トリプル・フロンティア
元特殊部隊員たちが、麻薬組織のボスから大金強奪を企てるクライムアクション。序盤の展開にはなかなかワクワクさせられたが、大金強奪後にグダグダになっていく感のある残念作品。ネタバレあり。
―2019年製作 米 125分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:5人の友人が再会し、南米の麻薬ギャングと対決。意図しない結果ばかりが続き、忠誠心が試される。(Filmarks)
監督:J・C・チャンダー
出演:ベン・アフレック/オスカー・アイザック/チャーリー・ハナム/ペドロ・パスカル/ギャレット・ヘドランド/アドリア・アルホナ/シェイラ・ヴァンド/クリスティン・ホーン
ネタバレ感想
適当なあらすじ
元特殊部隊の隊員5人が、南米のギャングが荒稼ぎした大金の強奪を企てる。5人は軍人時代、そのチームワークとそれぞれのスキルで活躍。過酷な任務を遂行するために命の危険にさらされながらも成果を出してきたツワモノたちだ。しかし、退役後は、それぞれが己の道を歩んではいるものの、生活はパッとしない。
サンティアゴは退役後、傭兵として働いているのか、ある任務についていた際に、情報提供者から南米の麻薬組織のボスが大金を自宅に隠していることを知る。
で、軍人時代の仲間を誘い、組織のボスの屋敷に忍び込み、7500万ドルにものぼると言われる金を盗むことにするのだ。
計画は見事成功するのだが、当初の予測以上に多くの金をゲットしたことが、作戦の遂行の妨げとなっていきーーというのが適当なあらすじ。
序盤はいいけど、大金強奪後の展開が…
序盤の展開はなかなか楽しめた。現在は不遇を囲っている元軍人たちが、いろいろの葛藤や不安を抱えつつも、昔のチームを結成して事に及ぶまでのくだりが丁寧に描かれているように見えて、作戦遂行にあたる彼らの今後に、わくわくさせられる。
ところが、現金回収の最中からなんだかおかしな展開に。リーダー的な存在だったベン・アフレックが演じるトムが、金に目がくらんで冷静な判断ができなくなっていくのだ。
そのおかげで、組織の屋敷から脱出し、ヘリコに乗り込んで国外逃亡を図るまではよかったものの、重量オーバーでヘリコが推進力を失い、墜落してまうのである。
で、こっからは組織の追っ手と戦ったり、山奥の住人たち(コカイン?栽培をしている)と一触即発な状況になったりしながら、徒歩で死地を脱しようと試みる5人の奮闘が描かれる。
描かれるのだが、ここからの展開がどうにもおもしろくなかった。トムたちは軍人時代に十分なお金がもらえなかったことを嘆いているが、お金ではなく任務のために作戦を遂行していたから、彼らはチームとして目覚しい成果を残せていたことがわかる。お金のために動いてないので、冷静な判断ができたのだ。
ところが、トムの言動を見てわかるように、自らの将来を左右するお金を目の前にした仕事だと、作戦前はあれだけ冷静沈着だった男が、的確な判断をできなくなっていくのである。
けっきょく、トム以外は死地を脱することはできたものの、持ち帰れたお金はわずか。しかもそのお金はみんな、トムの遺族のために残す道を選ぶ。
この判断は5人の友情を感じられていいお話ではあるが、そこに至るまでのグダグダのせいで、あまり感動的ではない。
実は彼ら、トムの死後に身を軽くするため、かなりの現金を山奥にあったクレバスに放棄し(隠し)ている。
ラスト、隊員の一人がサンティアゴに、クレバスの位置を示した座標みたいなのを記したメモを渡して物語は終了。
おいおいおい。
まさか続編つくるつもりじゃないだろうね。そんなん別に見たくないぞ。と思う、何がしたいかよくわからない中途半端な作品であった。
この映画はネットフリックスで鑑賞できます。
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