さまよう刃
―2014年公開 韓 122分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:東野圭吾の同名小説を、韓国に舞台を置き換え「ベストセラー」のイ・ジョンホ監督が映画化。最愛の娘を殺した少年に自らの手で裁きを下そうとする父親と、その復讐を阻止しようと奔走する刑事の姿を描く。出演は「殺人の告白」のチョン・ジェヨン、TV『ゴールデンタイム』のイ・ソンミン。音楽は「ハウスメイド」のキム・ホンジプ。(KINENOTE)
あらすじ:織物工場で働く気のいい平凡なサラリーマン、サンヒョン(チョン・ジェヨン)は、数年前に妻をガンで亡くして以来、中学生のひとり娘スジンと暮らしている。残業の多い父に娘は文句を並べたてるが、そんな小言を言うスジンをサンンヒョンはただ可愛いと感じるのだった。だがある朝、スジンはむくれて食事もせずに登校する。その夜、残業を終えて雨の降りしきる中、深夜にサンンヒョンが自宅へ帰ると部屋にスジンの姿が見えないことに気づく。駅に迎えに行くことができなかったことに腹を立てて帰ってきていないのか、と思案するがとうとう姿を見つけられず、翌日、工場へ出勤したサンヒョンに警察から連絡が入る。町内の廃墟と化した銭湯の一室で、スジンが遺体となって発見されたという。遺体にはレイプされた痕跡があり、強力な薬物投与が死因と見られた。喪失感とショックから何も手に付かない状態になったサンヒョンに、担当刑事オッグァン(イ・ソンミン)は自宅待機を促すが、居ても立ってもいられないサンヒョンはスジンの部屋を眺め、ただ街をさまようのだった。そんな中、サンヒョンの携帯電話に匿名の情報提供が入る。そこに書かれている住所に向かい、留守の部屋に押し入って家捜しを始めたサンヒョンは、12月10日の日付が入ったDVDを見つける。そこには少年たちに暴行されるスジンの一部始終が映っていた。気が狂わんばかりの哀しみと怒りに震えるサンヒョンは、感情を抑えることができず、ちょうど部屋に入ってきた少年の一人チョリョンをバットで殴り殺してしまう。チョリョン宛に届いたメールから、もう一人の少年ドゥシクが江陵へ行って事件のほとぼりを冷まそうとしていることを知ったサンヒョンは、電車に飛び乗り江陵に向かう。一方、チョリョンの殺害現場を見て犯人がサンヒョンだと見抜いたオッグァンもすぐさま江陵へ向かい、サンヒョンを追跡し始めるのだった……。(KINENOTE)
監督・脚本:イ・ジョンホ
原作:東野圭吾(「さまよう刃」(角川文庫刊))
出演:チョン・ジェヨン/イ・ソンミン/イ・ジュスン/イ・スビン
ネタバレ感想
東野圭吾原作で、日本版で寺尾聡が主演している作品は未見で鑑賞。おそらく原作とも日本版とも内容はけっこう違うんだろうなと想像される。まぁでも、どちらかに忠実である必要なんて全然なくて、ともかく内容が面白ければよいのだ。
という意味では、それなりに面白くはあるものの、なんか物足りなさもあるし、長尺に感じるのが難点の作品。
話自体は重たい内容で、娘を亡くした父の怒りや執念はよく感じられるし、罪の意識が薄い少年たちの言動に腹が立つ。その辺は作り手の狙い通りだろうなと思う。であるから鑑賞している間に、こんなクソガキども、ぶち殺したってかまわぬ――と思った。そして、少年犯罪に対する法律の行き届かなさなどは、現実の日本においてもそうなんだろうなと思わせるし、韓国でもこうして映画化されたんだと思われる。韓国映画には、この手の作品何作かあるからね。
てなことで、繰り返しになるけども、それなりに面白いし、最後まで観られる力のある作品ではある。とはいえ、やっぱり長く感じてまったのだ。特に、父親が娘を殺した少年を追って、雪山を捜索するシーンとか、あの辺のくだり、警察が無能すぎるし(ラストまで無能だけど)、父親はいろいろと怪我しまくっていて体力もなくなってるはずなのに、なんで雪山で死なずにすんだのかと、その耐久力を疑いたくなってくる。ともかく、あの辺の展開がグダグダなのだ。そこがちょっとだるくて、印象悪くなってしまった。
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