ヴォイジャー(2021)
移住可能な惑星に向かって旅立った宇宙船内で起こる人間ドラマを描いたスリラー。何となく想像ついちゃう内容だけど、暇つぶしにはなるSF作品。ネタバレあり。
―2021年制作 米=捷=捷=英 108分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「ダイバージェント」のニール・バーガーが贈るSF大作。2063年、新たに居住可能な惑星を発見した人類は、探査隊として訓練を受けた子ども30人と教官リチャードを航行期間86年の旅に送り出す。10年後、成長した子どもたちはある事実を知るが……。出演は「レディ・プレイヤー1」のタイ・シェリダン、「パリの恋人たち」のリリー=ローズ・デップ、「ダンケルク」のフィオン・ホワイトヘッド、「THE BATMAN-ザ・バットマン-」のコリン・ファレル。(KINENOTE)
あらすじ:地球温暖化による飢饉が人類を襲い、科学者たちは新たに居住可能な惑星を探し始める。そして迎えた2063年。可能性を秘めた惑星が発見され、探査隊を派遣することになる。航行にかかる期間は86年。その宇宙船ヒューマニタス号の乗員は、訓練を受けた30人の子どもたちと、彼らの教官リチャード(コリン・ファレル)だった。子どもたちは船内で成長して子孫を残し、惑星に到達するのは孫の世代となる予定。子どもたちはリチャードに従い、計画は順調に進んでいく。それから10年。クリストファー(タイ・シェリダン)とザック(フィオン・ホワイトヘッド)は、毎日飲む薬によって、自分たちの人間としての欲望が抑制されていることを知る。そして、反発した乗員たちは本能の赴くまま行動するようになり、ある事件をきっかけに、船内の統制が崩壊していく……。(KINENOTE)
監督・脚本:ニール・バーガー
出演:タイ・シェリダン/リリー=ローズ・デップ/フィオン・ホワイトヘッド/コリン・ファレル
ネタバレ感想
適当なあらすじ
食糧難に陥った人類が、人間の住める惑星を発見。たどり着くには宇宙を86年かけて旅する必要がある。そこで、人類はある子どもたちにエリート教育を施し、彼ら、彼女らを宇宙船に乗っけて新たな子どもを産ませ、孫の世代で目的の惑星にたどり着き、植民惑星化する一大プロジェクトを立ち上げる。
そのプロジェクトに参加していたコリンファレル扮するリチャードは、子どもたちの保護者として、片道切符の旅に出ることを決意。最初の10年は子どもたちも幼く従順だったが、成長し始めると、惑星にたどり着かずに次世代に目的を託さざるを得ない自分たちの世代が果たす役割の虚しさに疑問を持つ者も出始める。なんとかなだめすかして目的達成に向けて協力をさせようと頑張るリチャードだが、ある子どもが感情を抑制する薬を飲むことを拒否したことで、船内に不穏な空気が漂い始め――というのが適当なあらすじ。
いい加減すぎるプロジェクト
タイシェリダンとデップの娘が出てるってことでU-Nextで見つけて鑑賞。食糧難を解決するために宇宙へ移民する可能性を探ぐるこのプロジェクトってずいぶん悠長だよなぁ。孫の世代が惑星に到着したとしても、地球のスタッフたちはもう死んでるわけで、もちろん仕事を引き継ぐ人はいるにしても、その間に地球の食料枯渇しちゃうんじゃないだろうか。
そうはならないために、全人類で何らかの打開策を推進するかもしれないし、そうしないと死んじゃうんだろうからそれはするとして、だったらこのプロジェクトはあくまでサブ的なものになるはずで、こんな途方もない作戦にすべてをかけてたんだとしたら、あまりにも無能だよね。
でまぁ、いくらエリート教育施しても子どもは子ども。しかも感情を抑制してロボットみたいな生活させてる分には制御できてたんだろうが、大人になれば多少は考える力も出てきて、自分の立場に疑問を持つ人間もそりゃあ出てくるだろう。つまり、劇中で繰り広げられるようなことはある程度予想の範囲内であり、大人が一人しかついていかない(そもそも子どもだけで行かせるつもりだったっぽいが)ことがありえないことだと思っちゃう。
んで、リチャードがチンピラ野郎に抹殺されて以降は、そのチンピラが暴走し、恐怖で乗組員たちを支配することに。それに積極的に従う奴、日和見野郎になっちゃう奴、抵抗する奴も出てきて、そういう人間ドラマがこの作品の見所ではあるものの、どっかで観たような話でもあって、その舞台が宇宙である以外には特に新鮮さはない。
いろいろのジタバタ劇があったあと、生き残った乗組員たちは感情を抑制する薬は飲まずに惑星を目指すことに。そうやって自分の感情と向き合い、時には自らの力でそれを律する生き方というのが、人間の普通な生き方であることを考えると、このプロジェクトを考えた人たちはやっぱりこの子どもたちを人間扱いしてなかったわけで、けっこうな非人道的プロジェクトでありましたなぁ。
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