シックス・センス
精神科医と世の中をうまく渡り歩くことができない少年が、交流を重ねる中で心を通わせて再生の道を歩み始める話。ラストのネタバレを知っていても繰り返し観られるのは、作品そのものが優れているからだろう。ネタバレあり。
―1999年公開 米 107分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:死者が見える少年と心に傷を負った精神科医が交流を通じて癒されていく姿を綴った異色のサスペンス・ホラー。監督・脚本はインド出身の新鋭M・ナイト・シャマラン。撮影は「すべてをあなたに」のタク・フジモト。音楽は「ダイヤルM」のジェームズ・ニュートン・ハワード。視聴効果は「アルマゲドン」のドリーム・クエスト・イメージズ。出演は「アルマゲドン」のブルース・ウィリス、「僕のボーガス」のハーレイ・ジョエル・オスメント、「ベルベット・ゴールドマイン」のトニ・コレット、「ポストマン」のオリヴィア・ウィリアムスほか。(KINENOTE)
あらすじ:小児精神科医の第一人者マルコム(ブルース・ウィリス)はある晩、妻アンナ(オリヴィア・ウィリアムス)と自宅にいたところを押し入ってきた10年前に治療した患者のヴィンセントに撃たれた。ヴィンセントは彼を撃つと自殺し、この事件は彼の魂に拭いがたい傷を残した……。1年後。フィラデルフィア。妻アンナと言葉を交わすこともできず悶々とする日々を送るマルコムは、他人に言えない秘密を隠して生きるあまり心を閉ざした8歳の少年コール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)に出会った。彼の秘密とはなんと死者が見えること。彼はこの秘密を母リン(トニ・コレット)にも話せず、友達からも異常者扱いされて苦しんでいた。やがて、ふたりは心を通わせるようになり、コールはついに秘密を打ち明けた。死者は彼にいつも何かをさせたがっているというのだ。吐瀉物で汚れた少女の霊に会ったコールはマルコムに連れられてその少女の葬儀が行われている家へ行く。霊となった少女はコールに箱を手渡す。箱の中にはビデオがあり、そこには彼女の母親が少女を毒殺する姿が映っていた。少女の父親はそれで真実を知った。死者は彼に自分の望みを叶えてもらうことで癒されるのが望みだったのだ。ついにコールは悩みを克服し、母リンにも秘密を打ち明けた。一方、マルコムは妻アンナのことでまだ悩んでいた。コールはマルコムに彼女が彼女が眠っている時に話しかけてと助言した。その晩、マルコムは彼に背を向けて結婚式のビデオを見るうちに眠り込んだアンナに話しかける。彼女は寝言で「どうしてあたしを残して行ってしまったの?」と呟く。その途端、彼は全てを理解した。彼はヴィンセントに撃たれた時に死んだのだ。アンナへの思いとヴィンセントへの後悔の念が死者となった彼をこの世に引き留めていたのだ。かくして、望みが満たされて癒されたマルコムは天へ召された。(KINENOTE)
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:ブルース・ウィリス/ハーレイ・ジョエル・オスメント/トニ・コレット/オリヴィア・ウィリアムズ/M・ナイト・シャマラン
ネタバレ感想
アマゾンプライムで見つけて久しぶりに鑑賞。たぶん3回目くらいかな。話の内容は知ってるのに、こうして繰り返して観たいなぁと思わせるのは、先述のように面白い話だからだろうね。確かに初見のときは終盤のネタバレに驚かされて、そこに至るまでにあったいろいろの違和感みたいのが伏線だったことがわかり、実に納得させられた覚えがある。
もちろんそこがこの作品の最大の見所ではあるんだろうけど、単純に精神科医と少年の心の再生の物語として実にいい話であって、そこにちょっとしたホラー要素と少年が幽霊が見えるという設定を入れたことで、より物語に深みが出ているのである。
その工夫により、少年と母親のすれ違いや、精神科医と少年の交流の中に、コミュニケーション不全になってしまう対人間同士が、どのようにして距離を近づけるべきなのかというヒントが隠されているように見えて、そこがまた良いのだ。要するに、相手の話をきちんと聞き、頭から否定をせずに聞き入れることがコミュニケーションにおいて大事なんでありますなぁということがよくわかる。
監督のM・ナイト・シャマランは今作でとても有名になったけど、その後のキャリアにおいて、この作品の評価が足かせになっちゃってる感もあって、実にダメな作品もけっこうあるから俺なんかは、彼の作品を半笑いで鑑賞しちゃうような嫌な奴なんだけど、久しぶりに今作を鑑賞して、やっぱりすごい監督なんだなぁと思わされましたん。
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