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映画 コントラクトキラー ネタバレ感想 自殺志願者の恋

コンタクトキラー
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コントラクト・キラー

ロンドンの水道局に勤めていたフランス人のアンリはリストラにあって人生に絶望。自殺を図るが死ねなかったので、殺し屋に自分殺しを依頼した。ところが花売りの女に恋をしちゃったもんだから、殺し屋から逃げる羽目になるのだがーー。カウリスマキ監督らしい、まさにカウリスマキ作品。

―1990年製作 芬=瑞 80分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:自殺を試みたものの死にきれなかった男が、殺し屋に自分を殺してくれるよう頼んだことから始まる奇妙なストーリー。製作、監督、脚本、編集を「マッチ工場の少女」のアキ・カウリスマキ、原案はペーター・フォン・バック、撮影はティモ・サルミネンが担当。出演はジャン・ピエール・レオ、マージ・クラークほか。(KINENOTE)

あらすじ:フランス人のアンリ(ジャン・ピエール・レオ)はある日突然、15年勤めてきた水道局を首になり、呆然自失のまま家に帰ってガス自殺をはかる。だがそれも失敗に終わり翌朝新聞で必殺の実績を誇る殺し屋、コントラクト・キラーの記事を目にしたアンリは、意を決しキラーのボスの所へ行き自分を殺してくれるように頼む。その翌日アンリはバーで、まるで女神のような花売り娘マーガレット(マージ・クラーク)に出会い一目で恋に落ちたことから、突然死ぬのが嫌になった。そしてその時から逆に、コントラクト・キラーから逃げ回るはめに。アンリはマーガレットのアパートに逃げ込むが、そこに追手が現れ、2人は着のみ着のまま場末のホテルにたどりつく。しばらくそこに潜んでいたが、町へ出た時殺し屋の手下たちが強盗をはたらいている所に出くわし犯人の濡れ衣を着せられてしまった。警察からも追われることになり行方をくらましたアンリを、コントラクト・キラーは必死で追った。実は彼はガンで余命いくばくもなく、焦っていたのだ。その後アンリとマーガレットは再会を果たし、二人は海外に逃亡することを決める。一足先に出たマーガレットと落ち合うため駅に向かおうとしたその時、コントラクト・キラーが現れた。しかし、彼はアンリに向けていた銃口を突如自分の方へ変え、そのまま自殺してしまった。アンリの命は救われたのである。(KINENOTE)

監督・脚本:アキ・カウリスマキ
出演:ジャン・ピエール・レオ/マージ・クラーク

ネタバレ感想

Unextで鑑賞。物語の舞台はフィンランドではなくて、ロンドン。しかも主人公はフランス人。アンリを演じているのはジャン・ピエール・レオっていう、フランスの名優らしい。俺が観たことある彼の出演作ないかと調べたら『ラストタンゴインパリ』に出てたみたい。

とかその辺の話はどうでもよくて、この役者はなかなか貫禄があって渋いので、演じているアンリの間抜けさ加減とのギャップがあって、そこが笑える。アンリは友だちもいないボッチで趣味も植木に水をやるくらいで酒も飲まないような奴。

15年も務めた水道局をリストラされて悲観して自殺を図っちゃう時点ですでに人生楽しんでない感が満載。そんなダメ人間なんだが、役者が雰囲気のある人なせいか、足組んで座りながら一点を凝視している表情なんかを見てると存在感があって、マフィアのボスみたいな貫禄すら感じちゃう。その辺が何とも滑稽で笑えちゃうのであった。

んで、このアンリが自死がうまく行かないので裏社会に金を払って自分を殺してもらうために殺し屋を雇うのだ。「俺は臆病だから早く殺してくれ」とか真顔で本音を語っちゃうアンリ。何なんだよコイツ(笑)。

でまぁ、殺し屋が来るのを待つ間、暇なのでバーに行くことに。前述したようにアンリは普段、酒も煙草もやらない男だったようで、ここにきてようやく、どうでもよくなって体を害する嗜好品に手を出すのだ。それで、そこへやってきた花売りの女性に一目ぼれしたのかナンパを始めちゃう。

自暴自棄になった人間は強いのだーーと思うが、そんなコミュ力あるなら最初からやっておけやと思わずに入られない。その辺の設定に無理があるように感じちゃうんだが、カウリスマキ作品だからそんなもんだ。

ついでに言うなら、アンリは後半のほうで、強盗殺人の疑いをかけられて指名手配をされちゃうんだが、これなんて、カメラに自分の姿が映っちゃってただけなんだから、さっさと警察に行って無実を主張してもよかったんではないかと思わなくもない。その辺はやっぱり、カウリスマキ作品ってことでそんなもんだと思っておけばいいのだが。

最終的に、アンリは棚ぼたラッキーみたいな感じに、花売りの女性と生きていけそうな感じを匂わせて物語は終わる。この女性がなかなか肝も据わってて、アンリのどこがいいのかよくわからんが、添い遂げようとしてくれるところが憎いね。

というか、アンリは無口であるが裏表のない男であり、バカではあるものの、きちんと本音を語るイイ奴なんだから、こんな落ちぶれる前に、それなりの伴侶がいてもよさそうには思わなくもない。だが、しつこいけどもその辺もやっぱり、カウリスマキ作品ってことで、そんなもんでいいのである。

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