クリーン ある殺し屋の献身
過去を隠して生きる清掃員の男が、近所の少女が街のギャングたちによって人生転げ落ちそうになるのを助けたら、ギャングに追われることになる話。主人公のエイドリアンブロディがラストに迎える結末は予測できちゃうけども、けっこう丁寧なつくりで楽しめた。ネタバレあり。
―2021年製作 米 94分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「戦場のピアニスト」でアカデミー主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディ主演のアクションドラマ。かつては凄腕の殺し屋で、今は寡黙な清掃員として生きるクリーン。心を通わせた少女ディアンダをギャングから守るため再び銃を取り、孤独な戦いに挑む。出演は、「ジョーカー」のグレン・フレシュラー、「パージ 大統領令」のミケルティ・ウィリアムソン、「Mr.ノーバディ」のRZA。監督・製作・脚本は、『キラー・ドッグ』のポール・ソレット。(KINENOTE)
あらすじ:深夜の街でゴミ回収車を走らせ、廃品や廃屋の修理を趣味にしている寡黙な男(エイドリアン・ブロディ)。名前も分からず“クリーン”と呼ばれ、孤独な日々を送る彼は、隣人の少女ディアンダ(チャンドラー・アリ・デュポン)と心を通わせていた。ある日、街を支配している麻薬ギャングたちがディアンダに目をつけ、手を出してくる。クリーンはディアンダを救うためにギャングのアジトに乗り込み、チンピラたちを半殺しにしてしまう。ギャングのボス・マイケル(グレン・フレシュラー)の息子がその中にいたため、マイケルは組織を総動員してクリーンを追う。警察もギャングに加担しており、クリーンに逃げ場はない。クリーンはディアンダを守るために再び銃を取り、ひとりで反撃に出るが……。(KINENOTE)
監督:ポール・ソレット
脚本:ポール・ソレット/エイドリアン・ブロディ
出演:エイドリアン・ブロディ/グレン・フレシュラー/リッチー・メリット/チャンドラー・アリ・デュポン/ミケルティ・ウィリアムソン/ミシェル・ウィルソン/ジョン・ビアンコ
ネタバレ感想
エイドリアンブロディがけっこう好きなのでレンタルで鑑賞。過去を隠して生きてる男が、思い入れのある人物が危機に陥ったことで、本領を発揮するーーみたいなアクション映画はいっぱいあって、本作もその類の話だった。
そんなありがちにすら思える今作、エイドリアンブロディは製作や脚本にも絡んでいるようで、本人としてはそれなりの思い入れを持って取り組んだ作品なのかも。今作の彼の髪型はなかなかカッコよろしいでしたな。ぼさぼさの髭もよろしい。
過去に殺し屋だった男、クリーンは普段は深夜にごみ収集車の仕事をしてて、ごみの中から再利用できそうなものを回収しては、それを自身の手で再生してリサイクルショップみたいなところに売るような暮らしをしている。
きちんと料理をつくり、車の手入れを怠らず、規則正しい生活をしている彼は、近所の住人にも好かれているようで、友だちもそれなりにいる。そして、近所に住んでいる少女には、過去に亡くした自分の娘の代わりのような感じで気にかけてて、いろいろ世話を焼いてやってるようだ。
そういう表向きな生活の裏で、彼は過去に殺し屋稼業をしていて、溺愛してた娘がいたんだが、その娘が自分のやってた薬を摂取しちゃったことで死亡。激しい自責の念に駆られたために、薬を断ち、殺し屋からも足を洗ったらしいことがわかってくる。
上記のような彼の人間的背景をかなり丁寧に、時間を割いて描いていて、実は物語が動き始めるのは中盤も過ぎたくらいからなのだ。それでも、個人的にはこの丁寧に描かれている彼の日常シーンも結構楽しませてもらった。これは演じてるのが演技派のエイドリアンブロディであることも大きく貢献しているのではなかろうか。あと、ラストバトルで使用される、自前のサイレンサー付きショットガンがカッコよかったでありました。
んで、その後の地元ギャング団との決戦については、なんとなく先の展開が予想できちゃう感じだったけども、それなりに救いのある終わり方をしてて、それも悪くはなかったかなぁ。ギャングのボスは寂れ切った街を牛耳ってて、警察官の中にも彼の犬になっちゃってる奴がいて、要するに街の権力者。であるから、取引先の中国人を白昼堂々トンカチで叩き殺しちゃうとか、なかなかぶっ飛んだ奴で、息子の教育法にもかなりイカレたところがある人物。
クリーンが名の知れた殺し屋であったことに部下たちはビビってたが、その辺を意に介さず堂々としているところもなかなかの度胸であったし、ラストバトルではクリーンに勝利しそうな瞬間もあったわけで、思いのほか強者であった。
で、クリーンはこの組織を一掃することになったわけだが、となるとあの後、汚職警官たちはどうなったんだろうか。悪に魂を売ったことを隠して、粛々と警官としての職務をまっとうしてるんだろうか。それはそれで虫のいい話ではある。
まぁそういう細かいところはおいといて、
コメント