トイ・ソルジャー
テロリストが男子高校に乱入し、彼らを人質に麻薬カルテルのボスの解放を要求してくる。死地を逃れるため、高校生たちが団結して脱出を企てる青春アクション。
―1991年公開 米 112分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:私立高校の5人組の少年たちの、凶悪集団との戦闘と友情を描く青春アクション映画。エグゼクティヴ・プロデューサーはマーク・バーグとクリス・ザーパス、製作はジャック・E・フリードマン、ウェイン・S・ウィリアムス、パトリシア・ハースコヴィック、監督は「ビバリーヒルズ・コップ」の脚本家でこれがデビューのダニエル・ペトリー・ジュニア、撮影はトーマス・バースティンが担当。出演はショーン・アスティン、ウィル・ウィートンほか。(KINENOTE)
あらすじ:全米の有力者たちの落ちこぼれ子弟が集まる、レジス高校。ビリー(ショーン・アスティン)、ジョーイ(ウィル・ウィートン)、リカルド(ジョージ・ペレス)、スナッフィー(キース・クーガン)、ハンク(T・E・ラッセル)の5人組はその中でも札つきの問題児だ。ある朝、コロンビアからルイス・カリ率いる過激派グループがヘリコプターで高校に乗り込んで来る。ルイスは逮捕されている麻薬王の父エンリケ・カリがアメリカに引き渡されたことに抗議、担当裁判官の息子ニコラスを人質にしようという作戦だった。ルイスらは学園を占拠するが、ニコラスは既にFBIの保護下にあり、彼らは作戦を変更、生徒92人全員を人質に取ることにした。ルイスたちは生徒を食堂に集め、1時間おきに全員を点呼、人数が足りなければ射殺すると宣言。ビリーは学校を包囲している軍隊に内部情報と全員の脱出計画を伝えるため単身外に飛び出す。彼は何とか目的を達して再び学校に戻るが、軍はビリーたちの脱出計画を検討し、成功の確率は低いと判断する。だが、見張りの銃を奪って反抗したジョーイが射殺され、状況は一変。ジョーイの父親はマフィアのボスで、彼が刑務所に手を回して収監中のエンリケを殺害させてしまう。エンリケの死がルイスに伝わる前に救出しなければ人質の生命が危ない。軍は校内への突入を決定し、ビリーたちに合図を送る。ビリーはジョーイの死のショックで気力を失っていたが、スナッフィーたちの励ましで立ち直り、仲間と協力してルイスたちと激しい戦闘を開始、見事脱出に成功し、ルイスたちは殺され、学園には平和が戻った。(KINENOTE)
監督:ダニエル・ペトリー・ジュニア
出演:ショーン・アスティン/ウィル・ウィートン/キース・クーガン/ジョージ・ペレス/T・E・ラッセル/デンホルム・エリオット/ルイス・ゴセット・ジュニア
ネタバレ感想
なんとも懐かしい作品。初めて観たのは地上波のどっかの局でやってた洋画劇場だ。その後、存在すら忘れていたが、今回ツタヤで発見して再度鑑賞したら、思いのほか楽しめた。
親が有力者でありながら、落ちこぼれの5人組がテロリストと戦うことになるお話。人物描写にそれなりの掘り下げがあるのは、敵のボスと教頭先生と主人公のビリー、そしてマフィアのドンの息子、ジョーイくらい。群像劇的な展開ではないので、この人物たちが何を考えて動いているのかがしっかり伝わってくるだけで、最後まで筋を楽しめる内容に仕上がっている。
ということで、なかなか面白い作品です。何がいいかというと、少年たちが戦闘経験豊富なテロリストたちと真っ向勝負をせずに、知能や団結力、勇気で戦うからだ。その友情の描き方もさほど過剰ではなく、さらりと爽やかに描いているので、ウェットな感じがなく、そこがまたいい。
やたらと「俺たちは親友だろ」みたいな描写をせず、彼らの会話やかかわりの中でそれらを感じさせるからよいのだ。ジョーイが自分の父親のしたことに反発して逆上し、射殺されて以降は、彼の仇討ち的な気持ちもあってこその解放戦になるわけだが、そこに対しても淡々と物語が進んでいく。決してウェットな感じにならない。
これは男子高校が舞台だからそのような展開にできたのかもと思わぬでもない。ここに異性との恋愛要素などが入ってくると、またややこしい描写が必要になってきそうなので。
ということで、あっさりした感想ではあるが、お勧めの佳作です。
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