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映画 白い刻印 アフリクション ネタバレ感想 ニックノルティVSジェームズコバーン

白い刻印
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白い刻印 アフリクション

少年時代に親父から虐待されてたオッサンが、うまくいかない人生を何とかしたいがためにジタバタする話。主人公はバカすぎるが気の毒でもある。家庭環境って大事ね。ネタバレあり。

―1997年製作 米 114分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:父親の暴力に怯えた過去を持つ中年男の血の宿命の悲劇を描いたドラマ。監督・脚本は「TOUCH タッチ」のポール・シュレイダー。原作はラッセル・バンクスの『狩猟期』(早川書房刊)。撮影は「フェリシアの旅」のポール・サロシー。音楽は「アルビノ・アリゲーター」のマイケル・ブルック。出演は「ナイトウォッチ」のニック・ノルティ(製作総指揮も)、ジェームズ・コバーン、「ストレイト・ストーリー」のシシー・スペイセク、「イグジステンズ」のウィレム・デフォーほか。98年度アカデミー賞助演男優賞(コバーン)受賞。(KINENOTE)

あらすじ:アメリカの雪深い田舎町。警官ウェイド(ニック・ノルティ)は妻リリアンと離婚し、娘のジルとも疎遠になった冴えない中年男。幼い頃はアル中の父親グレン(ジェームズ・コバーン)の暴力に怯え、今も町の有力者ラリビエールの下で糊口をしのぐ辛い人生だ。そんなある日、町の唯一の観光資源である鹿狩りに訪れた州の組合幹部トワンブレーが事故死する事件が発生。幹部を案内した知人ジャックの態度に不審を抱いたウェイドは、事件の背後にラリビエールがらみの陰謀を疑い、独自に捜査を開始。そんな矢先、老いた父グレンが起こしたボイラーの事故で母が亡くなる。恋人マージ(シシー・スペイセク)と共に父と同居を始めたウェイドは、事件を解決した暁にはマージと結婚してジルも引き取り、人生の再出発を図ろうと奔走する。だが、やがてウェイドは、事件の意外な真相を知り、さらに自分が憎んでいた父親と同じ破滅への道を歩んでいることに気づくのだった。(KINENOTE)

監督・脚本:ポール・シュレイダー
出演:ニック・ノルティ/ジェームズ・コバーン/シシー・スペイセク/ウィレム・デフォー/メアリー・ベス・ハート

ネタバレ感想

U-NEXTで見つけて鑑賞。主人公のウェイドがニックノルティ、弟はウィレムデフォー、親父がジェームズコバーン、恋人がシシースペイセクとなかなか豪華なキャスト。監督は『タクシードライバー』ほか、いろいろの作品で脚本書いてる、ポールシュレイダーだそうです。

で、本編なんだけど、鑑賞後の感想としては、なかなか複雑な気持ちになってもうた。でも結構面白かったかな。ウェイドはやることなすことアホな言動ばかりで、あまり感情移入ができないタイプの人。でも、実に気の毒なオッサンなんだよなぁ。

だって、彼が感情に任せた直情径行型の中年オヤジになっちゃったのって、自分の父親から虐待されてたからで、何で虐待されたことによってそういう人間になってしまうのか、そこに因果関係があるのかどうかはよくわからんのだけど、この作品の描写だと明らかにそこに原因があったように思えちゃうから。

ニックノルティって粗野な役柄が多くて、今作でもそこがハマってるんだけど、他作品と違うのはそのバックボーンが悲惨というところ。親子の体力的な力が逆転した際にも親父をぶっ飛ばしたことがどうやらなさそうで、だからこそ、今でも親父には高圧的な態度を取られ続けていたんだろうと思われる。要するに、距離を取って暮らすくらいでしか親父から逃れる術がなかったっぽい。

そんなわけで、負の部分で親父から影響を受けちゃったウェイドは、町の権力者からおこぼれみたいな感じに警官の雑用仕事をもらってて、町の人間からもバカにされている。しかも妻からも離婚されてて娘と暮らしたいのにそれもままならぬ。というか、娘に対しても愛情があるのにそれが裏目にしか出てなくて、何をやってもうまくいかない。

うまく行かない理由はもちろんあって、彼が感情的ならずに人と接すればいいだけなんだが、それができずに人と軋轢を生むだけで、それを正すことができない。であるから周りからは厄介者扱いされてて、彼の辛さを分かってくれる人は恋人くらい。そうした存在がいるだけでもマシなのに、最終的には親父のせいで彼女も離れてっちゃって、「俺を助けてくれ!」と懇願するけどもその仕方に難がありすぎて彼女どころか実の娘からも非難され、ドツボにはまっていくウェイド。

こう書いているだけでも気の毒になってきちゃう。どの言動もバカすぎるから自業自得とも言えはするだねども…。彼は自分を見下している奴らを見返したいがために、友だちのジャックが関わった事件の犯人を彼だと断定し、真相を突き詰めようとジタバタする。それこそが娘を取り戻し、恋人とも結婚できて幸福な未来を築くための唯一の道だと思ったから。

ただ、思ったはいいけどそれは、ウェイドの承認欲求と被害妄想がまざった成れの果ての糞みたいな、彼の思い込みでしかないのだ。だから事件の真相は別のところにある。それなのに、彼の思い込みにある程度、賛同しちゃってたのがウィレムデフォーが演じてる弟のロルフってところがまたなんとも気の毒。

彼は少年期に、兄のウェイドと親父とのかかわりを観察していく中で、父の暴力からなるべく避けられるようにふるまう術を覚えていく。要は兄がどういうときに親父に暴力ふるわてるのかを見て、それを参考に親父との接し方を決めていたのだ。そのおかげで何とか首尾よく成長ができて、今では大学教授にまでなっている。

そんな学のあるロルフが、なぜウェイドの妄想みたいな事件の推測に賛同したのか。その辺がよくわからん。この物語ではロルフが狂言回し的にセリフを言う箇所がいくつかあるんだけど、それを踏まえても俺にはロルフがどういう奴だったのかが最後までわからなくて、せっかくウィレムデフォー使ってんのにさほど存在感もないし、その辺は残念に思った。

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