サムライ
―1967年製作 仏 107分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ゴアン・マクレオの原作を、「ギャング」のジャン・ピエール・メルヴィルが脚色・監督したギャングもの。撮影は、「パリの大泥棒」のアンリ・ドカエと、直弟子のジャン・シャルヴァンの二人。音楽はフランソワ・ド・ルーベが担当している。出演は、「冒険者たち」のアラン・ドロン、ドロン夫人のナタリー・ドロン、「シェラマドレの決斗」のカティ・ロジエ、「奇襲戦隊」のフラソワ・ペリエ、「アイドルを探せ」の監督であるミシェル・ボワロンなど。製作はジョルジュ・カサテイ。(KINENOTE)
あらすじ:ソフト帽にトレンチ・コートのいでたちでジェフ(A・ドロン)は、仕事に出かけた。駐車してある一台のシトロエンにのりこみ、合鍵でスタートさせ、郊外のガレージに乗り込んだ。ガレージの親爺は、車のナンバー・プレートを取りかえ、拳銃を、大金とひきかえにジェフに渡した。その後、コールガールをしている恋人ジャーヌ(N・ドロン)を訪ね、アリバイを頼むと、仕事場のクラブへ向った。ジェフの仕事は、クラブの経営者を殺すことだった。仕事は、いつものように、寸分の狂いもなく完了した。だが、廊下へ出た時、黒人歌手のバレリーにはっきりと顔をみられてしまった。警察は動き出し、クラブの客や目撃者の証言で、ジェフも署に連行され、面通しが行なわれた。目撃者の大半は、ジェフが犯人だと断定したが、バレリーだけはなぜかそれを否定し、それに、ジェフのアリバイは完全だった。だが、主任警部(F・ペリエ)は、依然ジェフが、怪しいとにらんで、尾行をつけた。そのことを知ったジェフは巧みに尾行をまくと、仕事の残金を受けとるために、殺しの依頼を取りついだ金髪の男と会ったが、男はいきなり巻銃を抜いて、ジェフは左手を傷つけられた。残金をもらえぬどころか殺されそうにさえなったジェフは、殺しの依頼主をつきとめるべく、偽証をして彼をかばってくれたバレリーを訪れた。だがバレリーの口は堅く、「二時間後に電話を」とだけ言った。約束どおりジェフは電話したが、誰も出てこなかった。やむなく帰ったジェフの部屋に、金髪の男がいた。男はうって変った態度で、殺しの残金を渡すと、さらに新しい仕事を依頼した。ジェフは、男のスキをみると、いきなりとびかかり、巻銃をつきつけて、依頼主の名を聞き出した。大がかりな尾行網をぬけジェフは、男から聞き出したオリエビなる依頼主を訪ね、有無をいわさず射殺した。オリビエの部屋はバレリーのすぐ隣であり、オリビエはバレリーを通じて自分の正体がばれるのをおそれて新しい仕事として、バレリー殺しをジェフに依頼したのだった。クラブでピアノを弾くバレリーの前にジェフがあらわれた。ジェフが拳銃を握った瞬間、張り込んでいた刑事たちの銃声がひびいた。主任警部が調べた、死んだジェフの拳銃には、一発も弾が入ってなかった。(KINENOTE)
監督:ジャン・ピエール・メルヴィル
出演:アラン・ドロン/ナタリー・ドロン/カティ・ロジエ/フランソワ・ペリエ
ネタバレ感想
冒頭の武士道についての言は、監督の創作なのかな? サムライの孤独はジャングルの中のトラのそれに匹敵するーーてな感じのもので、なんだかよくわからん話だなと思った(笑)。
この作品は香港のジョン・ウーやジョニー・トー監督のノワール作品に多大な影響を与えているらしい。まぁなんとなく、わからんでもないなと思った。特にジョニー・トーの作品と似たような雰囲気は感じた。
まぁそれはともかく、アランドロン扮するジェフは寡黙な殺し屋なんだが、ちょっとしたミスで身の破滅を招くことになり、潔く死に場所を求めて死んでいく。そこがサムライ的なんだろうとは思うけど、今作では彼がジタバタ地下鉄内を走ったり、最初の依頼でいろんな人に目撃されちゃったりと、あんまり凄腕って感じがしないところは少し残念。
ただ、やっぱアランドロンは雰囲気のある男前なので、彼のキャラで作品に重厚さが出ている。そして、出てくる女優さんが美人ばっかってのもすごい。特に愛人役の人。すげぇ美女だった。
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