ダブル・サスペクト 疑惑の潜入捜査官
香港映画によくある潜入捜査もの。序盤、女性捜査官の言動がコミカルなので、もしかしたらその路線のおふざけ映画かと嫌な予感がしたが、その後はきちんと期待通りのシリアス展開になっていくので安心した。安心したんだけども、内容は別に面白くない。ネタバレあり。
―2017年公開 中=香 109分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ルイス・クー、ニック・チョンなど、香港を代表するスターが共演したスパイアクション。正体不明の人物“ブラックジャック”から暗号メールを受け取った女性捜査官ディンとQ警視正は、消息不明になっていた潜入捜査官たちに関する謎の解明に乗り出すが……。「インファナル・アフェアII 無間序曲」のフランシス・ンが共演。メガホンを取ったジャズ・ブーンは、90年代から香港のテレビ業界で活躍。高評価を受けた『使徒行者』の監督を務め、そのスピンオフ作品となる本作が劇場用作品初監督となった。特集企画『のむコレ』にて上映。(KINENOTE)
あらすじ:香港警察のホン警視が、部下の潜入捜査官たちを守るため、全データを破壊して命を落とした。以来、潜入捜査官たちの消息は不明とされてきた。ところが、“ブラックジャック”と名乗る人物から、女性捜査官ディン(シャーメイン・シェー)とQ警視正(フランシス・ン)に暗号メールが送られてくる。これをきっかけに、謎の解明に乗り出した2人は、やがて大企業の社長ミン、重役のラム(ニック・チョン)、ラムの相棒シウ(ルイス・クー)が関わる麻薬ビジネスに辿り着く。だが、ラムとシウは、麻薬取引のために訪れたブラジルで裏切り者に命を狙われ、激しい銃撃戦が勃発。様々な野望が明らかになるにつれ、2人の深い絆に亀裂が生じてしまう。誰一人信じられない極限下、血で血を洗う抗争はますます激化してゆき……。(KINENOTE)
監督:ジャズ・ブーン
出演:ニック・チョン/ルイス・クー/フランシス・ン/シャーメイン・シェー
ネタバレ感想
フランシス・ンが観たかったので借りた
ニック・チョン、フランシス・ンが主演している映画ということで鑑賞。ルイス・クーは香港映画を鑑賞するたびに出てくる印象があるし、別に好きな俳優ではないのでどうでもいい。ともかく、ニック・チョンとフランシス・ン、特に後者を久しぶりに観たかったのである。で、久しぶりに観たら、だいぶ老けてきたなぁと感じた。俺が初めて彼の出演作を観たのは2001年の『ザ・ミッション 非情の掟』だったので、無理もないわな。
潜入捜査官は誰か?
敵と味方の間で板ばさみになる潜入捜査官の葛藤や苦悩を描くというよりは、誰が潜入捜査官なのか――という部分で観客の興味を引くストーリーになっているので、潜入捜査官だと思われる人々の内面がよくわからない。何を考えて行動しているのか、チンプンカンプンなのである(俺だけかもだが)。
そういうストーリーであることには文句はないけども、潜入捜査官が誰なのか――という興味を引き続けるには、潜入捜査官疑惑がある数名の、それぞれのキャラの造詣が適当すぎて支離滅裂に感じた。
最終的に、誰が潜入捜査官だったのかは判明するからその辺の謎は解消されるんだけども、物語中で潜入捜査官に成りすましていたやつが、なんでそんなことをしていたのか、その意図がさっぱりわからんかった。
キャラの行動がイマイチ理解できぬ
ニック・チョンとルイス・クーについても、固い絆で結ばれている――というような描き方はラストまで変えないものの、どうも二人の絆をあらわすエピソードが弱すぎるというか、むしろお互いが疑いあったり反目しあったりしているシーンのほうが多い気がして、ラストの展開に至る過程が説得力に欠ける感じ。
ということで、それぞれのキャラがどうしてそういう選択をするのかイマイチ理解できないシーンが多く、あまり楽しめなかった。フランシス・ンが見られたことはよかったかな。
香港の潜入捜査ものといえば、やっぱり『インファナル・アフェア』がいい。にしても、香港に限らず、犯罪映画で潜入捜査官ものの話って、一つのジャンルになっちゃうくらい多いんだなと今さら気付いた。
コメント