安全の対価
―2021年配信 伊 118分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:海辺の町で若い女性が暴行される事件が起きる。調査に乗り出した町のセキュリティ専門家とその家族は、やがて秘密とうそが絡み合う巨大な渦に飲み込まれてゆく。(NETFLIX)
監督:ピーター・チェルソム
主演:マルコ・ダモーレ/マヤ・サンサ/シルヴィオ・ムッチーノ
ネタバレ感想
あまり馴染みのないイタリアの役者が出てるのと、冒頭からいろいろな人の名前が出てきて、登場人物の顔と一致させるのが大変(俺だけか?)。
しかし、そこを乗り越えればだんだんと内容が把握できるようになるし、最終的にどんな話だったかがわからないーーということにはならない。
主人公で警備会社を経営するロベルトの奥さんが市長になろうとしてること(もうなってる?)なども物語の展開に絡んでくるし、富裕層の人間もそれなりに出てくるので、そうした上級国民が組織立って陰謀を企ててる話なのかなと思っていたら、そこまで大きな陰謀の内容ではなかった。
その辺は俺が勝手に想像してたので作品自体が悪いわけでは、もちろんない。ただ、最後まで鑑賞しての率直な感想としては、なんとも小粒な内容であったなぁというもの。
金持ちのオッサンが性的不能者というか、人肌に触れられないという病気もちで、そのオッサンが自分の性欲と孤独な心を癒すために若者を使っていろいろやってただけという。
それに加えて、ロベルト一家の崩壊ぶりや、その娘の交友関係と、彼女の大人へ成長していく姿などが描かれる。ともかく、出てくる登場人物たちがみんな、けっこうクズだよね。
ロベルトもラストで、不倫相手の家族と暮らそうみたいな感じになってたけど、本当の娘はどうすんのよ? しかも、黒幕のしでかしたことを告発するために、自分の仕事で使ってた監視カメラの映像を町全体に流しちゃうとか、ダメだろ。しかもその中には、射殺される人の映像とかも入っちゃってるし。
てな感じに、それぞれの人物の行動がけっこうクソなケースも多く、何とも感情移入がしづらい作品であった。あと、ロベルトの不眠は何が原因だったんだろうね。ままならない人生そのものだったんかな。
いずれにしても、鑑賞してて思ったのは、現代社会には街のそこら中に監視カメラがあって、自分たちのやってることがだいたい映像に残っちゃってるんだなぁと思うと、恐ろしいよね。下手に立小便もできない。
この作品では隠し撮りされた映像がSNSで拡散されちゃってたけど、よく考えたら、全然知らない人に自分のしていることを撮影されてる可能性だってあるんだよなぁ。マジで監視社会。窮屈すぎるディストピア。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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