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映画 べネシアフレニア ネタバレ感想 オーバーツーリズムを題材にしたホラー

べネシアフレニア
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ベネシアフレニア

ヴェネツィアを観光で訪れたスペイン人たちが、地元愛溢れる狂気の殺人鬼に襲われる話。観光客憎しな地元民たちの気持ちもわからんではない、オーバーツーリズムを題材にしたサスペンスホラー。ネタバレあり。

―2023年公開 西 99分―

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解説とあらすじ・スタッフとキャスト

解説:美しい水の都ヴェネツィアを旅行で訪れた若者たちが、仮面の男から無差別に狙われるエクストリーム・ホラー・ムービー。監督は「気狂いピエロの決闘」(10)でヴェネツィア国際映画祭の監督賞・脚本賞を受賞したスペインの鬼才アレックス・デ・ラ・イグレシア。「REC レック」シリーズのパブロ・ロッソが撮影を担当した。イタリアの“ジャーロ映画”へのオマージュを散りばめながらも、近年世界各国で社会問題化する「オーバーツーリズム」を背景に巻き起こる狂気の惨劇を、スタイリッシュな映像と巧みなストーリーテリングで見せる。(KINENOTE)

あらすじ:結婚を間近に控えたスペイン人のイサと友人たちは、独身最後に羽目を外そうと、カーニバルで賑わうイタリア・ヴェネツィアを訪れる。しかし、到着した彼女たちを待ち受けていたのは「観光客は帰れ」というプラカードを掲げた大勢の人々。近年ヴェネツィアでは、観光客の増加による環境悪化が社会問題になっていたのだ。それでも気を取り直して観光を楽しもうとするイサたちが乗り込んだボートに、突然カーニバルの衣装を着た奇妙な道化師が同乗してくる。彼女たちはその不気味な雰囲気さえも楽しもうとするのだが、道化師は観光客を次々と殺害する狂気の殺人鬼だった。浮かれたイサの仲間たちは、殺人鬼の標的となり、一人また一人と姿を消してゆく……。(KINENOTE)

監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア
出演:イングリッド・ガルシア・ヨンソン/カテリーナ・ムリーノ/コジモ・ファスコ/シルビア・アロンソ/ゴイセ・ブランコ/ニコラス・イロロ/アルベルト・バング

ネタバレ感想

ヴェネツィアのオーバーツーリズム問題

レンタル配信で鑑賞。話自体はフィクションとはいえ、ヴェネツィアはオーバーツーリズムの問題を抱えている観光地。歴史も古いし、なんと言っても街全体が海の上に浮かんでて、街が運河で結ばれているってな稀有な場所だし、その街並みもきれいなわけだから、観光してみたいって思う人がいっぱいいるわけ。

俺も海外行くの好きだし、いつかはヴェネツィア訪れてみたい。ていうか、ヴェネツィアに限らず、イタリィに行ってみたいのである。とはいえ、日本円の力は落ちてるし、ヨーロッパに旅行へなんて、金がたくさんかかるからなかなか難しいのが現状。悲しい…。

とかそんなどうでもいい話はおいといて、ヴェネツィアは観光客のポイ捨てや、大型クルーズ船による出入りなどで環境が汚染されてるらしい。てなこともあって、観光客は増えてるのに過疎化が進んでるそうだ。さらには地球温暖化の影響から水位が高くなってて水没の危機にあるってんだから、マジで大変。そんな中で、オーバーツーリズム対策として試験的に入場料を取ることなどを始めるみたい。

という背景は大きく説明はされてないものの、この映画の冒頭で「フィクションだが事実を題材にしてる」みたいな説明は、上述してきたオーバーツーリズム問題のことを指してるんだと思われる。

旅先の土地には敬意を持ちましょう

で、主人公たち一行は、そういう事情を知ってたか知らなかったのか、意気揚々とヴェネツィアに乗り込んできて、はしゃぐ気満々。現地の人が抗議活動みたいなのをしてるのを見て面食らってはいるものの、訪問先に対するリスペクトみたいなんは皆無で、アルコール飲みまくって踊りまくって、あろうことが食い逃げみたいなこともしてるし、マジでうざいパリピ。

こういう奴らのメンタルは俺にはさっぱり理解できないので、ホラー作品などで殺人鬼に惨殺されちまうことに何の可哀そうさも感じないわけで、今回のこいつらの災難も自業自得として鑑賞してしまった。

旅行先でハメ外したくなるのはわからんでもないけど、やっぱり敬意がないのってやだよねぇ。海外の店とかでやたら店員に偉そうにしてたり、現地の人にウザ絡みしてる日本人とか見るとマジうんざりするし、逆に日本に観光に来てる外人にもそういう輩はけっこういて、ともかく何人だろうがそういう人間はクソ。

ということで、本作において主人公やツーリストを殺す殺人鬼と、こいつの仲間である組織は愛する地元が滅びかけていることに怒り、矛先を観光客に向け、警鐘を鳴らすことを目的に行動をしていたのである。やってることは鬼畜ではあるものの、そういう気持ちになってまうのはわからんでもない。

映画として面白いかと言われると普通なんだけど、コロナによる規制が薄まったことにより日本も含め世界各地でオーバーツーリズムの問題は広まっているわけで、それを作品に込めているという部分が実に今的で、そこが個人的には評価ポイントであったなぁ。

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