サスペクト 薄氷の狂気
女性を拉致して監禁したり殺害したりしていた殺人者が逮捕される。しかし、こいつが知的障害者っぽくて、マーシャル捜査官とプロファイラーのレイチェルの捜査は遅々として進まない。そしたら、別の事件も発生してきて、何だか話がややこしくなってくる。果たして捜査は進むのかーー。突っ込みどころも多く、惜しい部分もあるが、一応最後までは楽しめるサイコサスペンス。ネタバレあり。
―2018年製作 加 98分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「ジャスティス・リーグ」のヘンリー・カヴィルら豪華キャスト共演のサイコサスペンス。ある日、若い女性の遺体が見つかり、犯人と思われる男サイモンが逮捕される。彼は子どもっぽい振る舞いばかりを見せ、捜査は進まない。そんな折、新たな事件が発生する。出演は、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」シリーズのアレクサンドラ・ダダリオ、「プライベート・ウォー」のスタンリー・トゥッチ、「バグダッド・スキャンダル」のベン・キングズレー、「コントロール 洗脳殺人」のブレンダン・フレッチャー。シネマート新宿・心斎橋『のむコレ3』で上映。(KINENOET)
あらすじ:ある日、若い女性の遺体が見つかり、捜査官らは手掛かりからサイモン(ブレンダン・フレッチャー)という男を容疑者として逮捕する。女性プロファイラーのレイチェル(アレクサンドラ・ダダリオ)が彼の尋問にあたるが、数々の事件の痕跡は見つかるものの、サイモンは知的障害があることを示唆するかのように子どもっぽい振る舞いを見せ、捜査は進まない。そんなとき、さらなる事件が発生する……。(KINENOTE)
監督:デヴィッド・レイモンド
出演:ヘンリー・カヴィル/アレキサンドラ・ダダリオ/スタンリー・トゥッチ/ベン・キングズレー/ブレンダン・フレッチャー
ネタバレ感想
アマゾンプライムで見つけて鑑賞。なかなか豪華なキャストだが、存在はぜんぜん知らんかった作品だ。作中、スタンリートゥッチとベンキングズレーが二人ともハゲてるから、どっちが画面に出てるのか見分けるのに多少の時間を要してしまった(笑)。
この話の変なところは、ベンキングズレー扮するクーパーと、彼に協力している若い女性(ララ)の存在だ。この2人は物語の冒頭のほうで登場して、なんだか話をややこしくしそうな奴らだなーと思わせてくれる。
この2人の最初の登場シーンで何となく推測できるのは、男受けしそうなララが性犯罪をしている男を美人局的にひっかけて、クーパーがその男を捕らえて去勢しちゃうという、性犯罪者撲滅に向けて地道な活動をしているらしいこと(笑)。
後々わかるが、クーパーは元判事だかなんかで、自分が担当してた犯罪者に妻子を惨殺された経験があったみたい。それ以来、ララを仲間にして金がかかりそうで地味な草の根活動をしているという、別に作品をつくって主人公にできちゃいそうな、マンガみたいなキャラなのだ。
おかしいのが、このクーパーは物語途中でいろいろ下手こいて、警察にお縄を頂戴されることになるのに、彼の行為は罪に問われないところ。警察が完全に彼のことスルーしちゃってるからね。あれはさすがにリアリティなさすぎてダメだと思うんだが。
でまぁ、このクーパーとララの存在が、真犯人が誰なのかを突き止める要因になるわけだが、警察がかなり無能。特に、プロファイラーのレイチェルは、ラストのほうで足手まといになってるし、専門のプロファイリングでもぜんぜん役に立ててないし、いなくても良かったんじゃないかと思っちゃう。
この人は旦那に浮気されてるらしく、主人公のマーシャルに気がありそうな雰囲気を漂わせていて、しかもラストでは彼の娘と一緒に3人で遊びに行くような描写があった。あれってマーシャルと恋仲になったってこと?
マーシャルは奥さんと娘と別居してるような描写があって、それでも娘とはそれなりの絆で結ばれてるような感じがあるので、家族の再生も描かれるのかなって思ってたら、上述のようなラストになってて、わけがわからん。
そもそも、家族内に問題があるような話も物語中ではさほど効果的にいかされていないし、そんな設定が必要だったんかなぁと思わなくもない。
あと、犯人は実は双子の兄弟だったという設定はいいとして、こいつらはどうしてあんなに警察を的にかけてたんだろうか。単に、捕まえられた恨みを晴らすため? その辺もなんだか曖昧に描かれててようわからん。
ということで、主人公側の人物描写が適当な割に、クーパーにはそれなりの存在感があって、やっぱりこいつの話を掘り下げてくれたほうが面白かったんではないかと感じちゃう珍作であった。
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