シンプル・フェイバー

ステファニーとエミリーはお互いの息子を通じて知り合い、親友のように付き合い始めるのだが、ある日、エミリーが失踪。彼女の行方を捜すステファニーは、衝撃の事実を知ることになる。ネタバレあり。

―2019年公開　米＝加　117分―

解説とあらすじ・スタッフとキャスト
ネタバレ感想

解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:ダーシー・ベルのミステリー小説『ささやかな頼み』をアナ・ケンドリックとブレイク・ライブリー共演で映画化。シングルマザーのステファニーはある日、親しくなった人妻エミリーから学校に通う息子の迎えを頼まれる。だが、そのままエミリーが失踪し……。メガホンを取ったのは、「ブライズメイズ　史上最悪のウェディングプラン」、「ゴーストバスターズ」（16）のポール・フェイグ。(KINENOTE)

あらすじ:ニューヨーク郊外に住むシングルマザーのステファニー（アナ・ケンドリック）はある日、息子の同級生の母エミリー（ブレイク・ライブリー）に誘われ、豪華な邸宅を訪れる。事故で夫を失い、保険金を切り崩しながら子供を育てる気立てのいいステファニー。これに対してエミリーは、スランプに陥った作家の夫ショーン（ヘンリー・ゴールディング）と愛し合い、華やかなファッション業界で働きながらも、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせていた。対照的な2人だったが、次第に互いの秘密を打ち明けあうほど親密な関係になっていく。そんなある日、ステファニーは“息子を学校に迎えに行ってほしい”とエミリーから頼まれる。だが、その後エミリーは息子を引き取りには現れず、そのまま失踪。ステファニーはその行方を捜し始める。やがて、ミシガン州でエミリーの目撃情報が入るが……。(KINENOTE)

監督:ポール・フェイグ
出演:アナ・ケンドリック/ブレイク・ライブリー/ヘンリー・ゴールディング

ネタバレ感想

超適当なあらすじ

シングルマザーのステファニーは、義弟と一緒に事故死した、亡き夫の保険金を食いつぶして生活をしている映像ブロガーだ。彼女は明るく世話焼きの性格で、周囲からはしばしば「聖人」と評価されることもある。

そんな彼女がある日、息子の友達の母親であるエミリーと知り合う。エミリーはニューヨークのけっこういい会社で働いていて、旦那は元作家。豪邸に住んでいる。性格はかなり豪快で、常識にとらわれないタイプ。

そういう彼女を羨望のまなざしで見ているステファニー。彼女の息子の世話などもしてやるうちに、二人は親しくなってきて、お互いの秘密を打ち明けあうくらいの仲になっていく。

ところがある日。何も告げずにエミリーは失踪。彼女の夫であるショーンとともに、ステファニーは彼女の行方を捜すように。ブログで情報発信するなど、いろいろしてたら、ある日エミリーは湖で死体となって発見される。

打ちひしがれるショーンを励ましつつ日々をすごしていうるちに、ステファニーとショーンはいい関係になってきて、ステファニーは家を売却してショーンと豪邸で暮らすようになった。エミリーはいなくなったが、それなりに充実した日々を過ごしていたのだが、でもなんだか、エミリーが生きている気配を感じ始めるステファニー。

疑問に思った彼女は、エミリーの職場を訪ねて、生前のエミリーの身辺をさぐっていくうちに、驚きの事実に行きつくことになるのであったーーというのが適当なあらすじ。

二転三転してラスト

2019年作品。まったく存在を知らずにいたのを、ネットフリックスで見つけて鑑賞してみた。コメディチックな話なのかなと思わせておいて、そのテイストは残しつつも、エミリーの失踪からミステリー要素が出てきて、物語は二転三転してラストを迎える。

その二転三転の中で、ショーンが怪しいと思うこともあれば、ステファニーが怪しく見えることもあるなど、ミスリードを起こさせる伏線が巧み。ステファニーの夫が死亡した事故などは、鑑賞者がステファニーに疑念を向けるようになる仕掛けとして活かされている。要するに、思わせぶりにシーンとして挿入しておいて、けっきょくは何のために入れたのかわからん描写になっていないということころがいいのだ。そういうのができてない作品っていっぱいあるからな。

実話ではないと思われる

で、最終的にはやっぱりエミリーがファムファタールという言葉で済ますには足りないくらいの悪女であることが明るみになる。んで、ステファニーやショーンはそれなりに幸せになりました。みたいな説明があって物語は終わる。この説明によって、この話が実話に基づく内容なんかなと思わせるんだけども、それを告げるようなことは出てこないので、実話ではないんだろうね。

そういえば、エミリーは懲役20年くらってムショ行きになってたけど、けっこうイキイキと過ごしてて、笑える。罪の意識を持たずに悪いことができる人にとっては、何をやっても人生はそこそこ楽しめるもんなのかもねぇ。

ちなみに、犯罪者のレッテルははられてないものの、ステファニーも聖人とは言い難いけっこうなクズに見えた。腹違いのアニキとセックスしちゃったのはいいとして、自分のブログで失踪したエミリーの個人情報を流しまくったりしてるからね。あれって俺から見るとＮＧなんだが、ステファニー自身は何のためらいもなくそれをしていたことが、個人的にはドン引き。

探偵の真似事してエミリーの会社に不法侵入したり、彼女の過去を調べるためにいろいろ嘘ついて人んちに上がり込んで根掘り葉掘り情報収集したり、あの辺もなんかなぁ。しかも最終的には事件を通じて、金も稼げるようになっているという。

結末を知ったら2度は見なくてもいいかなという感じの作品だったな。あと、この物語で一番不幸なのって、母親がいなくなっちゃったエミリーの息子だよね。