グリーンランド地球最後の2日間
―2021年公開 米 119分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「エンド・オブ・ステイツ」のリック・ローマン・ウォー監督が、ジェラルド・バトラーと再タッグを組んだディザスター・アクション。彗星の破片が隕石となり地球に衝突した。更なる巨大隕石による世界崩壊まで残り48時間、ギャリティ一家は生き残る道を模索する。共演は「デッドプール」のモリーナ・バッカリン、「ライトスタッフ」のスコット・グレン。(KINENOTE)
あらすじ:突如現れた彗星の破片が隕石となり地球に衝突した。各国の大都市は破壊され、更なる巨大隕石による世界崩壊まで残り48時間。そんななか、政府に選ばれた人々の避難が始まり、建築技師の能力を見込まれたジョン・ギャリティ(ジェラルド・バトラー)とその妻・アリソン(モリーナ・バッカリン)、息子・ネイサン(ロジャー・デイル・フロイド)も避難所を目指して輸送機に駆けつける。だが、離陸直前にネイサンの持病によって受け入れを拒否され、家族は離れ離れになってしまう。ジョンが必死で妻子を探すなか、アリソンは誘拐されて医療処置を必要としているネイサンの救出に奔走する。人々がパニックに陥り、無法地帯と化していく状況と闘いながら、生き残る道を模索するギャリティ一家は、やがて人間の善と悪を目の当たりにする……。(KINENOTE)
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー/モリーナ・バッカリン/ロジャー・デイル・フロイド/スコット・グレン
ネタバレ感想
適当なあらすじ
戦闘野郎のイメージの強いジェラルドバトラー主演のディザスターパニックムービー。地球に接近してきた彗星の破片が隕石となって降り注いでくる、地球規模の大災害が発生。主人公はアメリカ政府が選別した避難民として、シェルターがあると噂されるグリーンランドを目指すのだが、その道中にはさまざまな困難が待ち受けていたのだーーというのが適当なあらすじ。
微妙で拍子抜けなパニック作品
規模は大きめだが、描かれるドラマはさほどでもない、微妙な内容。まぁ彗星の破片が隕石になって落ちてくるなんて状況、人間にはどうしようもない災害ではあるから、隕石起因のスリリングな展開てのは、そんなにたくさん描けないんだろうなってのはわかる。
でも、個人的にはそういうパニック状況を、バトラー扮する主人公が超人的な活躍しちゃう展開を期待していたので、ちょっと拍子抜け。まぁ俺が勝手に期待してたのが悪いんだけど。
描かれるのはどちらかというと、災害にあってパニックになり、本性をあらわにしていく人間模様のほうだ。その内容は、まさしくそうなるだろうなぁと想像できるものなので、そこのドラマが楽しめればそれはそれでいいんだろうけど、やっぱり何か物足りない。最終的にはこの手の作品にありがちな、家族の絆が描かれている。
では描かれる人間ドラマとは何か
バトラー演じる主人公は奥さんのアリソンとうまくいってなくて、ほぼ別居状態。仕事熱心すぎてそこがダメになった原因かと思ったら、なんと、ほかの女と浮気していたのだというダサさ。しかも、その浮気相手は物語に登場してこない。であるから、主人公と奥さんの人間関係のもつれなどはさほど描写されることがなく、災害に遭って必死で息子を守ろうとお互いに奮闘する中で、なんとなく自然に絆を取り戻してしまうという、主人公にとっては都合のいい展開だ。
まぁでも、本当に隕石の衝突で地球が滅亡するなんてことになったら、そこを生き残った次の世界のために政府がどういう行動をするのかというシミュレーションとしては、こんな感じだろうなと思う。要するに、生き残り後の人類が復興を図るため、それに寄与できる人間をできるだけ生き残らせようと考えるということ。
選ばれた避難民の基準とは
主人公は高層建築のエンジニアということで、確かに、がれきの中からあらたに建物をつくっていくにあたっては、必要な人材なんだろう。ではほかにどういう人が必要なんかなと考えるに、科学者とか医療関連の人とか、その辺が思い当たる。むしろ娯楽関係や人文系の学者とかは優先度が低そう。知的教養を高めることも含め、さまざま娯楽は人の文化的な生活に必要なので、そうした職業の人たちも必要なんだろうが、衣食住がままならない生活を立て直すのにまず必要なのは、社会的インフラを構築できる人たちなんだと思われる。この作品では他の選ばれた人間が誰なのかは描写されないので、これは俺の想像に過ぎないのだが。
で、それを踏まえて考えたら俺の仕事はブルシットジョブなので、どうぞ死んでください組に入らざるを得ないだろう(笑)。
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