『ザ・ガンマン』
ショーン・ペンが珍しくというか、初アクションしている作品。なかなかマッチョな肉体であります。かなり無理に思える部分もありつつ、最後までゴリ押しで物語を展開していく推進力はある。ということで、B級感溢れるアクション映画です。ネタバレあり。
―2016年公開 アメリカ スペイン イギリス フランス 115分ー
解説:「ミルク」のショーン・ペンが元特殊部隊の暗殺者を演じるアクション。アフリカ・コンゴの大臣暗殺任務を完璧に遂行し除隊。平穏な日々を過ごしていたジムは、ある日突然何者かに命を狙われ、捨てたはずの過去と再び対峙することに……。ジャン=パトリック・マンシェットのロマン・ノワール『眠りなき狙撃手』を原作に「96時間」のピエール・モレル監督が映画化。共演は「マンデラ 自由への長い道」のイドリス・エルバ、「ニル・バイ・マウス」のレイ・ウィンストン、「インティマシー/親密」のマーク・ライランス、「息子の部屋」のジャスミン・トリンカ、「007 スカイフォール」のハビエル・バルデム。
あらすじ:アフリカ・コンゴ民主共和国。鉱山利権に絡む極秘の大臣暗殺作戦に参加した元特殊部隊のジム(ショーン・ペン)は、完璧な狙撃で任務を遂行。だがその後、愛する恋人も何もかも捨ててジムは姿を消した……。それから数年後、血塗られた過去を贖うようにひっそりと暮らしていたジムだったが、ある日突如として何者かに命を狙われる。コンゴでの暗殺作戦に参加したかつての仲間たちが次々に殺されていることを知ったジムは、自分を襲った敵が何者なのかを突き止めるため、そして自ら生き残るために過去と向き合い再び銃を手に取るのだが……。
監督:ピエール・モレル
出演:ショーン・ペン/ハビエル・バルデム/ジャスミン・トリンカ
マッスル・ペンが拝める映画
ショーン・ペンてこういう激しいアクションするイメージなかったので、けっこう驚き。役作りのためなのか、かなりのマッスルボディであった。もう60歳くらいのはずなんだが、すごい。
彼は『カジュアリティーズ』とか『カリートの道』とか『ミスティック・リバー』とか憎たらしい奴を演じさせるとかなりイイ。なんというか、目や口元の動きが悪人ぽいのだ(何なんだそれは)。今作も似たような表情なので違和感ありまくりなのだが、一応、主人公なので、善人ではないものの感情移入される側の立場を演じる。
ハビエル・バルデムの無駄使い
で、過去の過ちを反省しつつ、8年前に別れざるを得なかった恋人が忘れられない、元特殊部隊員がショーン・ペン。敵側は最初、ハビエル・バルデムと思わせておいて、そうではない。彼の物語上の位置づけが俺にはよくわからんかった。
彼が最後、自殺みたいな形で撃たれにいったのは何でなんだろう? ショーン・ペンが探っていた黒幕はバルデムとも旧知の中ではあったので、何らかの関わりがあったんだと思うけど、8年後、つまり物語の序盤以降で、ショーン・ペンを消そうとする組織とどう関係して、どのような役割を果たしてたのかがサッパリわからなかった。もしかして無関係だった!?
ということで、ショーン・ペンと恋人だったジャスミン・トリンカを離れ離れにさせたのは彼の仕業なわけだが、単なる恋敵だけとして登場していたんではないと思うものの、けっきょく最後までようわかりませんでした。てか、酷い奴だよね、この人。ジャスミン・トリンカの心が自分にないのを知っててこういうことするわけだから。女々しいし、戦闘能力もないし、その癖に偉そうだし、作品に出す意味があったのだろうか。
突っ込みどころは多々ある
もういっこよくわからんのが、ラスト近くで黒幕とショーン・ペンが遊園地みたいなところで対峙する場面。あそこで、なぜか通りがかった黒幕の知り合いみたいな女の人を、ショーン・ペンがぶん殴るじゃない? あれって何なの? 意味がわからん。
あと、序盤から8年経過している割に、みんな歳をとらなさすぎではなかろうか。もっと無理があるのはラストである。ショーン・ペンは一国の大臣を暗殺して、その国に混乱をもたらす片棒を担いじゃった人だよね。そのわりに、出所してくるの早過ぎないだろうか。インターポールに情報提供したとは言え、そんな簡単に出てこれんのか? 叙情酌量とかいうやつだろうか。
それにしても、全然老けた感じがなかったので、かなり短期間で出てきたのだと思われる。序盤は「8年後」という時間経過の説明を入れたにも関わらず、出所するまで何年かを説明しなかったのは、ズルイなぁと思った。
てなことで文句ばっかりなんだけど、B級テイスト満載で、嫌いではない作品であります。ショーン・ペンの格闘シーンも強いし格好いいからね。こんなこともできる役者なんだなーと感心。ただ、走り方はダサい(笑)。
そして、恋人役のジャスミン・トリンカって人を初めて見たけども、涼しげな美人さんで、よかったです。
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