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映画 ボーンズアンドオール ネタバレ感想 骨まで愛する人食いロードムービー

ボーンズアンドオール
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ボーンズ アンド オール

カニバリストの若い男女が、偶然の出会いからそれぞれの生き方に葛藤しつつ旅を続ける青春人食いロードムービー。なかなかグロいシーンもありつつ、きれいな青春映画でもある不思議な作品。ネタバレあり。

―2023年公開 米 130分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「君の名前で僕を呼んで」の主演ティモシー・シャラメと監督ルカ・グァダニーノが再タッグを組み、第79回ヴェネツィア国際映画祭にて監督賞、新人俳優賞をW受賞した禁断の純愛ホラー。社会の片隅で生きるマレンとリー。二人が抱える秘密は、生きるため本能的に人を喰べてしまうことだった。衝動を抑えられずに苦しむ少女マレンをテイラー・ラッセル、彼女と運命的に出会い、ありのままを受け入れようとする青年リーをティモシー・シャラメが演じる。「誰も傷つけたくない」と願うマレンと、「喰わなきゃ生きていけない」と叫ぶリーの前に、喰べるのか、自殺するのか、自分を監禁するのか、究極の選択が突きつけられる。宿命を背負った若者たちの居場所を探すロードムービー。(KINENOTE)

あらすじ:生まれつき、人を喰べてしまう衝動をもった18歳のマレンは初めて、同じ秘密を抱えるリーという若者と出会う。人を喰べることに葛藤を抱えるマレンとリーは次第に惹かれ合うが、同族は喰わないと語る謎の男の存在が、二人を危険な逃避行へと加速させていく。(KINENOTE)

監督:ルカ・グァダニーノ
出演:ティモシー・シャラメ/テイラー・ラッセル/マーク・ライランス

ネタバレ感想

アマゾンプライムで鑑賞。公開してたことすら知らなかったんだけど、『君の名前で僕を呼んで』の監督だし、主演にティモシーシャラメも出てるんで、何で存在を知ることがなかったのか。それは恐らく、俺の情報収集力がポンコツなせいだろう。

しかもカニバリストが出てくるっていう俺好みな展開。自分は当然、カニバリズムなんてものに縁はないけども「骨まで愛して」とか「可愛くて食べちゃいたい」とか、創作の世界でよく出てくるそうしたセリフに関しては、なぜか非常に理解できる部分があって、カニバリズム的なものを描いた作品というか、その行為自体に人間の中に隠された何らかの情動が表現されているように思うので、今作も興味深く観た。

で、この作品は親から見捨てられた若者のマレンとリーが、偶然出会ったことから何種類かのカニバリストと出会い、自身の特殊な在り方に葛藤しながらお互いが愛し合っていく過程が描かれる。

話の筋としては人食いという恐ろしい嗜好を持つ人が物語の主人公であるが、これはカニバリズムという嗜好を他のマイノリティに置き換えて鑑賞しても、二人の葛藤は手に取るように感じられるので、人食いというのは作品上のメタファーみたいなもんなんだろう。

ではあるが、先述したように人間の愛するという感情にはどこかカニバリズム的な感情もあるように思えて、であるからこそ「食べたいほどの」ってな言葉があるんだと思われる。本当に食ってしまったら元も子もないんだけど(笑)。

とは言え、カニバリストとして描かれるマレンは、ストーカー人食いオジサンにつきまとわれて、そいつとのジタバタによって重傷を負ったリーを食べちゃうことになる。リーは自身が父親を食べてご馳走様しちゃったことによって、自身に生きる価値がないと思っており、とはいえ、生きるには食うしかないないという考えだったわけだが、図らずも自分が重傷を負ったことによって、愛するマレンに食われることで自殺する道を選ぶ。

食べることによって興奮を得ていた彼は、食べられたことによってどんな感情にあったのかはわからん。一方のマレンはリーの願いを聞き入れるため、骨まですべて彼を食いつくすことで、彼に対する愛を示し、しかも彼の愛に応えた結果、ラストの光景から見るに、二人は一つの魂となったのであった。

ある意味で気の毒なのはストーカー人食いオジサンで、マイノリティさを共有できる他社がおらず長きにわたって孤独でありすぎたために、偏執的人間になってしまった結果が、あの末路。若くして愛情を交換できる間柄になれたマレンとリーは、幸せと言えば幸せであったのかもしらん。

だが、この先のマレンがどのように生きていったのかは描かれないので、その辺は気にならなくもない。いずれにしても、なかなか美しい青春人食いロードムービーでありましたな。

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