クレンズ・フレンズ
婚約者にふられ、会社もクビになった男が自身の傷を癒すために自己啓発セミナーに参加した結果、山奥でデトックス修行をすることに。果たして彼は、傷を癒して人生を前向きに歩めるのか――。最初っから変な作品だが、途中からもっと変な内容になって、その変さを最後に放り出してしまうヘンテコな駄作。見る価値はないです。ネタバレあり。
―2016年製作 米=加 81分―
あらすじ・スタッフとキャスト
あらすじ:傷心の男性が、自分自身を浄化して壊れかけた人生を修復しようと、スピリチュアル系のリトリートに参加する。そこで彼は同じように悩める仲間と出会い、共に“クレンズ”というデトックス法を行う。ところが体から排除されたのは、日々の毒素だけではなかった…(amazon)
監督:ボビー・ミラー
出演:アンナ・フリエル/ジョニー・ガレッキ
ネタバレ感想
内容は冒頭で紹介したとおり。ネットフリックスで見つけたので鑑賞してみた。冒頭、主人公が参加した自己啓発セミナーからしてなかなかインチキ臭く、この主催者は参加者からデトックス修行にふさわしい奴を選別してたみたい。
しかし、その選別方法が何を基準にしてたかよくわからん。主人公のようにキチンと自身の傷心具合を説明している人もいれば、ヒロインのように、嘘ついて本当のことを言わずにいる人もいるなど、選抜される人たちがけっこう適当。
そもそも参加者は、心を癒すためにセミナーに参加してるのに、全員の相手をせずに選抜メンバーだけがデトックス修行ができて、すなわちリトリートの可能性が残されてるって時点で、この主催者の思惑が怪しすぎないかね。
まぁそれはいいとして、そのリトリートに参加するのは、主人公とヒロインと、あるカップルの4人。こいつらが主催者の呼びかけに応じて山奥にやってきて、講師みたいのについて、薬みたいな飲み物を飲んで、体内の不純物などをデトックスする日々を体験することになる。
この時点では、物語がどのように展開していくのかがよくわからんくて、俺の予想ではこの怪しい主催者たちの怪しさが爆発してきて、主人公とヒロインはその怪しさに抗いつつ主催者たちの陰謀を暴き、それを通じて自分たちも前向きな心を手に入れていくーーというような展開になるんだろうと思っていた。
ところが全然そんなことにはならない(笑)。主催者側の講師みたいなオバさんの指示された通りの謎の飲料を飲み続けた主人公たちは嘔吐感や下痢に悩まされるようになり、体内の不純物を外に出すことになる。
そうすると、なんと自分の吐き出した汚物から謎のグロい生物が誕生するのである。なんなんだこの展開は(笑)。生物はグロいんだが、自分の体内から吐き出されたものであるし、愛嬌もあるように感じるらしく、主人公とヒロインはこの生物を自室に隠しながらその成長を見守ることにする。
一方のカップルたちは、飲み干すのに失敗した女性のほうは死んじゃうし、相手の彼氏のほうも、育てるのがうまく行ってないような感じ。あと、主催者側として主人公たちの世話役みたいなことをしてたオッサンは、自分の産んだ謎の生物に食い殺されちゃう。
どうしてそんなことになったのかようわからんが、ある日、主催者側のリーダーが現れて、主人公とヒロインに、自分たちの生物を殺すことによって、リトリートは完了すると告げられる。
しかし、今さら生物を殺すこともできない二人は、車を奪って生物を連れてその場を逃げ出す。逃げ出す際に、謎の生物を同じ袋に入れておいたら、なぜかそいつら狂暴化しちゃって、ヒロインが襲われたので慌てて車を停めた主人公。
生物を観ると、なんと2体がなぜか合体しちゃってて、おぞましい形をしていたんである。それを見て怖くなったのかヒロインが生物を殺そうとする。主人公もそれに加担して、二人で生物の息の根を止めた! 以上で物語は終了。なんなんだ、これは。
何がしたかったのか意味不明。いずれにせよ、主人公たちは図らずも生物を殺すことに成功したわけで、デトックス完了ということか。それとも…。
主人公とヒロインの関係も意味深に描いておきながら、大した交流は描かれずに中途半端。主催者側のリーダーももったいつけて登場した割には、こいつが何者で、生物が何なのかという説明もさしてされずにラストを迎えちゃう。
ともかく何だったのかよくわからんくて、尺が短いという以外に良いところが何もない、意味不明な駄作であった。
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