アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
―2018年公開 米 120分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:二度オリンピックに出場しながら事件の中心人物となりスケート界から追放された元フィギュア選手トーニャ・ハーディングの半生を綴る伝記ドラマ。大技を成功させ栄光を掴むトーニャ。しかしライバル選手襲撃事件への元夫の関与が判明し、彼女は転落していく。主演は「スーサイド・スクワッド」のマーゴット・ロビー。トーニャ本人の口調や立ち居振る舞いを再現、スケートにも挑戦し、波乱に満ちた生き様を演じる。また、彼女を厳しく育てた母ラヴォナを「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」のアリソン・ジャネイが演じ、第75回ゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門助演女優賞を獲得。第90回アカデミー賞主演女優賞、助演女優賞、編集賞にノミネート。(KINENOTE)
あらすじ:貧しい家庭に生まれたトーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)は、幼少の頃から厳しく育てられた。幼くしてスケートを始めた彼女は、天賦の才と努力により、1991年に女子選手として伊藤みどりに続き史上2人目となるトリプルアクセルに成功。1992年のアルベールビルオリンピック代表選手に選出された。1994年1月6日、リレハンメルオリンピック選考会となる全米選手権を前に、練習を終えたナンシー・ケリガンが何者かに襲撃される事件が発生。膝を殴打され負傷したナンシーは全米選手権欠場を余儀なくされる。トーニャの元夫ジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の指示による犯行と判明し、トーニャ自身にも疑惑の目が向けられた。一度は栄光を掴みアメリカ中から愛された彼女のスケート人生は、この事件を境に一変し、転落していく。(KINENOTE)
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:マーゴット・ロビー
ネタバレ感想
元フィギアスケーターのトーニャ・ハーティングの伝記ドラマ。ライバル選手を襲撃したとされる事件は、そういえばそんな騒ぎもあったな――というくらいには俺の記憶に残ってはいる。で、今作を鑑賞してみたら、記憶なんて適当なもんである。俺はトーニャ自身がライバルのナンシーを襲ったんだと思っていたが、そうではなかったらしい。
個人的には、ぶっ飛んだヒール的な選手というくらいの記憶しかなかった。本作を観るに、その印象はさほど間違いではないかもしれないが、彼女がそうならざるを得なかった背景が描かれている。
で、その背景というのがかなり悲惨だ。むしろよくあんな劣悪な環境からオリンピックに出るまでの選手になれたと思う。練習だけでなく、金がないので衣装まで自分でつくってしまうところなんて、彼女がどれだけフィギアスケートに人生を賭けていたかがよくわかる。
母親が最悪、旦那はDV野郎。旦那の友人は妄想の中に活きているニート。この映画に出てくる登場人物は、ほぼ全員が糞野郎である。しかも、トーニャにはそういう奴らしか側にいる人間がいないのだ。まともな人間はいないのである。だから彼女も、まともではないのだ。
スケートに人生を賭けている。彼女にはそれしかない。しかし、周囲のボンクラが勝手にそれを続けられない環境を彼女にもたらす。それは彼女自身にも責任がある。あるんだけども、ああいう環境から抜け出すにはどうすればいいのか。イメージがよくないからスポンサーもつかず、底辺の暮らしからは抜け出せない。どうにもならない。
てなことで、フィギアスケートに全く関心がないので、トリプルアクセルという技がどれだけ高難度な技術なのかというのを、本作で初めて知った。ラストで本人が演技をしている映像が流れるが、なかなかパワフルな選手だったようですね。
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