DEAD7 デッド・セブン
『七人の侍』と『荒野の七人』的な内容を狙ってつくられたと思われるゾンビ映画。それが成功しているかどうかと言われると、全くしていない(笑)。ほほえましい気持ちで観られるが面白くはない。そこはそういう作品だと割り切って観ればいいのである。ネタバレあり。
―2017年公開 米 90分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:アメリカの男性アイドルグループ、バックストリート・ボーイズやNSYNCのメンバーらミュージシャンが集結した西部劇ホラー。数々のB級作品を送り出すアサイラム社が製作に携わっている。特集企画『カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017』にて上映。(KINENOTE)
あらすじ:ゾンビがはびこり荒れ果てた地に現れた7人の暗殺者チーム。ゾンビを駆逐するべく、7人の戦いが始まる。(KINENOTE)
監督:ダニー・ローウ
出演:ニック・カーター/ジョーイ・ファトーン/A.J.マクリーン
ネタバレ感想
7人集めたかっただけ(笑)
西部劇ぽい演出、しかも『荒野の七人』みたいな内容でゾンビ映画をつくりたかったんだろうと思わせる作品。それはいいんではないか。いいと思う。でも、この作品で描かれる7人。それぞれに特徴があることは申し訳程度に表現されているものの、それらがほとんど活かされてないような気がする。
というかむしろ、何とか無理やり7人キャラをつくってみたものの、劇中で各人をどう活躍させるのか、作り手自身が迷っていたんではないかと思ってしまう。
何でかというと、どの人物も、死に方がやけにあっさりしているから。物語を進める中で、扱いに困ったため、とりあえず殺しておくか――みたいな印象を受ける。
例えばあのライフル使いの彼。登場時に狙撃が得意であることがアピールされるので、観賞してる側も「あ、彼はそういう人なのね」とわかるのはいいんだけど、それ以降、彼が狙撃が得意であることが活かされるシーンは一切ない。なぜかゾンビの至近距離でライフルをぶっ放しているという(笑)。で、彼をそれ以上活躍させるシーンが思い浮かばなかったのか、物語中盤くらいでサッサと退場、つまり殺されてまうのである。なんなんそれ(笑)。
7人のグダグダな珍道中(笑)
他の登場人物も一応、得意の武器とかはあるんだけども、それぞれの性格とか人となりは、あまり詳細に描かれない。なので、彼らが一人、また一人と落命していくシーンでも、観ている側に何の感情も起こらない。死のうが生きようがどっちだっていいと思っちゃうのだ。これは作品としてなかなか致命的なダメポイントではないか。
あと、冒頭で彼らはそれなりの戦略を立てて事に臨むことにしたというような説明があるが、即効でチームが二つに分断されちゃって、ラスト近くまでお互い音信不通。最後の合流も偶然としか思えないため、適当すぎる珍道中になっている(笑)。
アポカリプタとかいう謎のボス
この作品のさらに悲しいところは、主人公たちと敵対する側もなんだかよくわからん集団であること。つまり、悪役としての魅力が皆無――というか、何をしたいのか意味がわからないのである。それは、ボスであるアポカリプタとかいう女の人物設定が適当だから、仕方ないことでもある。
どう適当かというと、彼女はどうもゾンビではなく生身の人間らしい。別に特殊な能力があるわけでもないし、人を説得して納得させる思想の持ち主って感じでもない。要はカリスマ性を全く感じないのだ。それなのに、彼女に忠実に従う部下がいる。なんで従うんだ? 忠誠を尽くさざるを得ないほどの強者と思わせる描写もないし、あんな軍団(そんな大規模でもないけどw)を率いていられることに、説得力を感じない。
こんな魅力のない悪役だから、主人公側と対峙していよいよ対決!のシーンになっても、何のワクワク感もないのである。
てなわけで、適当な珍道中はたくさんの犠牲を出して劇終を迎えるのだが、観賞した自分には何の感慨もわかないのであった。
とはいえ、そういうもんだと思って観れば、別に悪い作品とも思わない。面白くないのは確かだが(笑)。
永遠のアイドルが出ています
関係ないけど、主演の人は、バックストリート・ボーイズの誰からしい。懐かしいね、バックストリート・ボーイズって。まだ彼らはアイドルなんかね。日本で言えばジャニーズのユニットみたいなもんなんだろうから、彼らは何歳になってもアイドルなんであろうな、きっと。最後は本当にどうでもいい話でした。
まずまずのリメイク的西部劇↓
西部劇的な展開の映画↓
謎の軍団と戦う映画↓
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