サバイバー極限の生存者
乗ってた飛行機が墜落。なんとか死なずにすんだものの、森の中で一人になってしまった女性が、生き残りをかけてジタバタする、実話を基にした話。飛行機が墜落するシーンはすごいが、それ以外は普通。ネタバレあり。
―2022年制作 露 98分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:高度5000mから墜落した飛行機に乗り合わせ、奇跡の生還を果たした女性の実話を元にしたサバイバルアクション。1981年8月24日。ウラジミールとラリサは新婚旅行から帰郷するため、飛行機に搭乗する。しかし、飛行機は上空で軍の偵察機と激突し…。(KINENOTE)
あらすじ:1981年8月24日。コムソモリスク・ナ・アムーレ空港発811便。ウラジミールとラリサは、新婚旅行から帰郷するため機体へと乗り込む。飛行は順調かに思えたが、高度5000メートルの上空で、軍の偵察機が811便に激突。機体は半壊し、乗客たちは次々と空へ投げ出されていく―。ラリサが目を覚ますと、そこは森の中だった。奇跡的に一命を取り留めたのだ。しかし、足には破片が刺さり体は満身創痍だった。ラリサは、空中で離ればなれになったウラジミールを探して歩き出すが、森の中には危険が至る所に潜んでいた―。(amazon)
監督・脚本:ドミトリー・スヴォーロフ
脚本:ナザロフ・アンドレイ
出演:ナジェダ・カレガノヴァ/マクシム・イワノフ/ヴィクトル・ドブロンラヴォフ/ヤン・ツァプニック/ニキータ・タラソフ
ネタバレ感想
極限状態を生き延びる人間を描いた物語がけっこう好きなので、レンタル配信で鑑賞。エンドロールを見て初めて知ったのは、今作が実話を基にした作品だったということ。なかなかに過酷な状況を生き残った女性の話で、リアルに体験したらもちろん俺なんかは生き残れないだろうなと思うんだけど、じゃあその実話に基づいた話が面白く見られたかというと、別にそんなことはなかった。
飛行機が墜落するシーンはすごいんです。マジですごい。なかなかハラハラするし、一緒に乗ってた人たちが呆気なく死んでいく様はなかなかに地獄絵図。
主人公のラリサはこの壮絶な事故からなんとか生き残ったものの、旦那のウラジミールと離れ離れになってまったので、森の中を彷徨いつつ彼を探すのである。彼の死体を探していたのか、生存を信じていたのかはよくわからんが、途中でトラに襲われ、底なし沼に沈みかけ、川の水に流されるなど、いろいろの災難に見舞われるが、超人的な体力と気力で彼女は何とかウラジミールの遺体を発見。その後、無事救助されるのであった。めでたしめでたしーー。
――という話なんだけど、だから何? と思ってしまうのである。事故以降にラリサが見舞われる数々の災難は非常に過酷なものなのに、描写が淡々としすぎているというか、見ててなんも感じないのだ。ハラハラもドキドキしない。
彼女を探すほうの捜索隊のリーダーみたいな奴も、最初は冷徹な感じで物事を処理していくが、最後にはラリサの身内たちの訴えによって、情にほだされたのか捜索方針を変更。そのおかげもあってラリサは発見に至るわけだが、そもそもこのリーダー、捜索活動の最初の頃、テキトーなことしてたせいで、あれがなければもっと早くラリサは見つけられてたからね。要するに、すげえ有能そうに描かれてたけど、ただの無能だろって思ってしまった。
極限の状態を、ウラジミールへの愛の深さ故に生き延びることができたってことを伝えたかったんだろうけど、なぜラリサがそこまでウラジミールを愛するようになったのか、ようわからんのである。ところどころ、二人の思い出をフラッシュバックして見せてくれるので、それを伝えたつもりなんだろうけど、何というか、それを見せられても、だから何なん? て思ってしまうのだ。むしろ、彼女の上から目線っぽいウラジミールへの接し方にイライラさせられちゃう思いでシーンもけっこうあって、何とも残念なお話になっちゃっていましたな。
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