われに撃つ用意ありREADY TO SHOOT

全共闘時代に暴れてたことのあるスナックマスターが、ベトナム難民の女性をヤクザから守るために戦うことになるハードボイルド作品。役者が豪華で、かつての歌舞伎町の雰囲気がちょろっと楽しめる。ネタバレあり。

―1990年公開　日　106分―

解説とあらすじ・スタッフとキャスト
ネタバレ感想
1. 関連

解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:国際都市・新宿を舞台に、そこで生きる孤高なアウトローの世界を描く。佐々木譲原作『真夜中の遠い彼方』の映画化で、脚本は「ほんの5ｇ」の丸内敏治が執筆。監督は「パンツの穴　ムケそでムケないイチゴたち」の若松孝二。撮影は同作の伊東英男と「スクラップストーリー　ある愛の物語」の田中一成が共同でそれぞれ担当。(KINENOTE)

あらすじ:新宿・歌舞伎町。スナック“カシュカシュ”のマスター郷田克彦の前に、ヤクザに追われている女が現れる。女の名はヤン・メイラン、タイ人である。その頃、外では桜道会系戸井田組々長が銃殺される事件が発生し、新宿署のマル暴刑事・軍司が捜査を開始していた。殺人現場にはＶＨＳ－Ｃビデオのアダプターが残されていたが中身のテープはなかった。一方“カシュカシュ”では20年間続いたこの店の閉店パーティが行なわれており、克彦のかつての全共闘の同志である季律子、秋川、三宅らが集っていた。中にはメイランの姿も見え、実は彼女がベトナム難民であり、偽造パスポートを持つ密入国者であることが判明する。逃走のためのパスポートを取りに店を出たメイランは、戸井田組に追われるが克彦はそんな彼女を救出するのだった。一方、事件を追う軍司は、戸井田組がタイの女にパスポートをネタに売春させ、その女に組長が殺されたらしいことと、女がビデオテープを持っていることをつきとめた。時を同じくして香港ヤクザが戸井田組々員を殺害する事件が起り、そこで軍司はビデオテープを発見する。それは桜道会桜田のフィリピン女の殺人シーンだった。メイランは克彦と仲間に戸井田に脅され、犯されそうになった時、銃が暴発して戸井田を殺してしまったことを打ち明ける。そして対策を練っていた時、秋川が香港ヤクザに殺されてしまい、メイランもさらわれてしまう。克彦は一人でメイランを救出することを決意する。そんな克彦と行動を共にする季律子。リボルバーを手に香港ヤクザのいるフィリピンパブへ向う二人は、ヤクザと警察を向こうに激しい銃撃戦の末、メイランを無事逃がす。そして、負傷した二人は互いを支え合いながら薄れかける意識の中で笑い合うのだった。(KINENOTE)

監督:若松孝二
出演:原田芳雄/桃井かおり/ルー・シュウリン/蟹江敬三/松田ケイジ/室田日出男/石橋蓮司/小倉一郎/斉藤洋介/西岡徳馬/佐野史郎/麿赤児韓国料理屋の主人

ネタバレ感想

原田芳雄が主役ってことでU-Nextで見つけて鑑賞。90年代の新宿歌舞伎町を舞台に原田芳雄扮するスナックのマスター、郷田がちょっとした偶然で助けることになったベトナム難民の女性を彼女を追うヤクザから守ることになる話。

話の筋自体はそんなに面白くもない。展開も遅いしね。昔の作品ってクライマックスまでなんも起こらない物語展開だったりするから、最近の映画ばっかり見てると退屈に思っちゃうこともあるんだよなぁ。だからと言って昔の作品がダメってわけでは当然ないんだけど。

話としては、全共闘世代がかつての熱さを取り戻し、くすぶってた魂を燃やして戦うってな感じの内容。俺はその時代の後に生まれてるので、全共闘世代の思想的熱さとかはようわからん。まぁでも、それ以降の俺らぐらいの世代からなんとなく、いい意味での昭和っぽい暑苦しさみたいなのは失われていったのかもしらんなぁと思わないでもない。

とは言っても、この物語上でも、最終的に戦いを決意するのは原田や桃井かおりが演じた二人だけで、同時代の仲間たちは結局、口だけで何も行動しない人もいる。一方、酒屋の兄ちゃんなんかは原田たちを助けるわけで、世代間の話で人間を括っても、あんまり意味はないわな。

ちなみに、この作品では90年代の歌舞伎町の景色が観られて、その辺は懐かしかった。コマ劇前広場の雰囲気とかね。俺も10代の頃は、あの辺の映画館にジャッキーチェンの映画を観に行ったりしてたからなぁ。そういう昭和の景色が観られたのが良かったところかな。

というくらいの糞みたいな感想しか出てこないのは、作品のせいではない（笑）。