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映画 見えざる手のある風景 ネタバレ感想 ディストピアを描いたSFブラックコメディ

見えざる手のある風景
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見えざる手のある風景

エイリアンに地球を占領された人類は、その管理下の中で生活することを余儀なくされる。下層地域で暮らす若者のアダムとクロエは、貧困を脱出するためにエイリアン向けに自分たちの恋愛事情を紹介する動画配信を始めるのだが…。SF的設定を題材にした、風刺を感じるブラックコメディ。ネタバレあり。

―2023年配信 米 105分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:見えざる手のある風景は、M. T. アンダーソンによる 2017 年の同名の小説に基づいて、コリー フィンリーによって脚本および監督された 2023 年のアメリカの SF 映画です。この映画にはアサンテ・ブラック、カイリー・ロジャース、ティファニー・ハディッシュが出演しています。(Wikipedia)

あらすじ:近未来、地球はあるエイリアンの種族に占領される。その官僚主義的支配と高度なテクノロジーによって、地球の大半が貧困と失業にあえぐ中、2人のティーンエージャーが家族の未来を守るためにリスキーな計画を立てる。(amazon)

監督:コリー・フィンリー
出演:アサンテ・ブラック/ティファニー・ハディッシュ/カイリー・ロジャーズ

ネタバレ感想

アマゾンプライムで見つけて鑑賞。なんともブラックユーモア感のあるSF作品であり、ディストピア映画に感じた。年明け最初に観た作品としてはかなりイイ滑り出しだなぁと思える良作であったなぁ。

地球人は人間のケツにナメクジの目玉みたいなんがついたヘンテコなエイリアンの管理下にある。このエイリアン、手足みたいな触手の先っぽにシャモジみたいなんがついてて、そいつを使って歩く。ついでに、その手足をこすったりすることで、地球の言葉を発話しているっぽい。ちなみに、エイリアンの言語は人間には発音不可能なくらい難解らしくて、そのへんの描写もけっこう笑わせてくれる。

んで、このエイリアンは生殖活動しないでも子孫を残せるらしいので、地球人の性愛行動みたいのがよくわからんらしい。んで、それを理解するために、人間の創作する映画やら芸術やらを鑑賞してたんだが、今作の主人公のアダム少年は転校生の少女クロエと友達になり、次第に恋愛関係になっていく。

一方のエイリアンたちの目的はというと、人間が地球環境を汚染しすぎているので、自分たちが介入することに。そんで、人類を再教育するために、エイリアンたちの文化や歴史を伝えんとするんである。

最初は人類の反発にもあったようだが、エイリアンが人間社会を再構築せんとする試みに、富豪やらビジネスパーソンが賛同するのだ。なぜなら金儲けになるから。で、エイリアンの母船でエイリアンから雇われて暮らす人たちが富裕層に。それ以外の人間たちは地上で暮らすことになる。格差社会だ。

母船で暮らす人は、自分たちの能力を売り物にしてエイリアンの与える仕事に従事しているわけではないらしい。例えば、弁護士の男はエイリアン世界では単なる運転手。でもそのほうが給与がいいらしい。対して下界の貧民層は、味気のない加工食品があるので、それを食って生きているんだが、仕事どころか住むところにも困っている人間がいる始末なんである。

で、下界に暮らすアダムとクロエは自分たちの困窮生活から脱するために、二人の性愛事情を動画配信する。要はYouTuberだよね。それが最初はけっこう当たってて金にもなっていたんだが、あることがきっかけで事態は急変することになるのだ。

ということで、この作品はSF設定でストーリーが展開するものの、やっていることは人間そのものに対する風刺なのだ。そして、その描写にユーモアがあって面白いのである。

そもそも、エイリアンたちの支配に唯々諾々と従っているところが権力者どもの権威主義や全体主義的な暴力に侵されつつある現代の俺らの姿と似たり寄ったりに感じるし、富裕層が金儲けのために倫理もへったくれもない行動をすることで社会が二極化してしまっている状況も同じ。

アダムとクロエの配信活動についても、自分たちの恋愛事業というプライバシーをさらけ出して人気を集め、関係が下火になるとパートナーを変えて…なんて手法を取っちゃうのも、YouTubeのコンテンツにありそうな感じがするし、ともかく金儲けのためなら何でもありって感じなところが見てて苦しくなっちゃう。

そんな世界の中で、アダムは絵を描くこと、芸術をよりどころに生活を続けることになる。彼の絵はエイリアンにも評価されて、研究対象として彼らの母星に出かけることになるが、その際に彼の作品は、エイリアンの編集によって、別の作品にされてしまう。この描写で、エイリアンたちは人間のことをまったく理解してない、もしくは理解してるんだけども、それはどうでもいいことで、彼の絵を自分たちの種族繁栄に使用することにしか興味がないことがわかってくる。

そんなわけでアダムは、自分の作品を曲解されてまでエイリアン社会に貢献したくはないので、地球に戻って、自身の芸術的感性でもって作品作りを続けることになるのである。

ラストで、アダムはクロエとも関係を修復しているし、彼自身は生きる術を見出したように思えるので希望はなくはない終わりともいえる。しかし、よくよく考えてみれば、彼を取り巻く社会状況は何も変わってないわけで、何とも恐ろしいブラックコメディでありますな。ディストピア。

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