ハープーン 船上のレクイエム
ある若いカップルとその友だちの男が、豪華なボートで遊びに出かけるんだけども、いざこざが始まり、関係がぐちゃぐちゃに。しかもボートが動かなくなって漂流することに。果たしてどうなっちまうのか。ネタバレあり。
―2021年公開 加 82分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:2019年、様々なジャンルの作品を紹介するカナダのカルガリー・アンダーグラウンド映画祭にて観客賞を獲得したスリラー。恋人のサーシャを親友のヨナに取られたと勘違いしたリチャードはヨナを殴打。お詫びに日帰り旅行に出るが、船上で再び口論になり……。監督は、ホラーやスリラー作品を手がけるほか、「デッドプール2」などの編集に参加したロブ・グラント。出演は、「ターボキッド」のマンロー・チェンバースほか。特集『未体験ゾーンの映画たち2021』にて上映。(KINENOTE)
あらすじ:リチャード(クリストファー・グレイ)は長年の恋人サーシャ(エミリー・タイラ)を親友のヨナ(マンロー・チェンバース)に取られたと勘違いし、ヨナを殴ってしまう。お詫びにボートでの日帰り旅行に出かけることにするが、船上で再び口論してしまい……。(KINENOTE)
監督・脚本:ロブ・グラント
出演:マンロー・チェンバース/エミリー・タイラ/クリストファー・グレイ
ナレーション:ブルット・ゲルマン
ネタバレ感想
適当すぎるあらすじ
リチャードとサーシャは恋人同士。リチャードは金持ちだが癇癪もちで、何かあるとすぐ感情的になって他人に暴力をふるうバイオレンス野郎。
その親友として紹介されるヨナはいろいろあって両親が死んじまっている。んで、ある日ヨナが両親の遺品整理をしてたら、リチャードから電話がかかってきて、いますぐそっちに向かうという。来てみたらいきなりリチャードはヨナに襲い掛かってマウントポジションからヨナをタコ殴り。
死んじまうんじゃないかと思うくらい殴ってたらサーシャが現場に乗り込んできてリチャードを止めた。なんでリチャードが怒ってたかというと、サーシャとヨナが浮気してるんじゃないかと思ったからだという。
でもそれは事実無根であって、おまんの誕生日プレゼントの相談をしてただけだと二人はリチャードをなだめる。んで、ボコボコにされたヨナを慰労するために、リチャードは豪華なボートでクルージングに行くことを提案。
3人は海上でパーティを始める。ところがリチャードはやっぱりヨナとサーシャができていると確信しちゃって、そこからは血みどろの暴力沙汰が巻き起こる。んで、争いの結果いろいろあって、ボートは動力を失い、漂流することになってまうのだ。ギスギスした関係になっちまった3人は、どうなってまうのかーーというのが適当すぎるあらすじ。
こいつらのどこが親友なのか
レンタルで鑑賞。なんとも胸糞悪いアホどもが繰り広げるコメディ的なスリラーだった。そもそもリチャードとヨナは親友という紹介がされるけども、全然そういう仲には見えない。
んで、実際にお互いはそういうふうには思っていないことがわかる。ついでにサーシャはリチャードの暴力性に怯えていて、彼から逃げたいと思ってて、ヨナはそういうサーシャを好いていたので、リチャードの金をくすねて二人で逃亡したいと思っている。
そういうことが判明していくうちに、最後のほうでヨナのほうがサイコ野郎だったことがわかるという驚きの展開。
サイコパス野郎が正体を現す
ヨナは実はボートを動かすためのツールを隠してて、しかも食料も隠しもっていたのである。しかし、それは二人に内緒にしといて、自分は手に穴をあけられるし、まぁともかく酷いダメージを負っているのに、それを我慢して自分の計画を遂行したのだ。マジでいかれてる。
リチャードも人を殺しかねないほどの暴力野郎だが、ヨナは実際に人殺しをしてて、どうやらリチャードが浮気で中絶させた女も、過失かもしれんがヨナが殺したらしいということが匂わされる。もしかしたら、冒頭で紹介されてた彼の両親も、ヨナの手で殺されたんじゃないかと思われなくもない。
ヨナがサイコパス野郎だという驚きの展開になるまえに繰り広げられるドタバタはコメディ的で楽しめる人は楽しめるだろうが、俺はこいつらのそのドタバタ劇に一つも笑える部分がなく、むしろ人間が心の奥底に持つ自己愛や他人を信頼しない冷たさなどが垣間見られることに、恐ろしさみたいなんを感じずにはいられなかった。
エンドロール後のセリフがようわからん
最終的に、リチャードはヨナに殺され、ヨナはサーシャと逃亡するつもりでいろいろ動くんだけども、サーシャはヨナの正体を知ってドン引きしちゃって、彼を抹殺してまう。これで一人、生き残れたと思ったら動力が戻ったボートの動きにバランスを失い、サーシャは海上にドボン。ボートはサーシャを残して勝手にどっかへ動き出してしまうという、実にお間抜けなラスト。
その後、エンドロールが始まってそのまま終わりかなと思っていたら、今作には最後の最後に、会話調のセリフが入っているのだ。何を言ってるのか意味がわからなかったので、何回か見直してみたんだけど、さっぱりわからない。そして、そのセリフの内容を忘れてしまった(笑)。
なかなか意味深なこと言ってたんだけど、忘れちゃうくらいの内容だったんで、俺にとってはどうでもいいことであり、確かにこの作品はさほど楽しめなかったし、かといって、突っ込みどころをたくさん指摘したいほどのものでもなかったので、個人的にはどうでもいい作品だったということだろう。
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