長い裏切りの短い物語
何だかよくわからんタイトルだが、なかなか壮大な陰謀をめぐる社会派なサスペンスドラマ。最初は謎が多すぎて困っちゃうけど、鑑賞しているうちにすべてがスッキリできるので楽しめる。ネタバレあり。
―2012年制作 伊 104分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:南米のリチウム採掘権をめぐる陰謀の真相を追うサスペンスアクション。弁護士のジュリオは、依頼を受けた銀行が突然吸収合併され驚く。経営者も自殺し動揺する中、ジュリオは新しい経営責任者・セシリアから南米への出張に同行するよう命じられる。【スタッフ&キャスト】監督・脚本:ダヴィデ・マレンゴ 脚本:パオロ・ロイリ 撮影:ヴィットリオ・オモデイ・ゾリーニ 編集:ジョッジオ・フランキーニ 出演:グイド・カプリーノ/カロリーナ・クレシェンティーニ/マヤ・サンサ/フロー(KINENOTE)
あらすじ:南米のリチウム採掘権をめぐる陰謀の真相を追うサスペンスアクション。弁護士のジュリオは、依頼を受けた銀行が突然吸収合併され驚く。経営者も自殺し動揺する中、ジュリオは新しい経営責任者・セシリアから南米への出張に同行するよう命じられる。 (キネマ旬報)
監督:ダヴィデ・マレンゴ
出演:グイド・カプリーノ/カロリーナ・クレシェンティーニ/マヤ・サンサ/フローラ・マルティネス
ネタバレ感想
資本主義は欲望むき出しな支配体制だ
この物語に出てくる塩湖のモデルはボリビアのウユニ塩湖だろうか。そこに眠るリチウムの採掘権を狙う権力者。表向きは世界的企業の経営者であるが、裏では株価の操作をして大もうけをしてきたクズ人間。こいつは裏社会の犯罪組織のやっていることよりも遥かに壮大かつ汚い手を使って大金を儲け続けてきたのだ。
もちろん内容はフィクションなんだろうけど、現実でもこういうことって行われているんだろうね。「今や植民地化は武力ではなく金で遂行されるものだ」ってなセリフが出てくるけでも、本当に資本主義の世の中って恐ろしいーーというか人間の欲望が生み出したすさまじい支配体制だなと思わされる。
ジュリオは真面目で家族思いだ
主人公のジュリオは単なる企業の雇われ弁護士で、あることをきっかけにこの騒動に巻き込まれ、少しずつ事態の全容がわかっていくうちに、この陰謀を阻止するべく行動するようになっていく。
そこに絡むのが奥さんと南米の活動家みたいな女性と、黒幕の孫である女性。全員美人なのでなかなかよろしい。その美女と絡みながらけっこう真面目で家族思いなイタリア男が頑張るサスペンスであり、物語もテンポよく進むのでなかなか楽しめる。
黒幕の孫は最後にジュリオを射殺しなかったのは、好意を持っていたからだろう。彼女は仕事が有能なのかはよくわからんが、美人だからもてる。自分がセックスしたいときは、ホテルに帰ってきて靴を玄関前に放っておくのだ。で、それを拾ってくれた男と寝るという。
どんな釣り針だよって感じだが、ジュリオは彼女が上司でもあるし、仕事の中身を教えてくれないから不服で、最初は彼女に好意を持っていない。だから、彼女の誘いにも乗らない。彼女はそれでプライドが傷つくし、ジュリオのことが気になり始めるのである。
ジュリオは不真面目だった(笑)
イタリア男だから簡単に寝ちゃうのかな(偏見)と思ってたけど、誘いに乗らなかったジュリオを見て、俺はなかなか感心した。まぁ、奥さんのほうがもっと美人だからかもしれんけど。
ところがジュリオ、離婚調停中の奥さんが自分の友だちと寝ちゃっていたことを知って、けっきょく上司の女のほうと関係を持っちゃうのだ。なんだよ、けっきょくやるのかよ。前言撤回だ。しかも、事後に悠長に寝ていられるような状況じゃないと思うんだけどなぁ。
あのくだりだけは何だかもったいないけど、笑えた。それ以外はけっこうスリリングで謎展開が楽しめるので、けっこうおすすめです。
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