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映画 アースクエイクバード ネタバレ感想 アリシアヴィキャンデル主演、日本が舞台のネットフリックス配信作品

アースクエイクバード
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アースクエイクバード

日本で仕事をしている外人女性。彼女はちょっとしたことで日本人の男性と知り合い、彼とひかれあうようになるが、ある日、知り合いを殺人した容疑をかけられる。果たしてどうなってまうのかという話。何がしたいのかよくわからん内容だなぁと思って鑑賞してたけど、ラストで結構すっきりできた。なかなかの佳作と思います。ネットフリックス配信作。ネタバレあり。

―2019年公開 米 107分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:リドリー・スコット製作総指揮による同名ミステリー小説の映像化を、Netflix配信に先駆けて劇場公開する。舞台は1980年代の東京。日本人写真家と恋に落ちた外国人女性が三角関係に心を乱され、さらに行方不明だった友人殺しの容疑までかけられる。出演は、「トゥームレイダー ファースト・ミッション」のアリシア・ヴィキャンデル、「アンダー・ザ・シルバーレイク」のライリー・キーオ、EXILEの小林直己。監督・脚本は、「アリスのままで」のウォッシュ・ウェストモアランド。(KINENOTE)

あらすじ:1980年代。東京で働くイギリス人女性ルーシー(アリシア・ヴィキャンデル)は、日本人写真家テイジ(小林直己)と恋に落ちる。しかし、彼女は三角関係に心を乱され、行方不明だった友人の殺害容疑をかけられる……。(KINENOTE)

監督:ウォッシュ・ウエストモアランド
製作総指揮:リドリー・スコット
出演:アリシア・ヴィキャンデル/ライリー・キーオ/小林直己/ジャック・ヒューストン/祐真キキ/佐久間良子/クリスタル・ケイ

ネタバレ感想

ラストの展開にスッキリできた。

冒頭に書いたように、なかなか楽しめる佳作であった。というか、ラストになるまでこの話が何をどう描きたかったのかよくわかんかったんだけども、終わってみれば、ああ納得ーーという感じでスッキリできて、個人的には好感度の高い作品となった。

てなことで、個人的にこの作品をどう解釈したかという話を中心に感想を書きたい。あくまで、俺がそういう印象を持ったということなので、それが正解かどうかには、責任は持てないっす。その辺はご理解を。

ルーシーは日本人的だ

ということでネタバレすると、当然だが、アリシア・ヴィキャンデル扮するルーシーは誰も殺していない。彼女の友だちのリリーを殺したのは彼女の恋人で、蕎麦屋で働く男、テイジである。

ルーシーはこの物語内で説明された限りにおいて、5人の人間の死に関わっている。まずは、彼女の兄貴だ。これはいろいろあって、自爆で死んでいる。その次が、彼女が14歳の時に肉体関係を持つことになった中年オヤジ。こいつも事故というか自殺(だっけ?)。とにかく彼女が直接手を下したわけではない。

さらに、東京に移住してからの、3つの死。まずは階段から落ちて死んだ人。あの人は、階段から落ちて死んだので、ルーシーは何もしていない。4つ目、リリーの死については、一度は「自分が殺した」と自白するものの、そうではなくて、テイジが殺したのである。5つ目、テイジが死んだのも、偶然によるものであり、彼女に殺しの意志があったわけではない。

ところが彼女は、幼少時のトラウマのせいなのか、自分に関わった人間の死は、自分が何かの言動をしてしまったことにより死に見舞われているのだーーというような強迫観念にとりつかれているように見える。特に10代の頃の経験がトラウマになっているようで、だからこそ地元を離れて日本にやってきたようだし、日本においても、恋人を持たずに隠れるように生きていた。

何で彼女がわざわざ言葉まで覚えて日本に住もうと思ったのかについては、これは憶測だが、彼女がオープンマインドではなく、内にこもりがちな性格に育ったことによるものであろう。要するに、日本人気質が自分に合うように感じていたからだと思われる。

ラストから見える作品のテーマ

そんな彼女は東京に移り住んでから新たに3件の死に関わることになる。で、それが描かれるから何なんだい――と思っているところに、ラストの展開である。ラスト、彼女は友人の日本人女性に対して、人々の死は自分のせいだと述べる。ところが、友人はそうではないという。そして、彼女は階段から落ちて死んだ女性について言及するのだ。「私がワックスがけしたせいだ」と。

友人は何年ぶりかに廊下をワックスがけし、それによって滑るから気を付けてほしいということを、転落死した友人に言い忘れていたのである。そして、死んでしまった。友人はルーシーにそのことを告白する。そして、「彼女が死んだのは私のせいなんだろうか」と泣く。それを見て、ルーシーも泣いた。二人は手を握り合った。終わり。

というラストを鑑賞して、ようやく何が言いたい話だったのかを理解した。要するに、自分の行った言動によって他人が生死に関わる何かを引き起こしてしまったとき、故意でなかった場合、それらは罪なのかどうかーーということを考えさせる内容だったというわけだ。

あんだけ引っ張っておきながら、ラストの落ちのつけ方が脇役の一言という、あっさりさがよかったなぁ。

テイジはルーシーを愛していたようだ

ついでに言うと、テイジはリリーと浮気をしていたように見せて、やっぱりルーシーに惚れていたと思われる。彼は女性を殺すのが趣味というか、死体になっていく過程みたいのを写真に残すことに執着しているようで、それって要するに性癖なんだと思うけども、それを、恋人であるルーシーには告白しない。

「いつか言うことがあるかも」的な示唆はするものの、それを言ってしまったら、相手を殺さなければならないからだ。

テイジはルーシーを殺したくなかったので、欲望の対象としてリリーを代用していたのだと思われる。しかし、結局はルーシーにも過去の殺しがバレてしまった。だからやむを得ず、彼女の首を絞めたのだろう。ところがそれにより偶然にも彼は、ルーシーを殺すどころか自分が死ぬ羽目になったのである。

鑑賞途中は、アリシア・ヴィキャンデルが恋人とか羨ましいのに、他の女にも手を出しているクズ野郎だな、なんて思わされるものの、実はこいつルーシーのことをすごく大事に思っていたんではないかと推測できて、個人的には好感度があがった。まぁ、ド変態野郎だし人殺しなのには変わらんのだけども(笑)。

てなことで、そう考えるとテイジはテイジで、誰とも苦悩を共有できないわけで、それはルーシーとも決して共有できないのだから、彼の孤独さを味わう、切ないロマンス作品でもあったんかもしれぬ。

アリシア・ヴィキャンデルが疲れた役柄を演じながらも、けっこう美人なのは彼女の素がよいからだ。ところどころブスに見えるのも、逆にリアルと言えばリアルだ。あと、最初のほうで彼女が『ブラックレイン』の翻訳仕事をしているのは笑った。リドリースコットが製作に関わってるからなんだね。

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