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映画 水曜日が消えた ネタバレ感想 ラストは一人か七人か

水曜日が消えた
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水曜日が消えた

幼い時に事故に遭い、人格が7つに分裂した男は、月曜から日曜日までを各人格が分担して生きている。主人公の火曜日は他の曜日の家事・雑用などをこなす毎日に不満を抱いていたが、ある日、自分が水曜日も生きることになる。消えた水曜日はどうなったのか。その日から彼の日常に変化が訪れるーー。なかなか興味深い設定でラストもスッキリしつつそれなりに余韻を残すのでそこそこ楽しめる。ネタバレあり。

―2020年公開 日 104分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:「屍人荘の殺人」の中村倫也が『映像作家100人2019』に選出された吉野耕平監督と組み、曜日ごとに入れ替わる7つの人格を持つ男を演じたサスペンス。7つの人格のうち“水曜日”の人格が消え、一番地味な人格“火曜日”は来るはずのない水曜日の朝を迎える。オムニバス「スクラップスクラッパー」内の「ファミリー」などを手がけ、「君の名は。」ではCGクリエイターを務めた吉野耕平が監督・脚本・VFXを担当。ドラマ『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』の石橋菜津美が“7 人の僕”を知る元同級生・一ノ瀬を、「パンとバスと2度目のハツコイ」の深川麻衣が図書館司書の瑞野を、バンド『ゲスの極み乙女。』でベースを担当する休日課長が“月曜日”の友人・高橋を、バイプレイヤーとして活躍するきたろうが医師・安藤を演じる。(KINENOTE)

あらすじ:幼い頃に交通事故に遭った後遺症で、一人の身体の内側で性格も個性も異なる7つの人格が曜日ごとに入れ替わるようになる。彼らは互いをそれぞれが目覚める曜日の名前で呼び合い、不便さはあるものの、平穏に暮らしていた。“火曜日”は彼ら7人の中で一番地味な存在で、家の掃除や荷物の受け取り、通院などの用事を他の曜日から押し付けられる損な役回りばかり。そんな彼がいつも通り単調な一日を終え眠りにつき、目を覚ましたところ、違和感を覚える。テレビからは見慣れない番組が流れ、緑道の音楽は初めて聞くものであり、いつもとは違う様子。“水曜日”が消え、代わりに“火曜日”が水曜日に目を覚ましたようだった。 “火曜日”は初めての水曜日を謳歌するものの、やがて日常が驚きと恐怖に変化し……。(KINENOTE)

監督・脚本:吉野耕平
出演:中村倫也/石橋菜津美/中島歩/休日課長(ゲスの極み乙女。)/深川麻衣/きたろう

ネタバレ感想

公開中にそれなりに気になってたが存在を忘れたのを、UNextの配信で見つけて鑑賞した。本作のように7つの人格が一人の人物に同居してるのとは異なり、七つ子人間が登場し、それぞれの曜日を過ごしてる話にノオミラパス主演の『セブンシスターズ』ってのがあったなぁ。あれと比べるとシリアスさは抑え目というか、あまり悲壮感なくそれなりに考えさせられもする話で楽しめた。

結末を観るに、どうやら火曜日が主人格だったっぽいことがわかるけども、最終的に人格が本当に統合されたのかどうかってのはよくわからなくて、ラストでは、7人がこれまでの曜日を担当しているように見える。しかし、一人が(例えば月曜日が)すべてを担当しているように見えなくもない。

まぁそのラストはどうでもいいとして、それまでの過程がそれなりに丁寧につくられてる印象なので、けっこう楽しい。

とはいえやっぱり突っ込みどころというか設定上、不明瞭な部分もある。そもそも、それなりの暮らしをできる家に住んでいる彼らは、どうやって金を稼いでいるのか。実験体として病院から金でももらってるのかなぁ? 多少稼いでそうなのはイラストレーターの木曜日と植物を育ててるっぽい金曜日くらい? ほかは無趣味の火曜日、スポーツやってそうな水曜日、何やってるのか忘れた土曜日、釣り人の日曜日とか、どうやって金を得てるんだ? そんなことを気にしても仕方ないんだが、気になっちゃったものは仕方ない。

ついでに、それぞれの曜日はポストイットやら行動日誌などで申し送りをして、一人の人間として整合性のとれる生活をしているのだーーというか、どっちかというとコミュニケーションは家の中の家事全般に対してやるべきことを伝えあってるだけで、それぞれの社会生活に介入するようなことをあまりしてない印象。

要するに、それぞれが各人格を別の存在として認めているような感じ。それはそれで、お互いに良好な人間関係を保つという意味では悪くないような気もするが、もう少しそれぞれの人格がコミュニケーション取ってれば、連携して日々を楽しむことができるような気がしなくもない。

しかし、それが行き過ぎると、例えば図書館司書の女性を火曜日と水曜日が取り合うような展開が考えられるわけだし、その辺は物語上なくてもよかったもんではあるわな。

にしても、奔放に女をとっかえひっかえしてる月曜日にしてみれば、一人の女と付き合い続けることができないからこそ、刹那的関係をつくらざるを得ないと考えることもできるし、例えばあの後、水曜日は司書の女性と付き合うことになったら、どうやって交際を続けるんだろうか。火曜日も火曜日で、幼馴染の女性とあれ以上の関係をつくるには、他の曜日の協力が必要になってくるだろう。

まぁ、そんな些末なことはおいといて、本編そのものは普通に楽しめるのでどうでもいい話ではあるのだが。

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