天使が眠りにつくとき
事故で人をはねた主人公が、事を丸く収めようとがんばるけども、現場に居合わせた別の人間の対応に振り回されて狂気に陥っていくお話。ネタバレあり。
―2018年製作 西 96分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:居眠り運転の果てに女性をはねてしまったビジネスマン。しかも、その場にいた彼女の女友達が恐怖におびえパニックになったことで、悪夢の連鎖に見舞われる。(Netflix)
監督・脚本:ゴンザロ・ベンデーラ
出演:ジュリアン・ヴィラグラン/マリアン・アルバレス/エステル・エスポシト/シラ・アロンソ・デ・アラルコン/アシア・オルテガ
ネタバレ感想
保険会社に勤める主人公。娘の誕生日パーティの日なのに、どうしても外せない出張があって自宅から500キロくらい離れたところにいる。この主人公はあまり使えないやつなのか、上司に軽く扱われている感がある。
しかも妻からは「娘のパーティなんだから早く帰ってきやがれ」と、何度も電話で詰られている。主人公は「大事な仕事なんだから仕方ないだろ」と、言い逃れというか本当のことを答える。
この冒頭のシーンで、主人公は優柔不断なやつなんだろうなと思わせる。家族のことは大事に思っているようだが、家族を優先できない仕事を続けているわけだし、続けるなら続けるで、奥さんに対して毅然とした態度に出ればいいのに、しどろもどろな感じ。
奥さんのほうは人手が足りないとかで、なんだかよくわからない男を娘のパーティに呼びこんで手伝わせている。これを観るに、奥さんは奥さんで、手前勝手なやろうなんだろうなと思われた。
というわけで、出だしからキャラの特徴がうまく描かれていて、その後の展開にそれが生きてくる。ほかのキャラというか、主人公と追いかけっこをすることになる娘も、家出のシーンから友達と一緒に男の車で出かけ、そしてその男の車から出ていくところまでで、どういう人物なのかが大体わかる。
各人たちの背景と性格を紹介できているので、ラストに至るまでに主人公らが取る行動に、さほど違和感を持たずに見続けることができる。てなことで、なかなかキレイにまとまってて結末にも納得ができる作品だ。
であるが、個人的にはそんなに面白い内容でもなかったかな。まず、娘が取り付く島もないくらいアホなところがね…。主人公もアホなんだけど、この娘もアホ。しかも初めての薬でラリってたこともあってか、不幸な運命を自分で呼び寄せちゃっている。主人公は途中で開き直って覚悟を決めているので、そこんところに勝負の差が出たか。
にしても、暴力ふるわれて、背中を向けて逃げている女性に対して後ろから石を投げるとか、覚悟を決めた主人公の鬼畜ぶりはなかなかのものであった。
しかしラストでわかるのは、主人公どころではない奥さんの恐ろしさである。この人は別に何の罪を犯すわけでもないんだけど、メンタル強すぎだし、ちょっと人として外れたところがあると思わずにはいられない糞野郎だと思った。仮に娘のためだったとしてもねぇ…。
この作品はネットフリックスで鑑賞できます。
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