トゥルー・ストーリー
―2015年製作 米 99分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:ジェームズ・フランコの殺人容疑者とジョナ・ヒル演じるニューヨークタイムスの記者の実話を元にした心理サスペンス劇。(KINENOTE)
あらすじ記事の捏造が発覚し、ニューヨーク・タイムズを解雇された記者マイケル・フィンケル。そんな彼のもとに、一本の電話がかかってくる。その内容は、妻と3人の子供を殺害した容疑で逮捕された男クリスチャン・ロンゴが、マイケルに成りすまして逃亡していたというものだった。記者として事件に興味を持った彼は、すぐにロンゴの取材を開始。やがてロンゴは事件の真相を語りだす。取材を進めるうちに、マイケルは彼の無実を信じ、2人は信頼関係を築いていくが…。(filmarks)
監督:ルパート・グールド
出演:ジョナ・ヒル/ジェームズ・フランコ/フェリシティ・ジョーンズ
ネタバレ感想
実在の事件を基に創作された作品。てことでかなり期待して鑑賞したんだけど、ちょっとわかりづらかったなぁ。
フィンケルとロンゴのやりとりの中で、次第にフィンケルが苛立ちを見せ始めるんだけど、鑑賞中は彼がとる行動がどうしてそうなるのかよくわからんかった。
で、ラストのほう、裁判が終わったときにロンゴがフィンケルにウィンクした段でようやく、フィンケルはロンゴに騙されておったのだなぁと合点がいった。
要するに俺はアホなので、フィンケルがどういう心情で刑事の協力を拒んでたのかとか、よくわかってなかったのである。わかってなかったのであるが、フィンケルの奥さんとかの言動を注意深く観ていれば、それは理解できたはずなのだ。
奥さんは最初からロンゴのことを信頼していない。フィンケルはそうではない。どっちともつきかねていたのだ。それは二重否定のやりとりでわかる。つまり彼はロンゴが「殺していないように感じなくもな」かったのである。ずっとそのままなのだ。ラストのほうはそうではないんだけども。
でも、だとすると彼が取材して書いていた書籍はどのような方向性で進んでいたのだろうか。その辺はもう少し示してほしかったなぁ。無罪を主張してたロンゴがいきなり有罪を認めるくだりのフィンケルと出版社とのやりとりを観るに、無罪の方向性で書いていたのかと思わせるが、いかに。
いずれにしても、フィンケルは過去の過失によってジャーナリストとしての地位が危ういのであり、ともかく真実よりも読者目線で面白い執筆の仕方を肯定したかったんだろうと思われる。
俺も記事を書く仕事をすることもあるので、今作によって二重否定の使い方を学べたのはよかったな。そういう意味では収穫はあったけど、作品的には少し物足りない映画であった。役者たちの演技はよかったんだけどね。
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