善き人に悪魔は訪れる
犯罪者だと知らずに親切で助けた男に、殺されそうになっちゃう女性の話。期待せずに鑑賞したけど、けっこうドキドキできるスリラー。突っ込みどころもあるんだが、それも許容できる面白さ。ネタバレあり。
―2015年公開 米 84分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:逃亡犯を招き入れた家族に起こる惨劇を描くサスペンススリラー。出演は「パシフィック・リム」のイドリス・エルバ、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたタラジ・P・ヘンソン。監督は「マイ・スウィート・シェフィールド」のサム・ミラー。新宿シネマカリテ・カリコレで上映。(KINENOTE)
あらすじ:アトランタ郊外の一軒家。嵐の夜、電話を貸してほしいと言う一人の男(イドリス・エルバ)がテリー(タラジ・P・ヘンソン)の家を訪れる。車の事故で頭に負った怪我を手当てするため、テリーは夫が留守中の子供2人と自分だけの家に男を招き入れる。しかし、その男は移送中に逃亡した凶悪な殺人犯だった。そんなことは知らないテリーだったが、男の言動に徐々に不信感を覚える。そして、訪ねてきた友人の姿が消えたとき、男が自分を殺そうとしていることを確信する……。(KINENOTE)
監督:サム・ミラー
出演:イドリス・エルバ/タラジ・P・ヘンソン/レスリー・ビブ/ヘンリー・シモンズ/ケイト・デル・カスティーリョ
ネタバレ感想
思ったよりハラハラ楽しめた
ネットフリックスで見つけて鑑賞。全然期待しないで見たら、思いのほか楽しめた。コリンを演じたイドリスエルバがサイコ野郎にハマってたな。あんな体格がよくて怪しい奴、どう考えてもおっかないでしょ。
人をそそのかすのが得意で、表面的には善人面ができるが、中身はかなりイっちゃってるやつで、自分を認めない言動を他人にされるとイライラしてきて感情を抑えられなくなってまうコリン。序盤からそういうキャラを見せてくれるおかげで、タラジ扮するテリーの家に侵入してからの言動がイチイチ怖い。いつこいつがブチ切れたことしでかすのかとハラハラさせてくれる。
ブチ切れて以降のハチャメチャぶりもすごいが、実はこいつがテリーの家に来たのはきちんと意味があって、それがテリーの旦那の浮気が一因になってるのは、予想がつかなかったので驚いた。仮にコリンが偶然にあの家に侵入してたとしても、それはそれで悪くないんだけど、物語的には一本調子になっちゃうわけだし。
原題をうまく邦題化
放題もなかなか良くて、原題の「NO GOOD DEED(「善いことをしても報われない」みたいな意味らしい)」をうまく活かした感じ。実際、テリーは善意でコリンを助けてやったのに、親友殺されちゃってるし、旦那が浮気してたの知っちゃってるし、子どもが危ない目にあっちゃうし、自分もかなり痛めつけられてるからね。
突っ込みどころ
一方で、突っ込みどころもある。テリーは元検察官だったようで、コリンがまだ正体を表してないときに、殺人犯に対する持論を展開しているのを見るに、その経験を駆使してコリンと戦うことになるのかと思いきや、繰り広げられるのはほぼ肉弾戦(笑)。
挑発的なセリフを言ったときは本領発揮かと思わせておいて、ただの挑発で終わってて、コリンの怒りの火に油を注いだだけにしか見えない(笑)。
対してコリンは肉弾戦になったらメチャクチャ強いはずなんだが、スキがありすぎるのか、けっこういろんな攻撃食らってるし、耐久力だけがあるせいで、最後はオーバーキル気味に攻撃を受けて絶命しちゃう間抜けぶり。
そもそもこいつ、人をそそのかすのがうまいってことになってるけど、女性の行方不明事件について、よく罪に問われずにいられたなと思わせるほど、感情的に犯罪を犯しまくってる。彼のそそのかしに騙されてる奴って、護送車のオッサンだけだったんじゃないかね(笑)。
まぁでも、期待してなかったということを差し引いても、けっこう楽しめたな。尺が短いのもよい。
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