黒の魂
マフィアの一家に生まれた3兄弟の運命を描いたクライムドラマ。堅気の生活をしている長男が子育てに失敗して一家が崩壊する話(笑)。ネタバレあり。
―2014年製作 伊=仏 103分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:マフィアの拠点で生まれた3兄弟の過酷な運命を描く犯罪ドラマ。南イタリア、カラブリア州。3兄弟の長男・ルチャーノはヤギを育てて平穏に暮らしていたが、息子のレオが敵対するファミリーを威嚇。その軽率な行為は若気の至りでは済まされず…。(KINENOTE)
あらすじ:マフィアの拠点で生まれた3兄弟の過酷な運命を描く犯罪ドラマ。南イタリア、カラブリア州。3兄弟の長男・ルチャーノはヤギを育てて平穏に暮らしていたが、息子のレオが敵対するファミリーを威嚇。その軽率な行為は若気の至りでは済まされず…。 (キネマ旬報社)
監督・脚本:フランチェスコ・ムンズィ
出演:マルコ・レオナルディ/ペッピ-ノ・マッツォッタ/ファブリツィオ・フェッラカーネ/バルボラ・ボブローヴァ
ネタバレ感想
ヤギを育てて生計を立てている長男。麻薬を売りさばいて稼ぐ三男。三男の稼いだ金をもとに、黒い金融ビジネスで大金を得ている(たぶん)次男。二人は同じ犯罪組織にいて、次男がボスで三男が幹部らしい。部下もそれなりにいるようだ。もちろん敵対する組織もいれば、取引をしている友好的な組織もいる。彼らは父親のつくった組織を継いでいるようだ。
長男は、父親がマフィア間の抗争で死んでしまったこともあり、犯罪組織で働くのをやめて、ヤギを育てて普通の生活をしている。ところが、この長男の息子がボンクラ野郎でなおつかつ武闘派なチンピラなので、よせばいいのにイキッて地元の組織に喧嘩を売ったりしてる。さらに彼は、叔父、つまり親父の兄弟の組織で働くことを望んでいる。
でまぁ、このボンクラ息子が敵対組織に喧嘩を売ったことがきっかけで、組織間の抗争が始まるのだ。で、いろいろあって、三男とボンクラ息子が犠牲になる。怒った長男は敵対組織に乗り込んで…という展開にはならない。
なんと長男は、自分の一家を皆殺しにかかるのだ。つまり次男を殺し、その部下を殺し、自分の肉親の組織を壊滅させてまうのである。壊滅させるまでは描かれずに物語は終わるんだけど、なぜ彼はそんなことをするのか。
それは、犯罪組織間の抗争が肉親を犠牲にし合うものであり、どっちかの一族郎党が根絶やしにならない限り、終わりがこないことを知っているから。だからこそ、自分の一族を全部殺しにかかるのだ。なるほど、犯罪組織の内情をよくわかってらっしゃる。
だけどさぁ、そもそも君のボンクラ息子が事の発端なんだよ。君が子育てに失敗したせいで起こったことなんじゃないかね。ーーと思わずにはいられない珍作だった。静かにシリアスな展開で物語が進むところは良いのだけども、この皮肉屋で口数の少ない主人公のおっさんにぜんぜん魅力がなくて、あまり楽しめなかったな。
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