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映画 ザブルード怒りのメタファー ネタバレ感想

ザブルード怒りのメタファー
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ザ・ブルード 怒りのメタファー

精神を病んでる妻が娘を虐待してるのではないかと勘繰った旦那が、娘を守るべくジタバタする話。邦題の怒りのメタファーとは何なのか、クローネンバーグ監督の悪趣味が楽しめるヘンテコ作品。ネタバレあり。

―1981年製作 加 92分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:妻が入院した医療センターの秘書に挑む男を描くサイコ・ホラー。製作はクロード・ヘロー、エグゼキュティヴ・プロデューサーはピエール・デイヴィッドとヴィクター・ソルニッキー、監督・脚本は「ザ・フライ」のデイヴィッド・クロネンバーグ、音楽はブライアン・デイ、編集はアラン・コリンズが担当。出演はオリヴァー・リード、サマンサ・エッガーほか。(KINENOTE)

あらすじ:フランク・カーヴィス(アート・ヒンデル)は、妻ノラ(サマンサ・エッガー)が入院しているソマラリー医療センターに疑問を持った。ひょっとしたら、妻が精神的疾患の治療のモルモットにされているのではとにらんだのだ。医療センターのラグラン博士(オリヴァー・リード)は、フランクとノラを会わせようとしない。そのころフランクの娘キャンディ(シンディ・ハインズ)の様子が時々おかしくなっていた。背中に赤いただれを発見するフランク。週一回の面会で、ノラがキャンディを折かんしたのではないかと、フランクは思った。彼女は幼い頃、両親に折かんされた悪い記憶をもっていたのだ。ある夜、キャンディの世話をしていたノラの母親ジュリアナ(ヌアラ・フィッツジェラルド)が、小人のような生き物に襲われ殺された。ラグラン博士の治療に秘密があるとにらんだフランクは調べ始めた。ジュリアナの葬式にやってきたかつての夫バートン(ヘンリー・ベックマン)も例の生き物に殺された。物陰に潜んでいたその生き物を見つけたフランクは、その攻撃を受けるが、逆に追いつめ、それは死んだ。幼稚園の保母メイヤー(スーザン・ホーガン)にキャンディの世話を頼むフランクだったが、バートンが殺された夜、フランクとメイヤーをネタにした不審な電話がかかり、彼女は怯えた。翌朝、幼稚園では、例の生き物がメイヤーを襲い殺した。さらに、その場に急行したフランクは、キャンディがいないことに気がついた。その夜、フランクは、ノラが博士の山小屋にいることを知りその場に急いだ。山小屋では、博士が、幼少の記憶から神経過敏になっているノラを使って、超能力の研究をしていた。その研究は、憎悪をつのらせ、患者にその憎悪を形にすることを強いるものだった。今や、自分のコントロールでは抑えることができなくなっていた博士はフランクにノラを会わせ、自分は生き物たちに殺されてしまった。その生き物たちがキャンディを殺そうとしていた。ノラは自分に宿った胎児を殺し、自分も殺すように夫に願う。やむなく実行するフランク。その途たんに、騒ぎはおさまった。しかし、娘の腕には不審な斑点があった……。(KINENOTE)

監督・脚本:デイヴィッド・クローネンバーグ
出演:オリヴァー・リード/サマンサ・エッガー/アート・ヒンデル

ネタバレ感想

アマゾンプライムで見つけて、初めて鑑賞した。クローネンバーグ監督の作品は作りものだとわかっててもグロい描写がけっこうあるので、個人的には繰り返し見る気は起きないものが多い。その中にあっては、今作はそこまでキモくはなかったかなぁという印象。

余談ついでに書いておくと、俺がクローネンバーグ監督でほかに鑑賞したことあるのは『スキャナーズ』とか『ザフライ』『デッドゾーン』とか。彼の作品でもっとも好きなのは『イースタンプロミス』で、あとは『ヒストリーオブバイオレンス』。俺は犯罪映画とか暴力映画が好きなので、この2作がお気に入り。

てなことで、今作はまったく知らない作品だったので鑑賞してみた。最初は主人公の奥さんが入院している精神科医の先生が怪しいと思わせられる。実際この人のやってることは、かなり怪しい治療だ。

患者の怒りの対象になっている人物(主に両親)を医師が演じて、患者の怒りの感情を呼び起こすことで、何らかの治癒効果をもたらそうとするものらしい。

そうした治療法が実際にあるのかどうか知らんが、まず、どうしてこの先生は、知りもしない患者の親を演じることができるんだろうか(笑)。患者が話す情報をもとに演技してるんだろうけど、そんな詳細に知りもしない人のことを演じられるかなぁという疑問は残る。

ついでに、ラストのほうでこの医師は、自分を犠牲にして主人公の娘を助けてやる、それなりにまともな人間だったことはわかるものの、ああなる前に主人公の奥さんの所業を止めることはできたんではないかと思わなくもない。秘密を隠していたのは、自分の名誉欲のためだったと考えられても仕方ないと思うぞ。

それに、この人は本も出版するくらい有名人みたい。でも、治療に失敗している患者もけっこういっぱいいるわけで、しかも、サイコなんたらとかいう怪しげな療法が作品内に出てくる。なのに、その件については物語展開が後半で変わったことで、不問になっちゃってるところもなんだかなーという感じ(笑)。

てなことで、この物語では、主人公が娘を妻に会わせないように頑張る過程で、妻の両親が謎の存在に殺害され、その犯人は奇形な子どもであったことが判明。さらには娘が通っている施設の女性教師も殺害されてまう。

じゃあこの子どもって何なのかっていうと、主人公の妻の怒りの感情が具現化した存在なのだ。であるから、人間であるように見えて、人間ではない異形の者なんである。

原題のThe broodってのは、「ひな」とか「動物の子ども」的な意味があるようで、こいつに原題である「怒りのメタファー」てのを加えて考えるに、妻の生み出した謎の生物は、彼女の怒りのメタファーであるっていうわけだ。

そんなことどう考えたって起こりえないんだけど、それをアイデアとして作品にしちゃうんだから、クローネンバーグはやっぱり、おかしい(いい意味で)。

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