ゴッド・タウン 神なきレクイエム
ギャンブルくらいしか楽しみがない労働者ばかりが住む街には、最初から最後まで希望がない。みんな肉体労働的な仕事をして、アフターファイブはバーで酒を飲むくらいしかやることがない。で、眠りについたら翌朝からまた仕事にでるのだ。その繰り返し。ネタバレあり。
―2014年製作 米 88分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:フィリップ・シーモア・ホフマン最期の主演作となったクライムスリラー。日本劇場未公開。WOWOWでは「ゴッド・タウン―裁かれる街―」のタイトルで放映。(KINENOTE)
あらすじ:労働者階級地区“ゴッズ・ポケット”に移り住み、友人・バードと軽犯罪に手を染めながら日々の生計を立てていたミッキー。ある日、再婚相手の連れ子・レオンが同僚に撲殺され……。(KINENOTE)
監督・脚本:ジョン・スラッテリー
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン/ジョン・タートゥーロ/リチャード・ジェンキンス/クリスティーナ・ヘンドリックス/エディ・マーサン
ネタバレ感想
この街はゴッドタウンと呼ばれていて、なんでそう呼ばれているのかよくわからんけども、ともかくみんな、よそ者に対して厳しい。主人公に対してはみんな敬意を払っているように見えて、ラストは結局よそ者扱いされた主人公は、この街の持つ閉鎖性に嫌気がさして去っていく。
主人公の奥さんは美人だが、息子は糞みたいな人間。で、こいつが糞みたいな理由で殺されたことで物語が転がり始める。ともかくクズみたいなやつらしか出てこないので、主人公を含め感情移入の対象がいないところがこの作品を見づらくさせている。させてはいるものの、そうした糞みたいな街に生きざるを得ない人間たちの絶望感が作品全体に漂い続けていて、そこはいいところだと思う。
主人公は定職がないみたいで、毎日軽犯罪みたいなケチなしのぎで糊口をしのいでいる。こいつもやることなすことバカな行為なんだけども、ラストでなぜか街の人間たちとは異なる人間性を発揮する。それが彼を街から去らせる要因になるわけだ。
新聞記者はリンチを受けてごみのように路上に横たわっていたが、あれは死亡したということなんだろうか。なんであんな禿が美人な学生や主人公の奥さんに迫れるのか理解できないが、彼がインテリだから? ジョン・タトゥーロが出ているなど、なかなか豪華なキャストで、最後まで興味深く観られる内容だったが、わかるようでよくわからん作品であった。
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