ダイ・ハード3
―1995年公開 米 131分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:不死身の男ジョン・マクレーン刑事の活躍を描く、ノンストップ・アクション巨編のシリーズ第3作。第1作の超高層ビル、第2作の空港に続き、今度はニューヨーク全体を巨大なゲーム盤に見立てて、サスペンスとアクションが展開する。テレビドラマ『インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険』にも参加した新進脚本家ジョナサン・ヘンズリーのオリジナルシナリオを、第1作のジョン・マクティアナンが再登板して監督。製作はマクティアナンと「幸福の条件」のマイケル・タッドロス、エグゼクティヴ・プロデューサーは「トゥームストーン」「薔薇の素顔」のコンビ、アンドリュー・ヴァイナとバズ・フェイシャンズ、「死の接吻(1991)」のロバート・ローレンスに交代。撮影は「ゲッタウェイ(1994)」のピーター・メンジーズ、音楽は前2作に続きマイケル・ケイメン、美術は「ダイ・ハード」「スピード」のジャクソン・デ・ゴヴィア、編集は「スピード」のジョン・ライトがそれぞれ担当。主演は三たびの登板となる「パルプ・フィクション」のブルース・ウィリス。「運命の逆転」でアカデミーを受賞したジェレミー・アイアンズが知的で冷酷な悪役を怪演し、「パルプ・フィクション」「死の接吻(1994)」のサミュエル・L・ジャクソンがウィリスの相棒役を務めるほか、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」のグラハム・グリーン、「ジャスティス」のラリー・ブリッグマン、映画初出演となるシンガー・ソングライターのサム・フィリップスらが脇を固める。(KINENOTE)
あらすじ:ニューヨーク5番街のビルが、突如、爆破された。中央警察署のコッブ署長(ラリー・ブリッグマン)の元にサイモンと名乗る犯人から、妻ホリーと別れて乱れた生活が続く休職中のマクレーン刑事(ブルース・ウィリス)をハーレムの指定場所に寄越せ、と要求が入る。ハーレムでストリートギャングに囲まれたマクレーンは危ういところを家電修理店の店主ゼウス(サミュエル・L・ジャクソン)に救われる。署に戻った2人は、犯人は大惨事を引き起こせる特殊な液体爆弾を盗んで使用していると知らされる。そこへサイモンから再び電話が入り、地下鉄の車両に爆薬を仕掛けたと告げた。クイズを出し続けるサイモンに振り回されながら、要求に従い急ぎ車を飛ばす2人。マクレーンは爆走する地下鉄に飛び乗り、必死で発見した爆弾を取り外し、線路に投げ捨てるが、車両は脱線してプラットフォームになだれ込んだ。パニックの現場に現れたFBI捜査官の話では、サイモンは凄腕の国際的テロリストで、爆弾のプロのタルゴとNYに潜伏していると言う。しかもサイモンは、かつて彼が葬ったハンス・グルーバーの兄で、復讐のためマクレーンの命を狙っているのではないかとも。サイモンは、今度はNY市内246校の小学校のどこかに強力な爆弾を仕掛けたと通告してきた。マクレーンたちはサイモンの送った新たな暗号を解き、学校を割り出すが、そこにはゼウスの甥が通っていた。学校には捜査陣が急行し、生徒たちの避難を進めた。一方、その頃、サイモンや女殺し屋カティヤ(サム・フィリップス)らテロ・グループは、地下鉄の爆破現場の解体工事にカモフラージュして、連邦準備銀行の地下深くを掘り進み、金塊強奪を企んでいた。サイモンの狙いは弟の復讐ではなかったのだ。敵の本当の目的に気づいたマクレーンは現場に向かって一味と交戦し、既に金塊を運び出したトラックを追跡する。マクレーンと追いついたゼウスは、金塊を積み込んだ貨物船に乗り込み、グループと死闘を繰り広げる。サイモンは2人を捕え、船に置き去りにして逃亡する。その頃、小学校の爆弾も無事に解除された。大爆破された船からからくも逃れたマクレーンは、爆破した金塊は偽物で、本物はカナダ国境付近に集められていることを突き止める。かくて捜査陣は現場を急襲、激しい銃撃戦の末にサイモン一味は倒された。(KINENOTE)
監督:ジョン・マクティアナン
出演:ブルース・ウィリス/ジェレミー・アイアンズ/サミュエル・L・ジャクソン
ネタバレ感想
シリーズ三作目。今回はハーレムで関わりをもったゼウスという男が事件に巻き込まれることになるので、マクレーン刑事が一人で頑張るというよりは、バディムービー的な展開が繰り広げられることになる。また、マクレーンの上司や同僚もそれなりに活躍するので、監督こそジョンマクティアナンが復帰しているものの、これまでの2作と比べるとシリーズの印象がだいぶ変わる感じ。
奥さんとの関係もまた悪化していて、今回では姿を見せることもない。また、黒幕は1作目のボスの兄貴という設定ではあるものの、そちらもそんなに物語に関係している感もない。てなわけで、果たして3作目として作る必要があったのかという疑問もなくもない。むしろ別の映画として鑑賞したほうが楽しめるような気さえする。
つまり、シリーズものとしてはあまり楽しめない。個人的には。ただ、別物として見ればいいところもある。それは、サミュエルLジャクソンが活躍するところにあるだろう。この90年代半ばあたりから、彼はいろいろな作品に主演として登場してきた印象。それまではチョイ役で顔を見せてきた彼が、『パルプフィクション』を経て、どんどん役者としての存在感を増していくのだ。今作はその一つと言えるような感じ。まぁ、今思えばであるが。
話の筋としては、テロリストみたいな奴の無理難題に対して、マクレーンとゼウスが振り回される構成になってて、その間の掛け合いを通じて二人が友情みたいなもんを育んでいくような展開になっている。と書くと、そうした内容の作品は80年代にもあったし、これより少し前の『ラストボーイスカウト』でブルースウィリス自身がそのような作品に出ているので、目新しさは全然ないとはいえ、王道的な面白さはあるのだ。
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