ホステル
ヨーロッパを旅するアメリカ人のバックパッカーが、旅仲間に勧められて訪れたスロバキアで酷い目に遭う話。主人公たちが悲惨な目に遭い始めてからの展開と前半のゆるーい感じのギャップがすごい。ネタバレあり。
―2005年製作 米 93分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:バックパッカーをしながらヨーロッパを旅する若者が、男達が求める快楽がすべて手に入るという場所で、世にも恐ろしい目に遭うスリラー。監督・脚本は「キャビン・フィーバー」のイーライ・ロス。製作総指揮は「キル・ビル」のクエンティン・タランティーノ。出演は「炎のメモリアル」のジェイ・ヘルナンデス、「セルラー」のリック・ホフマン、「着信アリ」などの映画監督・三池崇史。(KINENOTE)
あらすじ:オランダ、アムステルダム。パクストン(ジェイ・ヘルナンデス)とジョッシュ(デレク・リチャードソン)はアメリカから来た大学生で、バックパッカーをしながらヨーロッパの各地を訪れていた。途中、フランスでオリー(エイゾール・グジョンソン)というアイスランド人が加わってからは、グループの遊びは暴走する。今日も、3人はホテルの門限過ぎまで飲んだくれて締め出しを食らう。そんな彼らを招き入れてくれたのは、ドラッグでハイになりきった男アレックスだった。彼は3人に、スロバキアのとある町にあるホステルではヨーロッパで最高の女たちが待っていると言う。パクストン一行は早速目的地に向かう。噂は本当だった。歴史と伝統の美しい街並み。素朴な人々。そして紹介された例のホステルは、セクシーなルームメイトのナターリア(バルバラ・ネデルヤコーヴァ)とスベトラニャ(ヤナ・カデラブコヴァ)が、様々な形で3人を歓迎してくれた。昼間は彼女たちと町を観光し、夜は酒を飲みそれぞれの相手とベッドで過ごす。まるでこの世の楽園のような日々だった。しかしある朝、オリーが忽然と姿を消す。携帯に連絡してもつながらない。するとオリーから帰国するとのメールが届いた。納得できないアレックスとジョッシュは町中を捜したが、オリーの姿はどこにも見えなかった。ホステルに戻ったパクストンは、ナターリアとスベトラニャにオリーのことを訊くが、一向に要領を得ない。この時になってパクストンはようやく、自分たちが恐ろしい事態に陥りつつあることを知る。そんな矢先、ジョッシュまでが失踪する。そしてパクストンは、このホステルと町の人々の本当の姿を知ることになるのだった……。(KINENOTE)
監督・脚本:イーライ・ロス
出演:ジェイ・ヘルナンデス/デレク・リチャードソン/三池崇史
ネタバレ感想
ネットフリックスで見つけて鑑賞。イーライロス監督の初期の作品らしく、シリーズ化もされてるようで、ホラー作品では有名みたいだね。個人的にはイーライロス監督にそんなに思い入れがないのでスルーしてた。でまぁ、今回初めて鑑賞したわけだが、それなりには楽しめたかな。
アメリカ人の大学生、ジョッシュとパクストンが、バックパッカーとしてヨーロッパを旅してて、旅先でアイスランド人のオリーと友人になり、3人で旅をエンジョイしてるのだ。こいつらがはしゃいでる冒頭シーンはけっこう胸糞悪くて、ジョッシュはそうでもないものの、パクストンとオリーは全身性器みたいな奴らで、女子とイチャイチャすることしか考えてない勃起野郎。
そんなにイケメンでもないのにけっこうイイ思いしてるところがまたムカつくんだよなぁ。しかも、旅先の土地に対するリスペクトがないというか、偉そうな態度なとこも鼻につくし。
こんな感じの奴らなので、俺は酷い目に遭いながらも生き残るはジョッシュなんだろうなと予想してたら、彼はアッサリ殺されちゃってて笑った。オリーなんて気付いたら生首にされてるし、なかなかスピーディな死に様(笑)。
というわけで、パクストンだけが運よく死地を脱出することになるわけだ。ちなみに、観てない人にはどんな死地だったかわからんと思うので一応説明しとくと、3人はアレックスと言う男と知り合いになるんだけども、このアレックスが言うには、スロバキアにはハーレムみたいに楽しめるホステルがあるそうで、全身性器のオリーとパクストンは、ほいほいその話に乗っちゃう。そしてそこのホステルで実際にそこそこ楽しんじゃう。
だけどもこのホステル、泊まってるバックパッカーたちが次々に行方不明になっちゃうのだ。どうしてそうなるかっていうと、アレックスみたいな奴らがヨーロッパを旅してるバックパッカーをこの地に連れてきて、廃墟みたいな建物に誘い込む。そんで、そこは殺人願望のある人間が金を払って人殺しを楽しめる施設なのだ。
であるから、誘い込まれたり拉致されたバックパッカーは、その殺人志願者たちの思い思いの殺しのニーズを満たすための犠牲者にされちゃうんである。つまり、ビジネスだ。アレックスみたいな運び屋がいて、施設を警備してるガードマンがいて、劇中には出てこないけど、殺人志願者たちに営業をかける担当者もいるんだと思われる。
で、オリーとジョッシュはこいつらにはめられて犠牲にされ、最後にパクストンも血祭りにあげられちゃうはずだったけど、先述したように彼だけが何とか生き残るのである。パクストンは前半においてはなかなか軽薄だったくせに、脱出時には同じホステルで知り合った日本人の女性を助けに戻ってやるなど、なかなかの漢気を見せてくれる。しかも、自分を誘い出したアレックスと、グルになって自分を陥れた女二人にも偶然とはいえリベンジを果たしているし、ジョッシュを殺した変態紳士もきちんとあの世に送ってるからね。
こうした一連の血祭り騒ぎをそこそこグロい感じで描写してるので、何度も観たいとは思わないけど、一度は鑑賞してよかったなと思わされた。2作目以降は観ないけど(笑)。なかなか凄いなーと思ったのは、上述したような殺人ビジネスの仕組みについて、作品中では解説めいたセリフがないのである。要するに、物語が展開していく中で、鑑賞者にビジネスの全容や、主人公たちが陥れられていった過程がわかるようにつくられているのだ。その点はお見事ですな。
コメント