかんだ言って満足しましたです。
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