スポンサーリンク

映画 殺人の追憶 ネタバレ感想 実話を基にしたポンジュノ作品

殺人の追憶
スポンサーリンク

殺人の追憶

―2004年公開 韓 130分―

スポンサーリンク

解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:実際に起きた未解決連続殺人事件をもとにしたサスペンス。監督・共同脚本は「ほえる犬は噛まない」のポン・ジュノ。音楽は「さよなら、クロ」の岩代太郎。出演は「JSA」のソン・ガンホ、「気まぐれな唇」のキム・サンギョン、『嫉妬は我が力』(映画祭上映)のパク・ヘイルほか。第16回東京国際映画祭アジア映画賞、第51回サン・セバスチャン国際映画祭最優秀監督賞、新人監督賞、第21回トリノ映画祭脚本賞、観客賞、第40回大鐘賞(韓国アカデミー賞)作品賞、監督賞、主演男優賞、照明賞、第2回大韓民国映画賞最優秀作品賞ほか計6部門、第24回青龍映画賞撮影賞を受賞。(KINENOTE)

あらすじ:1986年、ソウル近郊の農村で若い女性の裸死体が発見された。無惨にも強姦されており、その後も同じ手口の殺人事件が相次いで発生。現地には特別捜査本部が設置され、地元の刑事パク・トゥマン(ソン・ガンホ)と短気な相棒のチョ・ヨング(キム・レハ)、そしてソウル市警から派遣されたソ・テユン(キム・サンギョン)は、この難事件に挑む。最初の容疑者は頭の弱い焼肉屋の息子ペク・クァンホ(パク・ノシク)だったが、証拠不充分で釈放。性格も捜査方法も違うパク刑事とソ刑事の間には、争いが耐えなかった。そんな彼らが別行動から同時につかまえた第2の容疑者は、事件現場で自慰行為に耽っていた中年男、チョ・ビョンスン(リュ・テホ)。だが彼も無実。そして女性警官ギオク(コ・ソヒ)の指摘どおり、ラジオから『憂欝な手紙』という曲が流れた時に、また殺人が起こる。リクエストの葉書から割り出した容疑者は、パク・ヒョンギュ(パク・ヘイル)という青年。しかし確証がつかめずにいるところに、ソ刑事はクァンホが目撃者であることに思い至る。だがクァンホは電車にはねられ死亡してしまった。いよいよ最後の頼み綱である、犯人とヒョンギュのDNA鑑定の結果がアメリカから届く。しかしそれは一致せず、事件は未解決のまま放り出されることに。時は流れ2003年。結婚しセールスマンとなったパク元刑事は、久しぶりに事件の村を訪れる。すると通り掛かった少女から、少し前に犯人らしき男が同所を訪れていたと聞かされるのだった。(KINENOTE)

監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ/キム・サンギョン

ネタバレ感想

1980年代に韓国の田舎町で起きた連続殺人事件。それを捜査する刑事たちが犯人を特定するためにジタバタするお話。

今や世界的に有名になポンジュノ監督の作品の中で評価の高い、実話をもとにしたサスペンス。

いきなりネタバレすると、この作品で、主人公のソンガンホ扮するパク刑事とキムサンギョンが演じるソ刑事は、事件の真相にせまったように思わせておいて、けっきょく犯人を特定することができずに終わってしまう。

そうなってしまったのにはいろいろ原因があって、当時の韓国警察は初動捜査が非常に杜撰だということがその一つだ。死体発見後にきちんとその現場を立ち入り禁止にして鑑識の登場を待つような体制すらできていないので、あれよあれよというまに証拠の痕跡がなくなってしまう。

しかも、警察の捜査自体も酷くて、パク刑事とその後輩は、容疑者に対してけっこうな暴力をふるうし、自分たちが独断で怪しいと思った容疑者に対して証拠をでっち上げて自白を迫り、無理やり犯人に仕立て上げちゃおうというのが基本的な捜査手法という。しかも、そうしたやり方が悪いとも思ってないようなふしもある。

一方、途中から登場するソ刑事は、科学的な手法に基づいて捜査を進めるいたってまともなインテリ刑事。最初はパク刑事とソ刑事が対立しながらもそれぞれ異なるアプローチで捜査を進め、その中で二人はお互いを認めて協力しあうようになっていき、容疑者を追い詰めていく。

だが、その過程で面白いのは、パク刑事はソ刑事の影響もあってか、けっこうまともな刑事になっていくのに対し、ソ刑事は逆に、ある容疑者を犯人と決めつけて、自白を迫るようになるのだ。しかも、結局はDNA鑑定によってその容疑者はシロだったことになる。捜査はそれでおわり。

ソ刑事はその後どうなったのかはわからないが、パク刑事はセールスマンに転職していて、家庭も持っている。んで、ある日、最初の事件現場をふと訪れてみる。そこで地元の少女の話を聞くに、犯人は未だに大手を振ってその田舎町で生きていることを感じるのであった。

なんともモヤモヤする終わり方のこの作品、話のもとになってる華城連続殺人事件の犯人は最近、2019年になって犯人が特定されたらしい。犯人は別件の罪で無期懲役でムショにぶち込まれている人物で、この作品で言及されている事件については時効が成立しており、罪に問えないんだとか。

なんとも恐ろしい話だが、仮にこの事件、作品が創作される時点で犯人が特定されていたのだとしたら、ポンジュノはこの作品を制作していたんだろうか。そして、作っていたとしたらどのような物語になったのか。もしかしたら、けっこう毛色の異なる作品になっていたんではないか。それとも、創作のネタには使っていなかったのかもしれない。その辺はどうなんだろうね。

映画 暗数殺人 ネタバレ感想 釜山での実話を基にした物語
釜山で起きた事件の事実を基に構成された物語。暗数に該当する事件について執拗に捜査を続ける、ヒョンミン刑事の執念が描かれている。キムユンソクとチュジフンの存在感が良く、二人の対決がスリリング。
映画 チェイサー(2008) ネタバレ感想 実話をもとにした韓国作品
映画 チェイサー(2008) ネタバレ感想 実話がベースになっている作品らしい。今作を初めて観たときは、衝撃を受けた。面白すぎたからだ。なので、繰り返し2回目を鑑賞した。ほんの少し、希望がなくもないが救いのないラスト。あれもまたいい。主人公の元刑事、ジュンホがいい奴なのか悪い奴なのか、そのどっちとも受け取れるんだけど、心情が読み切れないところもいい。人間的だ。
映画『カエル少年失踪殺人事件』ネタバレ感想 犯人はお前だ!(たぶんね)
事実を基にした物語だそうです。韓国でも有名な未解決事件の一つだとか。確かに謎な事件だなぁ。とは言えこの映画の全てが事実であるわけではない。それも含めてなかなか楽しめる作品でした。ネタバレあり。 ―2012年 韓 132分―

コメント

タイトルとURLをコピーしました