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映画 26年 ネタバレ感想 光州事件の主犯格を懲らしめたい

26年
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26年

光州事件に関連した人物たちが26年後、ある復讐を企てて主犯格を懲らしめてやろうとジタバタする話。ネタバレあり。

―2012年製作 韓 135分―

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見どころとあらすじ・スタッフとキャスト

見どころ:韓国映画「26年」は人気漫画家カンフルの同名インターネット漫画を映画化したもので、5.18光州民主化運動と関連した人物たちが虐殺の主犯を断罪しようとする復讐劇を描いている。しかし映画が私的な復讐ではなく、悲劇の現代史と実存の人物についての物語を描いているという理由で投資を受けられず、2008年から数年間、何度も制作が中断されたが、ついに作品として完成した。チン・グ、ハン・ヘジン、「2AM」スロン、ペ・スビンなど豪華俳優が共演している。(wowkorea)

あらすじ:映画「26年」は1980年5月の光州であった悲劇に係わったヤクザ、国家代表射撃選手、現職警察、大企業の代表、私設警護社の室長が26年後のその日、虐殺の主犯である“その人”を断罪するために作戦を繰り広げるアクション復讐劇だ。(wowkorea)

監督:チョ・グニョン
出演:チン・グ/ハン・ヘジン/ペ・スビン/イム・スロン/チャン・グァン/キム・ソンファ

ネタバレ感想

グロ描写はアニメ

漫画原作の事実を基にした物語。どの辺が事実かというと、光州事件と、その事件で実権を握り第十一代の大統領になった男がいるというところまで。その他の復讐譚とそれにまつわる登場人物は、おそらくフィクションではないかと。

で、冒頭の光州事件で起きた市民の惨殺シーンなどは、アニメで描かれる。これは多分に描写がグロいからだろうか。まぁ確かに望んで実写で見たいような場面ではないのでそれはそれでいいんだけど、他にも何かの意図があったんだろうか。その辺はよくわからない。

暗い過去を抱える登場人物たち

この物語は、光州事件で父を失ったヤクザ、母親を失った射撃選手、姉を殺された警官らが、ある大企業の代表とその息子に誘われて、大統領暗殺を企てるのである。何で暗殺したいかというと、全員が大統領に対して、光州事件の時の恨みがあるから。ヤクザらは紹介したように肉親を殺されている。その息子は実は養子で、彼も両親を事件により亡くしている。

ではこの計画の出資者である大企業の代表は何なのかというと、戒厳軍として事件に参加し、市民を殺してしまった罪を背負っているのだ。彼は事件後の26年間、ほうぼうで申し訳ない気持ちを抱えてきたし、実際に事件の被害者に謝ることもあったらしい。しかし、元大統領は引退後も罪を認めていないし、金持ちなので、警備員に自宅を守らせて悠々自適な暮らしをしてやがるのだ。

それが許せない代表は、何とか元大統領を生け捕りにして、謝罪を求めようというのである。反省の気持ちがあるのかを探ろうというのである。で、その時の対応によっては、ぶっ殺しちまおうという計画を遂行したいらしい。それで、その計画に役立ちそうな三人をチームに誘ったのだ。

計画はことごとく失敗する

ということで、このチームは大統領の自宅をいろいろ調べて計画を練る。その細部についてはけっこう適当な感じなので、突っ込みたい部分も多い。まぁでもその辺はおいておいて、彼らはとりあえず、自宅の警護体制は固いので元大統領が車で移動中の時を狙う計画を立てた。

だが、いろいろあってこの計画は失敗に終わる。挙句、狙撃手はけがをして、ヤクザの子分たちにかくまわれて療養生活。警官はビビり始めて、計画から外れた。

そのあとまぁやっぱりいろいろあって、結局彼らは元大統領の自宅を襲撃する計画を実行する。屋敷に侵入できるのは、社会的地位の高い代表。そして、元大統領宅の警護係に取り入った代表の息子の2人。ヤクザは部下を引き連れて元大統領宅周辺の機動隊を抑える役目を担い、狙撃手は屋敷の外から元大統領を狙うことに。

でまぁいろいろあって、この計画も失敗に終わるーー。

リアルの事件の凄惨さは感じたが

てなことで、序盤から中盤くらいまではなかなか楽しめる展開なんだけど、最初の計画が失敗に終わって以降は何かグダグダな感じがして、そのグダグダが最後まで続く感じの残念作品であった。

特に狙撃手の女性は、まともに役を果たせていないような。しかも、ラストの狙撃シーンはあまりにも撃つまでの間を引っ張りすぎててイライライライライライラする。思わず口に出して「早く撃てバカ!」と言ってしまいたくなるくらいにイラつくシーンであった。で、ようやく撃ったかと思ったらそのまま物語も終わっちゃうという。

冒頭のアニメが史実に基づくものというリアル世界で起きた残酷な事件を題材にしたまではいいけども、フィクション部分がその事件の重みを背景にしているわりに、展開が適当で軽く感じるし、ラストで無理やり泣かせに来ている感があって、非常に興ざめしたし、もったいない作品だなと思った。

主犯格の元大統領がまだ存命らしく、題材も題材だし、製作に難儀したらしい。という苦労のある割には、やっぱりもったいない内容でありました。

ただ、ヤクザと彼を拾った親分はなかなか良いキャラしてて、そこは好感を持った。ヤクザ役の俳優もなかなかの存在感で良かったな。あとは、警備室長のキャラが笑えた。この人、事件時に戒厳軍の兵として虐殺に加担してた奴で(アニメパートで、後の代表と一緒にいた人)、その過ちを正当化するために、元大統領を守り続けたという論理的なのか気が狂っているのか、その両方な感じのキャラで、そのぶっ飛び具合に笑った。

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