無敵のドラゴン
―2020年公開 香 99分―
解説とあらすじ・スタッフとキャスト
解説:「大脱出3」のマックス・チャンと元UFC世界ミドル級王者アンデウソン・シウバが対決するアクション。女性警官を狙った連続殺人事件が発生。犯人に婚約者を拉致された香港警察捜査官ガウは、マカオで同じ手口の事件が起きたことを知り、犯人に宣戦布告する。監督は「メイド・イン・ホンコン」のフルーツ・チャン。「イップ・マン」シリーズのレイモンド・ウォンが製作として参加。また、アクション監督を「孫文の義士団」を手がけたトン・ワイが務める。(KINENOTE)
あらすじ:香港警察捜査官ガウ・ロン(マックス・チャン)は、幼い頃に9つの頭を持つ伝説の九龍と出会ったことから、身体にドラゴン・タトゥーを入れている。誰よりも熱血漢ではあるが、マフィアへの過剰な銃乱射が原因で郊外の小さな警察に左遷させられる。そんなある時、女性警官ばかりを狙い、絞殺後に拳銃を奪って逃走するという連続殺人事件が発生。凶悪犯を捕えようと必死の捜査に乗り出すガウだったが、犯人に婚約者を拉致され、失意のどん底に突き落とされた彼は第一線から身を引いてしまう。しかし全く同じ手口の連続殺人がマカオでも発生。ガウは愛する人は今も生きていると信じ、かつての部下を集めて犯人に対し宣戦布告する。(KINENOTE)
監督:フルーツ・チャン
出演:マックス・チャン/アンデウソン・シウバ/ラム・シュー
ネタバレ感想
マックス・チャン主演てことでレンタルして鑑賞。彼は『ドラゴン×マッハ!』や『イップ・マン継承』でブレイクした感のある人だ。もともと容姿がカッコいいし、体術もキレキレで存在感があった。特に後者での活躍によって、同作品のスピンオフ『イップ・マン外伝マスターz』もできたほど。
てなことで、そんな彼がブレイク後に主演を務めた作品ってことで鑑賞したわけだ。でも、全然期待はしてなかった。というのも、彼のブレイク後の主演作のもう一つに、『狂獣 欲望の海域』ってのがあって、これはキャストはなかなか豪華なのに中身がぜんぜんダメで、アクションが良ければストーリーなんてどうでもいいーーと言いたいところなんだけど、そのアクションすらまったく印象に残らなかったのである。
で、本作。もちろん『狂獣』とは監督が違うわけだから期待してもよかったかもしれないんだけど、珍しく事前にレビューサイトとかの評価をチェックしてみたら、5点評価で平均ギリ3点いかないみたいな微妙な評価。それで、これはもしかして、マックスチャンが出てるという一点しか評価ポイントがない作品なのではないかと嫌な予感がした。
ともかくレンタルしてたので鑑賞してみたら、やはり嫌な予感は的中したのである(笑)。というか、マックスチャンが出ているからという理由があれども擁護したくない内容だったというのが率直な感想だ。
まず、マックスチャンの髪形がダサすぎる。似合ってない。しかもなんか化粧してるし。これって彼の希望でこんなダサいビジュアルになっているのだろうか。『狂獣』んときの彼もダサかったので、もしかしたらそうなのかも。そうだったら嫌だなぁ(笑)。
じゃあ肝心のアクションはどうなんだろうって言うと、まず最初に不満なのは、彼が派手に格闘アクションするシーンが、50分くらい経たないと出てこないことだ。それまでは、申し訳程度に動きを出すくらい。さらに、その格闘アクションも全編通して2~3回ある程度。
とはいえ、作品としてそこが見どころになっているはずなんで、それらのシーンがカッコよければよかったんだけど、これがまた酷い。役者たちの動きのすごさ、特にマックスチャンのそれはわかるんだけども、撮影が下手なのか何なのか、ビジュアル的にまったく迫力がなく感じてしまったのである。つまり見せ場である格闘シーンなのに、何の興奮もわかないのだ。これは残念すぎるだろ。
ではストーリーはどうなのかというと、これがまた酷い。そもそもマックスチャン扮するガウが婚約者を黒幕に奪われちゃったのって、彼が無能だからだろ。おとり捜査をしたまではいいけど、ちょっとしたアクシデントに配置されてた警官のほぼ全員が引っ張られて婚約者を拉致られる隙を作っちゃうとか、指揮官として無能すぎ。
で、犯人が捕まえられなくて自分がクビになってからは、毎晩、路面電車に乗って婚約者を捜していたーーとかアホか。怪我させられて拉致られてる婚約者が、何で電車で帰ってくると思ったんだよ。
さらに、数年後にマカオで同様の事件が起こったことで、その捜査権をマカオ警察と奪い合うというかなんやかやするシーンとかあるんだけど、あれいるか? ダルイだけ。で、犯人捜しの捜査も適当というか、あんなバカバカしい動機の殺人事件が未解決とかどういうことなんだかよくわからない。しかも、捜査らしい捜査をしてるようには思えないのに、犯人側から警察に喧嘩売ってくるからね。アホか。
その他、ところどころコメディタッチなシーンも入れてきて、その辺は大した根拠もないんだけども香港映画ぽいなぁなんて思ったものの、ラストバトルのあれは何なんだよ。物語冒頭で出てきたバンジージャンプ練習シーンの伏線回収のつもりなんだろうか。もしそうだったらワザとらしすぎるし、ガウが高所恐怖症とかいう設定もダサすぎるし、極めつけは本物のドラゴンが出てきちゃうところ。んで、黒幕たる犯人がそのドラゴンにオタリアがシャチに遊ばれてるみたいな感じで玉突きされちゃうとか、どんな突っ込みがほしいのかよくわからない。
ということで、マックスチャンの強さもカッコよさも感じられないクソ作品であった。
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