ホラーマニアVS5人のシリアルキラー
ホラー雑誌ライターのジョエルがバーで泥酔して目覚めたら、シリアルキラーたちが会合を開いていた。素性がバレて殺人鬼たちに襲われることになったジョエルは生き残ることができるのか? バカホラーテイストで笑えるし、展開もなかなか工夫がされていてそれなりに面白いです。ネタバレあり。
―2020年製作 加 101分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ホラーマニアと殺人鬼のバトルロイヤルを描いたサスペンスコメディ。バーで泥酔したホラー雑誌の編集者・ジョエル。目覚めると、閉店後の店の奥では殺人鬼たちが悩みを打ち明け合う集会が行われていた。ジョエルは遅れて来た参加者と間違われ…(KINENOTE)
あらすじ:ホラー雑誌「殺人鬼マニア」の編集者ジョエルは、ある夜怪しげなバーに迷い込む。泥酔して目を覚ますと、閉店後の店の奥から声が聞こえる。それは参加者が自らの体験を話し悩みを打ち明けあう、殺人鬼たちの集会だった。遅刻した参加者と間違われ招き入れられたジョエルは、その知識で殺人鬼のふりをしてやり過ごそうとするが、すぐにバレてしまう。「ジョエルを、誰がどうやって始末するか」でもめ始める殺人鬼たち。隙をついて逃げ出すジョエル。果たしてジョエルは生きて帰ることはできるのか!?(Amazon)
監督:コーディ・カラハン
出演:エヴァン・マーシュ/アンバー・ゴールドファーブ/アリ・ミレン/デビッド・ケーチナー
ネタバレ感想
けっこう面白いホラーコメディ
アマゾンプライムで見つけて鑑賞。ホラーコメディ的な駄作だろうなと思って期待せずにみたら、これがけっこうおもしろい。
こういうホラー系のコメディってゾンビ映画でもそうだけど、何らかのオタクでダメな男がホラー騒ぎに巻き込まれる中で、好きな女の子のために頑張るようになって、最後はヒーローみたくなっていくーーみたいのが多い。
今回の主人公のジュエルもホラーマニアだし、好きな女の子に相手にされてないし、軽くストーカー気質のあるダメ人間なんで、騒ぎを通して男として成長していくんだろうなと思ってた。そして大筋としてはだいたいそんな感じ。
キャリーが強くてカッコいい
ところが、いい意味で期待を裏切ってくれるのは、ジョエルの成長を描きつつも、彼はもともと意中だった相手と恋仲になる展開にはならず、ヒーローのように活躍をするシリアルキラーバスターの女性=キャリーの仲間として認められていく過程が描かれるところ。ここがなかなか新鮮でいい。
序盤において、図らずもシリアルキラーが自分の立場を開陳しあう、グループセラピーみたいなんに強制参加されて後、正体がバレてこいつらのターゲットにされるジュエル。
ここでいろいろ頑張って、そこに意中の女性もからんできてジタバタしながらも殺人鬼たちを倒していきつつハッピーエンドかなーなんて思ってたら、そんな単純なもんではない。
実は、殺人鬼の一人と見られたキャリーが実は、殺人鬼キラーだったのである。俺は序盤にキャリーがある男を殺すシーンを見て、まさかそれがミスリードさせるためのシーンだなんて全然予想してなかったので、この展開には驚かされた(笑)。
キャリーは過去に殺人鬼によって身内を殺されてしまい、それがきっかけで殺人鬼キラーになったらしい。何らかの組織に所属していることを匂わせるが、その辺の全容は明らかにならない(続編を狙っている?)。そこがちょっと不満とは言え、彼女がとても強いし女性としても魅力がある人物なので、その活躍ぶりがかっこいい。どっちかというと、こっちが主人公でもいいくらいな存在感だ。
ついでにこの作品の良いのは、最初に物語が転がり始めるキャリーが実は殺人鬼ではなかったという展開に加え、閉鎖空間的な舞台が警察署に移っていくところ。最初の舞台だけでは事件に巻き込まれる人数が少ないため、面白味を出すのが難しいだろうなと思っていたら、殺人鬼に対抗できそうな警察署に場所が移っていくので、その後の展開に期待が持てた。
この警察署の奴らが全員無能で、署員の多くが事件現場に出払っているとはいえ、残りが3人しかいないのは少なすぎるだろと思わなくもないが、3人ともそれなりにバカなキャラで笑わせてくれるので、よろしい。
てなことで、平板な物語を予想させておきながら、しっかりと工夫が凝らされてて、なかなか楽しめる作品でした。
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