フラクチャード
怪我をした娘を病院に連れてきたら、妻子ともに姿が消えた。これは病院の陰謀か、それとも自分の頭がどうかしているのかーー。役者の演技と強引にも見えるストーリー展開で最後まで見せきる勢いはある作品。ネタバレあり。
―2019年製作 米 100分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:2019年に配信されたアメリカ合衆国のスリラー映画である。監督はブラッド・アンダーソン、主演はサム・ワーシントンが務めた。 (wikipedia)
あらすじ:感謝祭の日、レイは妻のジョアンや娘のペリーと一緒にドライブに出かけていた。休憩中、レイとペリーは建設現場に転落して怪我を負い、そのまま病院へと搬送された。ペリーはCTを撮るために地下階へ行くことになり、ジョアンもそれに同行した。検査が終わるのを待っていたレイだったが、疲労のために寝落ちしてしまった。数時間後、目が覚めたレイは「ジョアンとペリーはどこにいるのですか」と病院の職員に尋ねたが、彼らは「病院に運び込まれたのは貴方一人でしたよ」と言うばかりであった。怒ったレイは警察に連絡したが、2人が運び込まれた証拠は発見されなかった。途方に暮れたレイだったが、2人の捜索を諦めるわけにはいかなかった。独力での捜索の末、レイは手術室でペリーを発見したが、彼女は今まさに臓器を摘出されようとしていた。レイはもみ合いの末にペリーとジョアンを救出することに成功したが、そこには衝撃の真実が隠されていた。(wikipedia)
監督:ブラッド・アンダーソン
出演:サム・ワーシントン/リリー・レーブ/スティーヴン・トボロウスキー/アッジョア・アンドー
ネタバレ感想
冒頭に書いたように、ラストまで興味をひかせ続ける力強さのある作品ではあった。それは、レイを演じたサム・ワ―シントンの演技力によるところも大きいと思う。なんというか、スグに感情的になるところとか、彼の異常性がすごくうまく表現できてて、しかも、レイの言動が真であると思わせなくもない面もきちんと演じられているように思えて、サム・ワ―シントンの演技によってストーリーが成り立っているような印象すら受けた。
という意味で、なかなか楽しめる作品であったのは確かだ。ただし、あのオチはやっぱり想定内というか、序盤で娘が落下しちゃった事故のシーンが不自然すぎるんだよなぁ。だから、レイの妄想というか、現実を受け入れらていないほうの結末が想像できてしまう。
あと、アル中であった彼は、あの売店で電池を買うべき金を酒に使っているのであるという描写はわかるのでいいとしても、娘に説教を垂れていたというシーンがないのはちょっとねぇ。描かれる内容では終始、娘には優しく接していて、その辺の説明するところとしなさのさじ加減がうまく行ってないところが、少し弱い感じ。
まぁしかし、アメリカの病院ってけっこう対応悪いみたいなこと聞くし、ああいうおざなりな対応されれば俺だって腹が立つだろうし、その辺はリアルだ。その他、臓器提供に対する質問や、瀕死で担ぎ込まれてくる患者などを作中に伏線として配しているところなど、最後まで病院陰謀論を引っ張るための気遣いも観られる。
にしてもだ、警察があそこまでレイの主張を信じて捜査してやるんなら、三階にレントゲン室(でいいんだっけ?)があることがわかったあとで、地下にも行くべきなんではないかなぁとか、やっぱり不自然すぎるところも目立つのであった。
とはいえそれでも、最後まで興味を持たせて鑑賞はさせてくれたので、悪い作品ではないと思う。サム・ワ―シントンがよかったのだ。それに尽きる。
この作品は、ネットフリックスで鑑賞できます。
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