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映画 ジャッキーコーガン ネタバレ感想 アメリカは国家じゃない ビジネスだ!

ジャッキーコーガン
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ジャッキー・コーガン

賭場に入って強盗を働いた2人組の行方を追って始末する命を受けた、ブラピ扮する殺し屋のジャッキーコーガンの仕事をぶりを描きつつ、アメリカという共同体を風刺した作品。「アメリカは国家じゃない、ビジネスだ!」ネタバレあり。

―2013年公開 米 97分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「マネーボール」のブラッド・ピットが凄腕の殺し屋に扮した犯罪サスペンス。強盗に襲われたギャンブル場を仕切る犯罪組織からの依頼を受けて、事件解決を図る殺し屋ジャッキー・コーガンの姿を描く。監督は「ジェシー・ジェームズの暗殺」のアンドリュー・ドミニク。共演に「アウトロー」(12)のリチャード・ジェンキンス。(KINENOTE)

あらすじ:大統領選挙が白熱する2008年。経済危機による市民の苦しい生活とは裏腹に、テレビからは連日のように理想に溢れた各候補者の言葉が流れていた。ルイジアナ州最大の街ニューオリンズも例外ではなく、刑務所から出所したばかりのフランキー(スクート・マクネイリー)は、獄中で知り合った中年男ジョニー(ヴィンセント・カラトーラ)の強盗計画に飛びつく。それは、犯罪組織の賭場から大金を奪うというもの。かつてその賭場が強盗に遭った際、雇われ支配人マーキー(レイ・リオッタ)が、“自分が仕組んだ”と周囲に吹聴したことから、次に同様の事件が起これば、容疑はマーキーに向けられるというのだ。犬泥棒のラッセル(ベン・メンデルゾーン)とともに賭場に押し入ったフランキーは無事、強盗に成功。被害に遭った組織は、事件の解決を番頭格のディロン(サム・シェパード)に任せようとするが、病気療養中の彼に代わって現れたのは、凄腕の殺し屋ジャッキー・コーガン(ブラッド・ピット)だった。連絡員“ドライバー”(リチャード・ジェンキンス)から得た情報を元に、行動を開始するジャッキー。そうとは知らないフランキーは、一緒に計画の成功を祝っていたラッセルから、新しく始めた麻薬ビジネスの相棒の名を聞いて愕然とする。その相棒はディロンの部下で、強盗の件を話してしまったというのだ。組織に知られるのは時間の問題。その情報を得たジャッキーは、暗殺者ミッキー(ジェームズ・ガンドルフィーニ)を呼び寄せ、ジョニーの始末を任せる。ところが、現れたミッキーは期待に反し、昼間から大量に酒を飲み、娼婦を買うなど期待外れ。ジャッキーは彼を見限り、自らマーキーに死の制裁を下すと、続いてフランキーとラッセル、ジョニーを追い込んでゆく。金に狂ったギャング、エージェントの背後の影、さらに同業者たちの思惑と裏切りが複雑に絡み合う中、ジャッキーが辿り着いた結末とは……。(KINENOTE)

監督・脚本:アンドリュー・ドミニク
出演:ブラッド・ピット/リチャード・ジェンキンス/ジェームズ・ガンドルフィーニ/レイ・リオッタ/スクート・マクネイリー/ベン・メンデルソーン/サム・シェパード

ネタバレ感想

つまらない

何となく観たくなったので久しぶりにレンタルで鑑賞。この作品って、はっきり言ってつまらないんだよね。全然面白くない(笑)。

アクション系の作品を期待したら、完全に肩透かしだし、マフィアの恐ろしさを描いているのかというと、そうでもない。強盗を働いた二人組が無駄に長話するシーンも冗長に感じてダルいだけで、ジャッキーが雇った殺し屋のミッキーが、自分の妻との離婚騒動や、娼婦と遊ぶことの面白さを酩酊しながら話してるところも、こいつのキャラがうざいことも相まって、単にイライラするだけ。

そもそも、どのキャラもバカでボンクラかつイラつかせるような奴らばっかで、キャラに感情移入するのが難しい。

ジャッキーコーガンのマーキー殺しは印象的

そんなボンクラでクズな人間ばかり出てくる今作で、まともに見えるのがプラピ扮するジャッキーコーガンである。

彼は冷徹な殺し屋ではあるものの、彼が雇ったミッキーに対しても、一応は情をかけて逮捕されるように仕向けてやるし、優しく殺すのが信条らしく、臆病者のフランキーは彼が怖がらずにすむようにしてやってから一瞬で射殺。

マーキーを演じたレイリオッタに対しては、今回の強盗事件の犯人ではないものの、過去に一回同じことをして組織に目をつけられてるわけだし、今回は自分の罪でもないのに組織からリンチを食らってる。

ジャッキーはそれに同情して、彼を殺す必要がないと思っている雇い主を説得して、マーキーを射殺するのだ。この殺しのシーンはスローを使ってゆっくり描写されてて印象的なので、ここはけっこう見所かも。

ラストがいい。「アメリカはビジネスだ!」

まぁだからと言って、全体としてはやっぱり全然面白くないのである。ではなんで2回目を鑑賞したかっていうに、単にラストの展開が見たかったからだ。

ラスト、仕事を終えたジャッキーは仕事の窓口になってるドライバーの男から報酬を受け取るため、酒場にやってくる。しかし、もらうはずのお金が足りなくて、ドライバーに増額を要求する。

するとドライバーはそれを拒否。酒場のテレビでは、アメリカ大統領が「一つの共同体」とセリフを述べる演説が流れている。ジャッキーはそれを引用しつつ、怒りに満ちた表情でアメリカに対する見解を述べ、ドライバーにすごんでみせる。

何が“一つの共同体”だ笑わせるな

アメリカに生きたければ頼りは自分だけ

アメリカは国家じゃないビジネスだ

さぁ金を払え!

まさにこれなんである。この作品はこのセリフが言いたいがためにあるだけで、それに尽きるお話なのだ。

この作品内では、何度も大統領の演説がテレビで流れているシーンが出てくる。それには意味があって、このお話は、賭場の金を奪った強盗を始末する話をネタにして、サブプライムローンによって起こったアメリカ社会での出来事を風刺する内容になっているのだ。

それについては映画評論家の町山智浩氏が言及している内容がネット上にあるのでそれを調べてもらうとして、ともかく作品の意図としてそういうことがあるらしい。

まぁでも、サブプライム云々というアメリカの社会背景を知らなくても、最後のセリフを聞けばアメリカという国の病がわかると言えばわかる。そう、アメリカはビジネスなのだ。国家ではない。であるから国民は自己の責任において生きなければならない。そういう風になってしまっている。これは現代の日本においても同じことが言えると言えばいえるわけで、ジャッキーコーガンはその意味では民衆の言葉を代弁しているのである。

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