デモニック
心を病んで大量殺人を犯した母親に再会した娘が、母の真意をさぐってるうちに恐ろしい体験をすることになる、『第9地区』のニール・ブロムカンプ監督作。評判は低調だが、俺はけっこう楽しめた。ネタバレあり。
―2022年公開 加 105分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督作。故郷に戻って来たカーリーは、過去に大量殺人を犯し絶縁していた母アンジェラが、昏睡状態になっていると伝え聞く。母が保護されている医療施設を訪れたカーリーだが、そこには全身傷だらけで眠る母の姿があった。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田にて開催される『未体験ゾーンの映画たち2022』にて上映。(KINENOTE)
あらすじ:故郷に戻って来たカーリー(カーリー・ポープ)は、絶縁していた母アンジェラ(ナタリー・ボルト)が、全身マヒで昏睡状態になっていると伝え聞く。看護師だった母は、かつて老人ホームに放火し大量殺人の罪で逮捕、その後カーリーは母との関係を断ち故郷を離れたのだった。母が保護されている医療新興会社セラポールをカーリーが訪れると、そこには全身傷だらけで眠る母の姿があった。医師のマイケル(マイケル・J・ロジャーズ)から“シミュレーション”と呼ばれる意識へと繋がる仮想空間に入り、母を呼び戻して欲しいと頼まれるカーリー。半信半疑で仮想空間へ入るカーリーだったが、母は確かにそこにいた。だが、母は久しぶりに再会したカーリーに「ここから出ていけ。あなたを危険にさらしたくない」と告げるのだった……。(KINENOTE)
監督・脚本:ニール・ブロムカンプ
出演:カーリー・ポープ/クリス・ウィリアム・マーティン/マイケル・J・ロジャーズ/ナタリー・ボルト/キャンディス・マクルーア/テリー・チェン
ネタバレ感想
プロムカンプ監督作
※最初は雑談なので、ウザい人は次の見出しまで飛んでください!
レンタルで鑑賞。ニール・ブロムカンプ監督は『第9地区』が大当たりして、実際に面白い作品だったなぁ。劇場で鑑賞したときは、後ろのオッサンが俺の席を蹴っ飛ばしてきやがって、怒りで全然作品に集中できず、内容を評価できるような感じじゃなかったのを覚えてる。それで、後からレンタルして観たら、これは面白いと。
にしても、あのオッサンほんとにうざかった。エンドロール後に文句の一つでも言ってやろうと思ったら、いなくなってやがってなんだか屈辱。畜生…。
ちなみにその映画館はもう潰れた。ついでにどうでもいい話だが、その当時は外回りの仕事をしてたので、サボって映画を観に行くことがよくあって、それができた点はいい会社だったなぁと思う(笑)。
ということで、同監督は『第9地区』の後、『エリジウム』『チャッピー』とそこそこ大作を出してた印象。前者はイマイチで、後者は個人的に琴線に触れるところがあって、それなりに楽しめた。
で、今作なんだけど、これまでの作品とはだいぶ印象が異なる内容だったなぁ。マシン化されたスーツが出てきたりしないし、SFチックな演出もそんなにない。
超適当なあらすじ
唯一あるのが、主人公のカーリーが母親の意識と仮想空間みたいなところで会えるようにする装置の存在。この装置の設定を活かしてSF的な展開が繰り広げられるのかなぁと思ってたら、全然そんなことはなかった(笑)。
なんと、この装置を所有してる療養センターみたいな施設に所属する人は、バチカンに関連のある悪魔祓いのプロ集団だったのだ(笑)。
つまり、カーリーの母であるアンジェラは過去に悪霊に取りつかれてしまっており、その悪霊に操られて大量殺人を犯していたのである。で、その悪霊を祓うには母にそいつが取りついた場所を特定する必要があり、そのためにカーリーは呼び出されて母親と仮想空間で対話する中でその情報を聞き出そうとしていたのである。
んで、場所特定できたので悪魔祓いチームは悪霊退治に意気揚々と出かけるんだが、チームのキャプテンだったマイケルが悪霊に乗り移られちゃって返り討ちにあっちゃう。いろいろあってその現場にやってきたカーリーと彼女の幼馴染にマーティンが悪霊と対決することになり、何とか悪霊退治に成功するのであったーーというのが適当なあらすじ。
悪魔祓いのお話
前述したように、これまでの同監督作品とはイイ意味で雰囲気や作風が異なる感じだった。世間の評判はさほど芳しくないようだが、俺は最後までけっこう楽しめたなぁ。どうしてかっていうと、作風がこれまでと違ったところ。期待を裏切ってくれた感じがよかったのである。
もちろん、話自体には突っ込みどころはかなりある。そもそもカーリーのマーティンに対する扱いの酷さがねぇ…。マーティンはアンジェラが事件を起こしたとき、悪霊の存在をほのめかしてたのに、カーリーはそれがウザくてしょうがなかったみたいで、疎遠になったらしい。
そこはまぁ仕方ないなと思うものの、再会後も彼の悪霊存在してる論を受け入れることができずに拒否したくせに、最終的には彼に頼っちゃってて、どの面下げてそんなことできるんだよと思ってしまった。
さらに、あの悪霊祓いチームの弱さにゲンナリ。全滅するシーンすら描かれずに話が展開しちゃうのはもったいなかったなぁ。
ついでに、悪霊たる鳥人間みたいなあれ、人間に取りついて悪さをするのはいいとして、何であんなに長いことアンジェラにくっついてたのか。悪さしたいなら次々に他の人間に取りつけばいいのにね。
あと、カーリーの親友のサムは焼き殺されちゃってたのが気の毒。でも、個人的にはけっこう楽しめる作品でした。
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