オレの獲物はビンラディン
愛国者の中年オヤジ、ゲイリーがビンラディンの行方を見つけられない政府に苛立っていたら、神の啓示みたいのを受けて、自分がビンラディン狩りを始める実話をもとにしたコメディ作品。いろいろ大変そうな境遇なのに、前向きに生きるゲイリーには見習うべきところもある（笑）。ネタバレあり。
―2017年公開 米 92分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:アメリカ同時多発テロの首謀者オサマ・ビンラディンの誘拐を企てたアメリカ人の実話に基づくコメディ。「パキスタンに行って、ビンラディンを捕まえろ」という神の啓示を受けた中年男ゲイリーは、あらゆる困難を乗り越え、パキスタンに辿り着くが……。出演は「ヴェンジェンス」のニコラス・ケイジ、「ロック・オブ・エイジズ」のラッセル・ブランド。監督は「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」のラリー・チャールズ。(KINENOTE)
あらすじ:コロラド州の片田舎。愛国心溢れる中年男のゲイリー・フォークナー（ニコラス・ケイジ）は、米同時多発テロの首謀者とされるテロリスト、オサマ・ビンラディンの居場所をいつまでも見つけられない政府に苛立っていた。そんなある日、彼は日課となっている人工透析の最中、神の啓示を受ける。“パキスタンに行って、ビンラディンを捕まえろ！”。この国を救えるのは、自分だけだ……！使命感に燃えたゲイリーは、任務遂行に奔走。資金調達のためにラスベガスへ飛び、入国手段のヨットを探し、武器として日本刀を調達……。あらゆる困難を乗り越え、ようやく辿り着いたパキスタン。ところが、彼を待ち受けていたのは、意外にもフレンドリーな人々だった……。(KINENOTE)
監督:ラリー・チャールズ
出演:ニコラス・ケイジ/ラッセル・ブランド/ウェンディ・マクレンドン＝コーヴィ
ネタバレ感想
エキセントリックなニコケイ
邦題にインパクトがあるのと、ニコラスケイジが好きなので鑑賞。絶賛するほどおもしろいわけではないが、主人公のゲイリーは実在の人物ということと、その割には荒唐無稽でぶっ飛んだキャラだったこともあり、けっこう楽しめた。
実際の人もかなりエキセントリックな奴のようで、それを我らがニコケイがうまく演じている感じ。この人物は当時、ニュースになったこともあるそうだが、俺は全然記憶にない。
にしても、どこまでが事実に基づいているのかは不明ではあるものの、かなりの変人ですな。でも、精神障害みたいのはないみたい。では、彼を導こうとするキリストは彼の妄想なのかどうなのか。冒頭の10代くらいの頃に、ゲイリーに刀を授けてるところから見ると、イマジナリーフレンドみたいなもんかな？
資金集めはどうしてたんだろうね
事実に基づいているかどうか、という点では、空港で断られておきながら、どうやって刀をパキスタンに持ち込めたのかとか、その辺の説明がないところが不満と言えば不満。だって、メチャ気になるじゃん。実際の人物からは証言が得られないのかな？ まぁそもそも、会話が成り立ちそうな人物ではなさそうだが（笑）。
あと、一番の謎は、彼が何度もパキスタンを行き来したり、ヨットやハングライダーを購入する資金をどこから得ていたのかということ。医者を騙して1000ドルほど頂戴するシーンはあったものの、そんだけではとてもじゃないが足りないくらいのことをしてるように見えるんだが。
ゲイリーは前向きで行動力がすごい
そうしたところはけっこう気にはなるものの、気楽に見て楽しめるのは事実で、ゲイリーという人間は自分の目的のためなら周囲を気にせずに邁進できる奴で、そこは素直にすごいなと思える。しかも、その道中は彼にとっては大変なんだろうけど、けっこう楽しそう。パキスタン、旅行してみたいなと思っちゃったし（笑）。
パキスタンではなくアメリカにいるときも、友人はいるわけだし、理解のある恋人までいるってところがスゴイ。そういう意味では優しい、まともな人間でもあるのかもしらんと思わせて、なかなか魅力のある人物ではある。周囲にこういう人がいてほしいとは思わないが（笑）。
いやしかし、あの前向きな行動力はやっぱりすごくて、彼の言動を見てると、人生楽しいだろうなぁって羨ましくなってしまうのであった。
目的がビンラディンを捕まえることじゃなくて、もっと身近な何かだったら、映画にはならなかっただろう。目的が身近な何かだとしたら、自分の目的に一生をささげた、まともな一人の男の人生って感じになるだろうから、それをあえて映画にして見せる必要なんてないしな。
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