ショッカー
予知夢が見られる主人公が家族を殺人鬼に殺されたので、何とか捕まえて電気椅子送りにしたら殺人鬼が電気人間になっちゃってーーとなかなか荒唐無稽な展開で進んでいくホラーコメディ。
―1989年 米 109分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:TV電波に乗り移った殺人鬼と対決する大学生の姿を描くコメディー・ホラー。エグゼクティヴ・プロデューサーはシェップ・ゴードンと監督・脚本も兼ねる「ゾンビ伝説」のウェス・クレイヴン、製作はマリアンヌ・マダレーナとバリン・クマー、撮影はジャック・ヘイトキン、音楽はウィリアム・ゴールドスタインが担当。出演はミッチ・ピレッジ、ピーター・バーグほか。(KINENOTE)
あらすじ:ジョナサン・パーカー(ピーター・バーグ)は養母と妹、弟が殺された夜、犯人の姿を夢で予知していた。それを聞いた彼の養父のパーカー警部(マイケル・マーフィーー)は半信半疑ながら、その犯人だというTV修理屋ピンカー(ミッチ・ピレッジ)の家に向かうが、ピンカーは警官を惨殺して逃げ去る。そして第2、第3の殺人が起き、ついにはジョナサンのガールフレンドのアリソン(カミ・クーパー)が殺される。悲しみに沈むジョナサン。しかし再び見た予知の夢によってピンカーの居所がわかり、逮捕することができた。ピンカーが電気イスで処刑される日が来たが、電流が流れたとたんピンカーはそれと一体化し、体は跡形もなく消えた。ジョナサンはその後を追うが、ピンカーはついにTV電波に乗り移り、自由自在に移動できるようになっていた。しかもテレビだけでなく、電気の通る所ならばコンセントでもどこでも行けるようになっていたのだ。そのため、どこの家のお茶の間でも自在に出入りできる、神出鬼没の全国ネット殺人鬼となってしまったピンカーはやりたい放題。だが、パーカー警部も追手をゆるめない。そしてついにピンカーがテレビの画面の中に入っている間に電源を切り、彼をその中に閉じこめて倒すことに成功するのだった。(KINENOTE)
監督・脚本:ウェス・クレイヴン
出演:ミッチ・ピレッジ/ピーター・バーグ/マイケル・マーフィー/カミ・クーパー
ネタバレ感想
U-Nextで見つけて鑑賞。ウェスクレイヴン監督は有名なホラーいくつか撮ってるけど、この作品は名前すら知らなかったなぁ。というか、俺はこの監督の作品だと、『スクリーム』くらいしか観たことなんだけど。
ともかく本作はけっこう荒唐無稽な話なので、ホラーというよりはコメディっぽい感じ。そもそも主人公のジョナサンが前向きというか、血がつながっていないとはいえ父親以外の家族と恋人=アリソンをピンカーに殺されてるし、さらに自分の所属する部活のコーチに友だちとかまぁ、本当に殺されまくってる。
しかも、終盤でサラッと明かされるのが、ピンカーは実の父親だったという(笑)。このように、けっこう悲惨な体験してるのにあまり凹まずに敵であるピンカーに立ち向かってくところなんて、なんか少年漫画の主人公みたいだ。
んで、先ほど触れたようにともかく荒唐無稽な話。例えばジョナサンは序盤のほうで予知夢の能力を手に入れるんだが、なんでなのかの説明はない。その後、ピンカーは電気椅子による処刑のドサクサで、なぜか人間の体に乗り移れる幽霊になり、そののちに、電気の中を自由に動き回れるようになるという(笑)。あと、アリソンは気の毒にもピンカーに殺されちゃって、それはいいとして、なぜか彼女も幽霊になって現れるのだ。しかも、なぜか彼女のペンダントが魔除けみたいな役割を果たすようになるし、ジョナサンがピンカーに殺されそうになったときに、なぞのビームみたいなのを出してピンカーを吹っ飛ばしちゃうという。
そんな能力があるなら、彼女がピンカー殺しちゃえばいいのにと思うんだが、そうはならない。んで、ジョナサンのほうは、けっこう愛し合っている中だったのに、アリソンが幽霊となって登場するとメチャクチャ怖がってるところが笑えるんだよなぁ。最終的には幽霊の彼女と冷静にコミュニケーションとれるようになるんだけど、そこに至るまでの間は、ピンカーに対するそれよりビビってるからね。ピンカーのほうが幽霊よりも謎な存在になってるのに、なぜかそっちは受け入れてて、元恋人にビビるとかどういうことよ(笑)。
で、ラストバトルはピンカーを追って、ジョナサンまで電気の世界に入り込んで、いろんなテレビ番組に出演しながらピンカーと喧嘩を繰り広げるという。もうメチャクチャ(笑)。まぁでも、このメチャクチャさがコメディであって、最初から最後まで休むことなくおバカなシーン満載。その辺がこの作品の良さでありますな。
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